紫陽花の枝はどの角度で切るの?-カルス形成ができる剪定の仕方-

紫陽花の剪定をする際に、枝のどの位置をどんな角度で切ったらいいの?という疑問にお答えします!樹木にとって枝を切られることは、手術されているのと同然です。剪定する方は、慎重にそして正確な剪定をしなければなりません。正確な剪定とはどんな剪定なのかを知り、樹木の切り口が早く塞がるための切り方をお伝えします。

正しい剪定後の枝の状態

剪定の良し悪しで枝のその後の寿命が変わってきます。最初に知って欲しいことは、正しい剪定をした場合、切られた枝はその後どのようになるのかです。写真を載せますネ。

剪定後、よい状態で成長ができている枝は
カルスを形成しています。

  

切り口の周囲にカルスができ始めたら、
徐々にカルスが切り口覆って蓋をします。
  

次の章でカルス形成とは何なのかを解説します。

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カルス形成とは

カルスとは、人で例えると傷口にできる瘡蓋(かさぶた)です。植物は切り口にカルスを作ることで、切った傷口から菌(木材腐朽菌)が侵入するのを防ぎ、樹木を守っています。腐敗菌は空中に浮遊していて、樹木に入り込んでしまうと治療が難しいとされています。樹体から菌を排除することはできません。

投稿予定記事:木材腐朽菌とは?紫陽花にも繁殖するの?

腐敗菌の侵入しやすい樹木、感染しにくい樹木がありますが、どの樹木も傷口からのばい菌を防ぐためにもカルス形成が重要です。

特に大きな幹を剪定する場合は、カルス形成を意識して剪定をする必要があります。大きな幹の目安は幹の円の直径が約5㎝以上。紫陽花の幹は太くて約2㎝ほどですが、カルスが形成できることに越したことはないです。

投稿予定記事:カルスができるメカニズム。

具体的にどのように切れば、カルスが形成されるのかをお伝えします。

切る枝の位置

下の写真をご覧ください。写真は以前、紫陽花の2段階剪定の記事でご紹介をした、「剪定をすべき枝の一つに車枝があるんですよ。」と、車枝の紹介をした写真です。車枝を剪定した時の写真を例にご説明していきます。

車枝を取り除くときに
どの位置で切ったらよいでしょうか?

  


基本は、取り除きたい枝のすぐ一つ目の分かれ目、分岐枝を確認します。枝の向きや細さ、樹冠のバランスなど見極めていきます。

  


剪定する箇所を紫色の矢印で指しています。

  


剪定枝が決まったら、次はいよいよ剪定です。
どのような切り口になるように切ればよいのかを確認しましょう。

剪定の角度

剪定を失敗させない鍵は、枝を切る角度と枝のどこに切り込みを入れるの2点です。枝や株を枯らさず、樹木の回復を早くする切り方がポイントです。具体的に写真で解説をしていきます。

キーワード ブランチカラー

知って欲しい用語が一つあります。それは、「ブランチカラー」です。ブランチカラーは主幹と枝の境界線にある膨らんでいるところのことです。ブランチカラーは構造上、主幹の一部で取り扱われます。このブランチカラーは防御層と呼ばれる組織を含んでいて、切り口にいる腐敗菌をブロックして主幹に菌が主幹に新入することを防ぐ役割があります。

次の写真をご確認ください。実際に写真でブランチカラーがどこにあって、目で見た時にどんな部位なのかをご説明します。

  

ブランチカラーの確認

②のライン(黄色の丸点線)が主幹と枝の境目です。少し膨らみがあり、構造的に①のライン(赤色の丸点線)から先端に向けて枝と位置付けられています。①と②の間がブランチカラーと呼ばれる部分です。そして、このブランチカラーを残すように剪定をします。ブランチカラーは主幹の一部なので、主幹をキズつけないように、防御層を残してあげます。切り口から菌が侵入してきてもカルスが形成されるまで防御層で菌をブロックします。

写真の中に、ブランチカラーを無視して剪定をした時の失敗もありますので、合わせて確認しましょう。

  

剪定を失敗した枝の確認

Y字の中央の出っ張りはカルスを形成できずに、先端部分が委縮するようにしぼんでいます。巾着袋の紐を絞った感じに似ていますね。切り方を失敗して傷口がキレイに塞がらず、切った痕が残っています。この症状から樹木があるメッセージを残しているのが分かります。ブランチカラーの膨らみです。つまり、①のライン(赤丸の点線)で切って欲しかったことが判断できます。

 

話をもとに戻して、ブランチカラーを意識して剪定した後の切り口を写真で確認していきましょう。

  

ここで分かる良い知らせが1つあります。剪定を失敗した枝の確認をご紹介したY字枝の中央にある出っ張り(巾着袋を閉めているかのように絞りがあるところ)の腐敗が幹に進んでいないことが分かります。腐敗菌の侵入が幹の下に沿って浸食しているため今回の切り口では確認ができない可能性もありますが、腐敗菌の侵入がなかったかもしくは、ブランチカラーで主幹へのブロックを防いでいるのではと思います。剪定を失敗した枝もキレイに切りなおしてもよいのですが、車枝の剪定で枝を切った切り口の様子や1本に同時に数カ所も傷口をつけてしまうと樹力が弱ってしまうことも考えられますので、今回は様子見ですね。それに、紫陽花は株立性低木の特性から、幹が古くなったらその幹を枯らして、新しい枝に更新して株の存続を維持していきますので、更新するまでの間生きていける状態であれば株自体に問題はないわけです。

切り口には、保護剤を塗布して、腐敗菌が漂う空気と接しないようにシャットアウトして病原菌の侵入を防ぎます。同時に乾燥を防ぎ、雨に含まれる菌からも枝を保護します。

  

塗布している保護剤はこちらを使用しています。
殺菌作用の効果が高いです。

  

最後に樹木の全体像を確認します。

  

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最後に(まとめ)

紫陽花は、花終わりと落葉後の年に2回、適切な剪定の時期があります。

花終わりの剪定はこちら

  

花終わりの剪定は、枝がまだ若くブランチカラーの区分が難しいため枝が分かれている付け根できるより、中間で切る方がよい場合もあります。それは、乾燥を少しでも幹の髄の方に進行するのを遅らせるためです。遅らせるという表現の中には、冬の2段階剪定や枝の更新までその枝を維持するための時間稼ぎとして、乾燥しても大丈夫な枝を残しているニュアンスが大きいですね。

投稿予定記事:花後の枝にブランチカラーを確認できない!切る位置はココ(花後は枝を中間で切る理由-失敗例と剪定枝の経過-)

落葉後の2段階剪定はこちら
本記事上欄「車枝の写真」でご紹介した記事です

  

枝の生き死にを左右する剪定は慎重に行いたいですね。
おしまーい。

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