落葉と冬芽形成はいつ?霜が降り始めた紫陽花の冬越しの経過

秋になると紫陽花は冬越しの準備を始め、落葉をしながら冬芽(花芽や葉芽)の分化を幹の中で進めています。しかし、寒くなっても落葉や芽分化も見られないと紫陽花の育て方を間違えてしまったのかと心配になりがちです。そんなときは見守ってあげましょう。今回、11月から年が明けて1月までの紫陽花の成長や季節的な変化、落葉や冬芽が育つ時期をまとめました。

冬に紫陽花の葉が落ちなくても焦らなくても大丈夫です。我が家の紫陽花はのんびり屋さんだから12月頃から落葉し始めましたよ。
本記事で紹介している紫陽花は、挿し木が発根して育てた中苗1年生です。

11月の紫陽花は、緑色の大きな葉が元気に育っています。少しずつ肌寒さを感じる時期ですが落葉する気配も、枝の先端に花芽の分化も見られません。もしかして、我が家の紫陽花だけ落葉できていないのかな・・・とちょっと心配し始める頃ですね。

元気な葉がついているのは光合成をしています

11月の紫陽花:元気な葉が茂っている

12月:落葉する

12月は、11月より気温がさらに下がり、暖房やストーブが必要な季節になります。紫陽花を観察すると、葉の色が茶色くなり、葉の枚数も少なくなりました。南国である鹿児島では1週間前ほどに、うっすら朝霜が下りていました。

落葉し始めた紫陽花

12月:霜に当たると葉が茶色くなり落ちる

さて「紫陽花の落葉はいつから?」という疑問ですが、紫陽花の落葉は、霜がうっすら降り始める12月から少しずつ葉の色が茶色に変化し、茎の下から頂点に向かって乾燥した葉が落ち始めました。つまり、霜が降り始めると、塩に当たって葉の機能が失われ落ち始めるということになります。気になる冬芽の分化は、「確実にこれが花芽と葉芽。」と判断できる冬芽は分かりませんでした。

我が家の紫陽花は、野外で霜が当たることで育てているので、霜が冷たさが落葉するための刺激になった可能性があります。霜が当たらない野外(屋根付き)のところで育てていた紫陽花は、ほんとんど落葉しなかったんです。

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1月:完全に落葉した

12月はゆっくり落葉しながら、翌年1月になるとすっかり葉が落ちて枝だけになりました。1月は完全に落葉し、紫陽花は冬越し真っ最中で、休眠していることが分かりました。

休眠中の紫陽花

1月:完全に休眠する

枝の先端には、赤茶色の小さな芽がありました。冬芽の形成が確認できました。

紫陽花の冬芽

紫陽花の冬芽は混芽(コンガ・フユメ)と言い、混芽には花芽と葉芽が詰まっています。寒い冬を乗り越えるため休眠芽・越冬芽とも呼ばれています。基本、先端にできる冬芽は葉も出るけど、花を咲かせるための花芽も形成されています。

の先端にできているこの冬芽の色は、
赤紫と茶色を合わせた濃い色でした。


この冬芽は薄い緑色だから葉芽なのかな?

の途中にたくさんの芽がついています!

根元に近い枝から冬芽がでています

やっと出会えた紫陽花の冬芽ですが、この寒さを乗り越えて春に元気な葉をつけ、花を咲かせて欲しいです。しかし、一方で枯れてしまった冬芽もいました。

枯れた紫陽花の冬芽

冬芽の締まり具体が弱かったり、形成が不十分だったりすると、冬の寒さで枯れてしまうことがあります。

先端にあるはずの冬芽が形成されずに
枯れてしまった紫陽花もありました。

紫陽花の冬芽が茶色くなって枯れた

 

いつ落葉するの?

それでは「紫陽花の落葉っていつするの?」という落葉の時期についての疑問にお答えします。鹿児島県の気候ベースですが、落葉時の気温や日照、降水量など気候環境と観察の結果を兼ねて分析をしながら考察をまとめました。

落葉する気温

紫陽花は気温が15℃以下で落葉するといわれています。鹿児島県の気温を確認すると、15℃以下になるのは12月から2月までの3カ月間でした。秋から冬と季節的な区分もですが、冬越しするための適切な気温になったときに紫陽花は、落葉していることが分かりました。その説は本当だったみたいです。

確かに、落葉をした12月は15℃以下の気温です。12月に落葉した紫陽花は、2月まで落葉していました。これも気温が15℃以下だったから休眠中だったためと考えられます。

落葉時の日照

鹿児島県の日照時間が紫陽花の落葉に関係しているか、下記のグラフからは検証ができませんでした。

落葉時の降水量

次は、落葉と降水量の関係について検討してみます。落葉をし始めた12・1月は、1年間の中で最も降水量が低く、雨が降っていないことが分かります。晴天でかつ北風が吹く冬の気候は、乾燥した日々が続くため紫陽花にとって苦手な日が続いています。(まぁ・・・だから冬越しするために休眠するんだよね。)雨が降らないことで乾燥した空気と風により葉の水分が抜けてしまい、葉が乾燥し枯れることで、落ち葉みたいにパリッと割れやすい葉になることも落葉しやすい一つの要因だと考えられます。

12月から1月の紫陽花の葉は、触っただけで落葉するぐらいでした。葉に水分が含まれていて茎についていれば葉は落ちにくいので、乾燥し落ち葉みたいな状態になることで落葉することが分かりました。

落ち葉を作るには、空気を乾燥させる。そのためには降水量が少ない方がその状況を作り出せるという意味で、紫陽花の落葉と降水量は、因果関係がありそうですね。ちょっとこじつけちゃったかな・・・。

落葉した原因(まとめ)

落葉に関する原因をまとめました。

落葉した原因

①15℃以下の気温
②乾燥した空気
※野外で霜が降った時から落葉した

落葉しなかった紫陽花

実は、落葉しない紫陽花もありました。

野外で育てて霜が降ったのに葉が残り、
枝の先端には冬芽がありました。
(落葉した紫陽花と同じ環境下)

屋根がある野外で育てたら、夏の日焼けをした
紅色の葉が数枚残りました。(一部落葉あり)
枝の先端にある冬芽の大きさは小さく、
葉の巻は弱い感じです。

最後に
(落葉するタイミング)

紫陽花は落葉することで冬越しをします。株を休ませる(休眠する)と当時に冬芽をつくる(芽分化する)ことが、来年開花させるために大事な生育サイクルです。落葉した枯葉は次年度に病原体を残さないように取り除くようにします。

今回、落葉の有無から一番よい育て方を述べると、自然の力に任せることが一番です。紫陽花が寒そうで屋根の下で育てた方が紫陽花も快適だからと親心で紫陽花を過保護に育てないように心がけることも必要です。強い北風は冬芽を乾燥させ過ぎてしまうことがあるので強風に当てない方が無難といえます。ある程度、自然環境下で育て多少のストレスを与えることで、健康かつ丈夫な紫陽花を育てることにつながり、本来持つ紫陽花の成長を促す手助けとなります。

紫陽花が落葉しないときは、焦らずにもう少し待ってみましょう。霜が降り始めると落葉してきますよ。毎年、霜が降り始める時期や寒波が来るタイミングが違いますので、その年の気候に沿って落葉するタイミングも異なってきます。

 

おしまーい。

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