椿の希少種の3つの条件とは。珍しい椿の定義と見定め方

椿を購入するときによく見かける「希少」という言葉。希少と呼ばれる条件や理由を他の椿の種類や分類、系統、また市場で販売されている確率や入手しやすさなどを分析してまとめました。

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「珍しい椿」の条件

希少価値がある椿って、定義が難しいと思うのですがその思いを綴ります。「椿とは、どんな植物」と質問されると、赤色や白色の花で、樹齢も長く木の幹も丈夫でたくさんの花を咲かせている風景が浮かぶのではないでしょうか。椿は日本の花としてのイメージもありますしね。椿自体が珍しいものではなく、よく見かける樹木と認識されています。

では、なぜ希少椿と呼ばれている位置づけ・ランクがあるのでしょうか。入手したい椿を探していると、希少椿と呼ばれるには3つの理由があると考察しました。

1分類・系統・品種

希少椿で注目して欲しいことは第一に椿の種類です。椿は、2,000種類以上と品種が多いです。日本だけではなく海外でも品種改良がされ、枝変わりから派生した品種もあります。椿は、違う品種の花粉をかけ合わせたり、枝から違った色の花が咲く枝変わりにより品種が増えていきます。品種によって椿の花形や花色、色の出具合、花びらの枚数など異なります。多くの品種の中で、欲しい椿の品種に巡り合うかその確率は、低いかもしれないということなんです。椿には概ね、咲き方の系統と花色によって種類が区分されています。椿の花色は、赤色や白色、赤白の絞りが主流となっています。

では希少と呼ばれる椿の品種「黄河」について語りたいと思います。黄河について知りたい方は関連記事をご紹介しますので、是非黄河の花を見てくださいね。

今回ご紹介する「黄河」は名前通り、花色は黄色です。黄色の一重咲きは9種類、八重咲きは7種類、唐子咲きは2種類、獅子咲きは4種類、千重咲きは3種類が登録されていて、花色が黄色の品種は計27種類あります。(参照:和みの庭)椿の種類が2,000種以上ある中で黄色の品種はたった27種類なんです。さらに、黄河は獅子咲きなので咲き方まで区分すると4種類の中の1つになります。希少椿の一つの、条件は、分類上その品種が多く登録されているのか少ないのか等が目安になります。

ただ、全椿の品種数を母数にすると、どの品種も1種類なので確率は○○分の1で等しいですね。

黄色の椿は、花色上、数が少なくあまり見かけないですね。

2販売・生産数

少椿として位置つけたいのはその品種の生産者がどのくらい存在しているかです。全国に生産者が多くなると比例して販売苗も多くなるので、お店でよく見かける定番品種となります。欠かせないのが購入者のニーズです。庭のデザインや花色などで人気のある品種や生垣など使用目的に適した椿の品種などは需要と供給のバランスにより買い手がいたり、今後見込まれる品種は多く生産され、安価で出回っているため手に入れやすいと感じます。

では「黄河」は販売や生産数はどうかと言うと、おそらく少ない方だと思います。お店で販売苗を見たことがないですが、通販では運が良ければ販売しているのを見かけます。購入者のニーズが少ないのか、生産者が少ないのか、理由は分かりませんが、2,000以上の椿の品種があれば、見かけない品種があって当然なのかもしれませんね。

希少椿は、生産者が必ずしも100%栽培している椿の品種ではなさそう。

3生育・成長

珍しい椿は、購入する機会が少ないことをお話しましたが、市場に出回りにくいもう一つの理由を考えるなら「品種の樹木によって、生育や成長のスピードが遅い」ので市場で販売するまでに歳月を要することだと思います。樹木自体、目に見えて大きな成長を見せてくれるものではありませんが、品種によって生育スピードが変わります。また椿の系統に花形が定まりにくかったり、蕾が開花しにくかったりと品種によって差があります。花形は環境や生育条件により変化しますが、樹齢が進むとある程度安定します。売れやすい生育のサイズ、サイズまでに育てる栽培期間を要することなどある程度の樹齢が必要で、年月が経過しないと購入者のニーズに応えられないなどで、あまり市場に出回らないため、購入する側にとって、市場に出回らない≒出回った時は”お店で売っているなんて、珍しい”となります。

接ぎ木は成長がよいです。購入するなら接ぎ木をおススメします。

最後に(まとめ)

珍しい椿を購入するときの下調べの参考にしてくださいね。

希少椿の3条件

①分類・系統・品種上、数が少ない
②生産者や栽培・販売数が少ない
③生育が遅く出荷までに歳月が経つ

椿の品種は多いので、新しく購入する椿やすでに育てている椿、代々引き継がれてきた椿など、希少椿と呼ばれるあまり流通しない品種かもしれません。

育てていると、同じ品種が多く売っていても、同じ樹形は存在しないし、枝によっては同じ品種でも花形が若干違ったり、花色の入り具合が微妙に違うので、どの椿もかけがえのない大切な1本なので、どの椿も育てる主にとって希少なんですね。

おしまーい。

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