鉢の中にいるミミズは害虫だった!駆除する理由と対策
鉢植えの植替えをするとミミズを見かけますよね。鉢から他の場所へ移した方がいいのか、それとも鉢の中に戻した方がいいのか悩むことはありませんか?ミミズは土を耕してくれる生き物ですが、種類と発生場所や環境によってミミズの存在価値が変わってきます。今回、鉢の中にいるミミズはどうしたらいいのかをご紹介します。
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ミミズとは

ミミズとはどんな生き物なのかを知るために、役割と種類についてお伝えします。

役割

ミミズがいるメリットを引用します。

ミミズは土中の有機物などを食べ、肥料成分を植物が吸収しやすい形態にする、糞が粒状のため通気性がよくなるなどのメリットがあります。

ミミズの糞には植物に必要な三大栄養素となるカルシウム、カリウム、リン酸を始めとして腐植酸、アミノ酸、酵素が含まれていて、すでに植物が利用しやすい形となっています。ミミズは土壌生態を豊かにする役割があります。

種類

数千種類のミミズが地球上に存在し、全世界に分布しています。日本でも500種類以上のミミズが生息しています。

ミミズは環形動物門-貧毛綱に分類されており,ナガミミズ目としてフトミミズ科,ジュズイミミズ科,ツリミミズ科等が知られ,イトミミズ目としてヒメミミズ科等がさらに分類されている

ミミズについて「微生物化学研究室」
その中で特によく耳にする「フトミミズ」と「シマミミズ」です。フトミミズはフトミミズ科に属しています。一方でシマミミズは、ツリミミズ科に属する1つの種類です。
フトミミズ科
(フトミミズ)
ツリミミズ科
(シマミミズ)
生息場所 雑木林、植え込み、道路端の落葉下・腐植質や糞粒中に生息 家庭用コンポスト、有機性廃棄物、たい肥や生ごみ
繁殖力 弱い 強い
寿命 1年 2年

*シマミミズ(Eisenia fetida)の別名「トラミミズ」

駆除すべき

ミミズは、畑や庭にいるときは有機物や生ごみを分解して土の機能を再生するよい役割を担っている善良ミミズですが、鉢の中に潜り込むと有害ミミズになるらしいのです。

鉢の狭い土の中では有機肥料を餌として生活しています。植物が吸収するはずの肥料分をミミズに食べられてしまい土が枯渇してしまう傾向があります。よって、植物の成長が悪くなってしまうんです。特に生ごみ等を分解するツリミミズ科の糞は、土をヘドロ状にし、水はけを悪くするので、植物が根腐れを起こしてしまいます。

ミミズが活動することで鉢の中では通り道ができます。通り道は通気性や有機物の糞を落とすなど良い効果もありますが、植物にとって鉢は限られた土壌空間のため、根にダメージを与えてしまい根張りへの悪影響が懸念されます。ミミズが狭い鉢の中に何十匹と生育していると根回りが悪くなることもあります。

理由・根拠

鉢の中にいるミミズは植物の成長を妨げるため駆除する必要があります。

鉢にいるミミズを駆除する理由
土の肥料分が餌になるため、植物が吸収する肥料分がなくなる
植物の成長が悪くなる
排出される糞は土を悪化させ水はけを悪くする
植物が根腐れをする
植物の根張りを阻害する。
ミミズの通り道は根にダメージを与える
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対策

鉢の中のミミズを目視で駆除しても目に見えない卵が残されていたり、小さなミミズがいるかもしれません。植物の植替えは基本1~2年に1回なので、土の中にミミズの卵が残っていると後々ふ化してしまう可能性もあります。心配な方は農薬で駆除する方法もあります。

農薬の紹介

ミミズによく聞く薬剤は「スチオミン乳剤」がおススメです。

駆除後の生育

ミミズが鉢の中にいた時の生育と植え替えで取り除いた時の生育状況を写真でお伝えします。

ミミズの生息で植物の成長が遅い

開花が終わった紫陽花の2年生株です。花終わり後に剪定を行い、脇芽が大きく枝や葉が生い茂る時期ですが、葉が少なく生育不良でした。植替え前の紫陽花の写真を載せます。ミミズが鉢の中から出てきた紫陽花です。

 

ミミズ駆除後の生育状況
 

ミミズ駆除後は植物が元気になる

ミミズを駆除し植替え約1ヶ月後の紫陽花です。(撮影の角度が違いますが、同じ紫陽花です)見違えるほど葉が伸び生き生きとした植物の状態であることが分かります。

紫陽花の成長が遅れていて、どうして成長しないんだろうと不思議でした。土が悪いのか根腐れかなと考え、植替えをしたら鉢の中に「ミミズ」がいました。約5ℓ用土から5匹出てきました。

 

鉢の中にいたミミズ
 


ミミズが苦手な方もいらっしゃるので、ミミズと一目で分からない程度の写真を載せています。悪しからず、ご了承ください。

最後に(まとめ)

植替え時にミミズを駆除することで植物がすくすく元気に育つことがあります。ミミズは土壌を活性させよい土づくりをしてくれる優良な生き物ですが、限られた鉢の中だと土壌改良はできても植物の生育を助けることができないこともあります。植物の成長が遅れたり生育が悪い時は、ミミズがたくさん鉢の中にいる可能性があります。植替えに適した時期であれば、鉢のサイズはそのままにして土だけ入れ替える目的で植え替えをしてあげましょう。

きっと、ミミズがせっせと働いて姿が見られますよ。
苦手なミミズのご紹介でした。
おしまーい。

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