紫陽花「炭疽病」の症状と治療、感染後は枯れる?(回復記録)

紫陽花の葉に2~3カ所でも茶色の斑点ができたら、炭疽病の初期症状かもしれません。感染した紫陽花をそのまま何もせずに様子を観察すると、病気が拡散して他の紫陽花や植物にも感染してしまう可能性があります。今回、炭疽病の症状や感染が拡大した末期状態などを写真で紹介しながら、感染したら枯れてしまうのかそれとも回復して元気に育つのかなどの疑問を経過観察を交えてまとめています。

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症状・経過

症状

炭疽病は、葉に円形・丸型で茶褐色の斑点状の病斑が現れ、周囲が暗褐色になることもあります。1枚の葉に1~2つぐらいの病斑はやがて風や雨、水やりで葉に残った水滴により他の葉に広がって、紫陽花の株全体に広がります。葉が古くなると病斑点の中心は破けて穴があきます。症状が深刻になると病斑同士が融合し、感染が拡大します。

炭疽病の症状
葉に丸い茶褐色の斑点がある
病斑の周囲に赤褐色の斑点がある
斑点中心の色は白~灰色、茶色
斑点中心は穴があいている
病斑は融合して葉を枯らしている

葉にでる病斑は、植物によっていろんな現れ方があり異なっていますが、だいたい同じ症状の傾向があります。初期症状や悪化し慢性化した症状、病斑同士が融合して茶褐色の塊が大きくなった症状、葉脈に沿って流れるように現れた症状と病斑の出方はさまざまです。感染することでさらに植物は抵抗力が弱まり、他の病気も併発する可能性があります。「こんな葉の症状は、炭疽病」と分かるように写真を載せておきますね!

具体的に感染した紫陽花は今度どうなるのか、そのゆくえを観察しまとめていきます。紫陽花が感染する前の生育状態から、発症、蔓延時の経過を写真でお伝えしながら、病斑の進行に天候や気象情報も分析していきます。

【5月】感染前の紫陽花

葉もキレイで緑色をしています。各枝に蕾がついています。病斑がついた葉がなく、元気に育っています。もうすぐ開花しそう。

○5月の気象情報○

 

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 13.9 19.6 20.5
降水量(㎜) 74.5 62.7 66.1
日照時間(h) 49.7 51.3 58.3

 

【6月】感染前の紫陽花

5月に引き続き、キレイな葉をしています。紫陽花の蕾が開花し、青色・藤色の花色が咲きました。梅雨入りで降水量が多かったけど、病斑が目立つ葉はありませんでした。

 ○6月の気象情報○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 21.8 23.0 24.8
降水量(㎜) 88.3 152.1 171.1
日照時間(h) 49.2 34.5 29.0

 

 

【8月中旬】初期症状

開花後の剪定済みです。8月中旬からポツポツと葉に数点の病斑が現れました。枯れるほどたくさん出ているわけではないです。自然治癒力で治るか様子見です。

 ○8月の気象状況○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 27.7 27.5 27.0
降水量(㎜) 48.4 64.6 90.5
日照時間(h) 67.4 58.4 72.5

 

【8月下旬】発症1週間後

いつの間にか葉が落ちて、もう枯れそう。病斑が出始めてから1週間で丸裸の紫陽花に。この1週間は雨が降る日もあり、通り雨と真夏の日差しが交互する日々でした。病原体が雨のしずくで拡散し、紫陽花が苦手な猛暑も続く中、樹木の抵抗力が弱まり感染のスピードが速くなったと考えられます。

○8月の気象状況○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 27.7 27.5 27.0
降水量(㎜) 48.4 64.6 90.5
日照時間(h) 67.4 58.4 72.5

 

落葉時期ではないのに紫陽花の葉がすべて散ってしまい葉がなくなってしまいました。これは本当に枯れるかも!という危機感で農薬を散布することに!散布した農薬はこちら「GFベンレート水和剤 」。炭疽病の治療はもう少し下の章でご紹介していきます。

8月下旬に、「GFベンレート水和」を散布しましたので、散布後の様子をお伝えします!良い効果がでてきます(*^^*)

【9月上旬】葉芽が芽吹いた

炭疽病をこれ以上広げないために「GFベンレート水和剤」を散布してから7日目。早くも新しい新芽が出てきました。秋で紫陽花も過ごしやすい気候になり相乗効果で若芽が伸びています。

 ○9月の気象情報○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 26.2 24.9 23.3
降水量(㎜) 86.3 87.6 78.9
日照時間(h) 63.2 61.3 52.8

 

【9月中旬】葉数が多くなる

散布後14日目。先週芽吹いた葉も大きくなり、葉数も多くなりました。引き続き「GFベンレート水和剤」を週に1回散布しています。

 ○9月の気象情報○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 26.2 24.9 23.3
降水量(㎜) 86.3 87.6 78.9
日照時間(h) 63.2 61.3 52.8

【9月下旬】回復した

散布後28日目。3週目も4週目の成長差がさほど感じられない。視覚的には同じ。1週間に1回散布を継続した結果、1ヶ月後に回復した様子。

 ○9月の気象情報○

上旬 中旬 下旬
平均温(℃) 26.2 24.9 23.3
降水量(㎜) 86.3 87.6 78.9
日照時間(h) 63.2 61.3 52.8

 

原因・感染経路

炭疽病の病原体はカビ(糸状菌)で伝染します。病原菌の胞子が雨や水やりの水滴により跳ね返るとともに飛散し、他の葉や周囲の植物に伝染していきます。病原菌は病斑の中で冬越しをして翌春になったら新葉に感染していくサイクルになっています。

感染経路
昆虫の体に付着した病原菌が運ばれた
昆虫の食害痕にカビの胞子が浸入した
水滴による跳ね返りで飛散し拡散した
感染葉にいた病原菌が冬越しして発症した
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発病の条件

一般的に日当たりや風通しが悪く、気温が22~23℃前後・湿度が高い時に発症しやすくなります。日当たりが悪いことも原因ですが、日に当たり過ぎると日焼けをするので紫陽花の葉が弱り抵抗力がなくなった時に、感染した病原体が発病し拡大することがあります。生育から適した環境条件から外れたり、日焼けや食害などに紫陽花が見舞われると感染しやすくなります。

発症の条件
気温22~23℃発症
 ⇒25~30℃で急激に悪化
湿度が高い
日当たりや風通しの悪さ
葉焼け
食害
紫陽花の抵抗力が低下した時

特に高温・多湿だと発病から悪化するまで短時間で炭疽病が拡散し被害が大きくなります。紫陽花の適した環境ではない時期は紫陽花の感染における抵抗力が落ちるためです。

発生したときの対策

発病した葉や落ち葉は見つけ次第、取り除き、病気の伝染源をなくすことが大切です。一度、発症したら次から次へと葉に感染していくので放置していると株全体に感染が広がり葉がなくなってしまいます。予防のためにも殺菌するために紫陽花に効果がある農薬を散布するとよいです。

病原菌の繁殖を防ぐことが大切で、悪化すると葉が褐色になり枯れ落ちてしまいます。葉が落ちることで光合成ができず、紫陽花はエネルギーや養分を蓄えることができないため衰弱する一方です。なにより、秋は、真冬に向けて休眠に入るため、十分に光合成による養分を蓄える時期であり、来年の開花に向けて芽分化も進んでいく準備をする時期です。紫陽花が来年開花するために、そして冬越しができるために葉をできる限りの残しておくように早めに炭疽病の対策や治療をする必要があります。

予防・治療

水やりは葉に直接与えず根元に与えるようにします。鉢植えの場合は、菌が拡散しないように雨に当たらない屋根がある野外で育ているなど雨除けの対策がおススメです。

紫陽花に効果がある農薬は「GFベンレート水和剤 」。粉末になっており水に溶かして葉に散布します。紫陽花には2000倍希釈で散布しますので、水1Lに0.5gの1袋を混ぜて完成です。

紫陽花に効果がある農薬は「GFベンレート水和剤 」
 

散布用のスプレーは手動でもよいですが電動スプレーを購入すると、力を入れることなく簡単に散布ができます。電動なのでスイッチ1つでずっと噴射され続けています。スプレーを持っているだけなので時間も手間もかけずにお手軽に農薬散布ができるアイテムです。

スプレーのレバーを押したり離したりし続ける手間と指や手首の疲れがなくなります。

女性でも簡単に散布できるガーデンスプレー

 
予防・治療
初期症状で農薬を散布する
⇒朝か夕方の直射日光が当たらない時間帯に散布する
発症したら葉を焼却するかゴミで捨てる
水やりは根元にする

最後に

炭疽病は小さな褐色の病斑ですが、適切な処置をしないと病原菌が広がり株が枯れてしまい、さらには他の元気な紫陽花にも感染してしまう怖い病気です。特に真夏は紫陽花にとって苦手な気候で体力を消耗して病原体への抵抗力も低下するため、ほどんどの紫陽花が感染する確率が大きいです。元気な紫陽花でも葉の1枚に隠れた病斑があるかもしれません。真夏の対策として、地植えの場合は、遮光ネットをしたり木陰に植えたりし、直射日光を避け日陰で育ててあげることが大切です。紫陽花のダメージや被害が大きくならないうちに、病原体を根絶できるといいですね。

おしまーい。

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