3歳以上4歳未満の時期に自治体で3歳児健診(幼児健診)があり、身体発達・認知能力・言語能力を保護者からの聞き取りと保健師と子どものやり取りの中で確認が行われます。今回、3歳児健診を受けた時の発達検査と問診内容をまとめます。
目次
聴覚・視覚検査(自宅)
3歳児検診の案内が届き、驚くことは検診前までに自宅でしなければならないことがあることです。15分ほどあれば終わる簡単なチェックで「聴覚検査」「視覚検査」「問診票の記載」です。
聴覚
子どもの聴力障害は、重度であれば親や周囲の方が気づくことが多く比較的早いうちに発見される傾向がありますが、軽度な症状は発見されにくく気付かないでいると言葉や心身の発達に大きな影響を及ぼす可能性もあります。聴覚検査は、大きな音ではなく小さな音が聞き取れるかどうかです。基本は自宅でする検査で健診会場では実施することはありませんでした。
市町村の案内文に同封されてきた自宅での検査の仕方を指示通りに行い、耳に関するアンケートにできた、もしくはできないのチェックをする形式です。
検査の一つに犬や靴、傘、ゾウなどの絵が描かれた用紙があります。1m離れた親子間で親が小さなささやき声で「犬」と伝え、「犬」を聞き取った子どもが絵を示して伝える内容です。
耳に関する問診内容は次の通りです。
fa-check-square-oお子さんは呼んだら返事をしますか
fa-check-square-o話しかけたとき、聞き返すことが多いですか
fa-check-square-oテレビの音を普通より大きくして聞きたがりますか
fa-check-square-o片方の耳が聞こえにくいと思うことがありますか
fa-check-square-o中耳炎に頻繁にかかりやすいですか
fa-check-square-o話し言葉がおかしい(おくれている)ですか。
fa-arrow-right言葉の数が少ない、どもる、何を言っているのか他人に分かってもらえない、全く話さない等
fa-check-square-o現在の耳鼻科受診、受診歴の有無
fa-check-square-o親族による耳の障害
fa-check-square-o子どもの妊娠中による母体の高熱の有無
fa-check-square-oおたふくかぜの有無
視覚
産まれたばかりの赤ちゃんの視力は弱いですが6歳ぐらいになると大人並みの視力がついてきます。遠視や斜視などが原因で視力の発育が止まって弱視になる可能性もあり、また片方の眼に弱視があっても子どもは「こっちの眼は見えない」という意志表示をすることは少ないと言えます。3歳児になると指標が読めるようになりますので早期に弱視を発見するために検査をする良い時期と言えます。
検査セットには、片目を隠せるお面(パンダ)と練習用指標(C)が同封され、検査方法の指示も分かりやすく説明されていました。子どもにお面をつけて、親と子ども間の距離は2.5m離れます。練習用指標(C)を使い、輪の切れ目の方向がどこなのかを「上、下、左、右」で子どもに答えてもらう検査です。練習用指標は大、中、小と3種類ありました。
視力検査は視力を図る目的がありますが、指標を読み込む読解力、輪の切れ目が分かる理解力、母親の質問を聞き取れる力、2.5m離れたところで待っていられる落ち着き力や忍耐力、質疑応答ができるコミュニケーション力や言語数、伝達力も確認することができます。
身体・健康チェック
身長・体重
毎回の検診で行う身長・体重チェック。洋服を脱いでパンツ一枚で測定します。3歳児になると自分で洋服を脱いで、保健師さんの指示に従って身長と体重を計ることができます。
母子手帳に記載がある、幼児身体発育曲線に沿って子どもの身長・体重の目安を保健師さんが教えてくれます。身長・体重には体質や日頃の生活環境や食生活なども関係していますが、個人差もあるため極端な差がなければ気にすることはありません。
検尿
健診会場で検尿コップが渡されました。健診時間内にトイレに行き検尿を行い蛋白質、血糖、潜血の検査を調べます。結果は母子手帳に記入されます。
問診
確認項目(保健師)
各母子を保健師さんが巡回し、自宅で記入した問診票に沿って確認がありました。問診内容をまとめます。(市町村によって問診内容に差がありますのでご参考までに)
fa-check-square-o現在の気になる症状の有無
fa-check-square-o洋服のボタンをかけられますか
fa-check-square-o日中おしっこがひとりでできますか
fa-check-square-o箸やスプーンを使ってこぼさず食べることができますか
fa-check-square-o生活のリズムを教えてください
fa-arrow-right就寝時間、起床時間
テレビを見る時間は1日どれくらいですか
fa-check-square-o三輪車をこぐことができますか
fa-check-square-oハサミを使って紙を切ることができますか
30㎝の高さから飛び降りることができますか
fa-check-square-oほぼ不自由なく話すことができますか
「大きい犬がいるよ」と3語を話せますか
fa-check-square-oうまくできなくても、なんでも自分でしたがりますか
fa-check-square-o友達とやりとりしながら一緒に遊びますか
お子さんの好きな遊びは何ですか
⇒誤飲、水の事故、やけど、転落
事故防止のために何か対策をとっていますか
fa-check-square-oお子さんの様子や行動できになることはありますか
fa-check-square-o子育てやお子さんのことで心配なことや相談したいことはありますか
子育てに関して相談したり協力してくれる人はいますか
fa-check-square-o3歳から4歳頃迄の多くの子どもは「他の子どもから誘われれば遊びに加わろうとする」ことを知っていますか
fa-check-square-oお母さんはゆったりとした気分でお子さんと過ごせる時間がありますか
fa-check-square-o父親は育児(子育て)をしていますか
fa-check-square-oお子さんに対して育てにくさを感じますか
fa-check-square-oこの地域で今後も子育てをしたいですか
fa-check-square-oお子さんのかかりつけ医の有無
fa-check-square-oかかりつけの歯科医の有無
生活スタイル
問診では、子どもの生活スタイルの確認がありました。歯みがきの方法、歯を磨く時間、うがいの方法(ブクブクができるのか、ガラガラができるのか、練習中、水を含んで出す等)乳歯の状態、仕上げの方法と習慣、仕上げ磨きの時間、フッ素の使用有無など、多様な確認項目がありました。
栄養・食事
問診内容の中で一番詳しく聞かれたのは栄養や食事の面でした。3歳児になると食事の偏食や好き嫌いがあり、体に取り入れる栄養素のバランスや歯を強くするために母親に知ってもらうため指導が入ります。
幼児の食品のめやす量(1日分)
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発達検査
3歳児の発達検査ではどんなことをして、子どもがどこまでできるのか心配になると思いますが、日々の遊びの積み重ねで意外と子どもは期待に応えてくれるものです。できなくても今後、練習をしていけばそれでよいので焦らず見守る心構えが大事です。発達検査は子どもが集中できるように個室で行われます。
質疑応答・言葉の発達
保健師さんが子どもに質問をして、子どもの理解力や伝達力、コミュニケーション力、言葉の数や、喋り方を確認していました。
質問内容はこんな感じ。
fa-check-square-o○○ちゃんはここまでどうやって来たの?
fa-check-square-o誰が運転したの?
fa-check-square-oお腹がすいたときどうするの?
fa-check-square-o眠たいときはどうするの?
fa-check-square-o寒い時はどうするの?
fa-check-square-oお名前は?
fa-check-square-o何歳?
fa-check-square-o保育園は通っているの?
fa-check-square-oどこの保育園?
積み木・色・数の理解
保健師さんが積み木を用意して、子どもに色や数、バランス感覚や平衡感覚を確認していました。
質問内容はこんな感じ。
fa-check-square-o保健師さんが積み木をビルのように高さをだして積み重ねて
fa-arrow-right何個ある?
fa-check-square-oたくさんの積み木の中から
fa-arrow-right〇個、この手にのせてくれる?
fa-check-square-oコレと同じ形になるように積み木を作ってね。
fa-arrow-rightビルのように高く積み下られるか、複雑な積み木の重ね方ができるかを実践
保健師さんが「この積み木と同じになるように作ってね」と子どもに語り掛け、子どもが真似をしながら組み立てていきます。
「できない!」と言いながら頑張っています
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今まで積み木遊びをたくさんしていてよかったと思った瞬間でした。我が家で使っている積み木のご紹介をします!
メリット | デメリット |
fa-check-square-o木製なので肌触りがよい fa-check-square-o消毒液で殺菌ができる fa-check-square-o三角形3つで四角形が作れる fa-check-square-o手の平サイズ感で握りやすい fa-check-square-o積み木数が少ないけど楽しめる fa-check-square-o片付けに場所を取らない |
fa-check-square-o上蓋がないため平置きのみ fa-check-square-o下箱は木箱で壊れない fa-check-square-o投げた時は危ない |
いろんな積み木がありますが、長く愛用でき少ない積み木で複数の形があり音もでたりと工夫がされています。基本色もついているので色の変化も楽しめ、使い勝手がよく収納場所を取らないです。
次、買うならコレ!子どもに遊ばせたい積み木
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さて、話をもとに戻して積み木の次は書く力の検査でした。
お絵描き
保健師さんが子どもに用紙と鉛筆を用意してお絵かきや鉛筆握りの出来具合を確認していました。
質問内容は次の通りです。
fa-check-square-o×と〇を書いてね。
fa-check-square-o×を二つ、〇を三つ書いてね。
重さ比べ
見た目は同じペットボトルが2つ用意されていました。両手でペットボトルを持ち、どちらが重いのかを確認する検査を行いました。
顔の表情
非表情力の理解として、2つの女の子のイラストが用意されていました。保健師さんが子どもに「笑顔はどっち?」「悲しい顔はどっち?」と質問して、指差しで答えられる内容になっていました。
内科健診
内科健診では、お腹や喉、関節の動きを確認するぐらいであっさり終わります。
歯科健診
歯並び・虫歯
歯科医の診察があり虫歯や歯並びを確認されていました。3歳児で指しゃぶりがある場合、前歯に影響が出てくるようですが、おしゃぶりは永久歯に影響しないとのことでした。空き歯の場合も特に指摘はされないことが多いです。
虫歯になりにくいおやつの選び方を教えていただきましたので、ご紹介します!保健師さん曰く、歯磨きの習慣化や親が仕上げをすることが肝心とお話されていました。
虫歯になりにくいおやつの選び方
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歯みがき指導・舌の動き
歯磨き指導では、実際に子どもが歯磨きを行い、親が仕上げをします。唾液検査もあり、唾液のPHより虫歯になりやすいかどうかを教えてくれます。歯磨き指導では子どもの下の動きも観察していました。歯磨き指導で、歯ブラシとデンタルフロスを使いました。自宅でもデンタルフロスを使って歯間を掃除してあげましょう!とのことでした。
フッ素化合物の塗布
最後にフッ素化合物を歯に塗りました。フッ素化合物を塗った後は、30分間はお水も飲まない方がよいとのことでした。
お店に行くとキャラクターやアニメの歯磨き粉を子どもが欲しがると思います!最近は味もバリエーション豊富ですよね。歯医者さんでも販売している「歯科用フッ化物&キシリトール配合歯磨剤!フッ素滞留性が120%に向上!」の歯磨き粉をご紹介します。
最後に
(まとめ)
幼児健診は時間がかかものと分かっていますが、3歳児健診はやっぱり2時間ほどかかりました。長かったけど、保育園の同じクラスのお友達も同じタイミング健診だったため、健診の合間はお友達と仲良く遊んでいました。親しいお友達と関係性を気づきながら楽しく遊んでいる様子を見て、健診で引っかからないことと合わせてホッとしました。
感染症対策で親子1組につきシートが用意されていました。健診終了後は子どもが自ら片付けをしていました。
シートの片づけは巻くことを
知っていたみたい
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文末になりましたが、今までの「積み木遊び」や「お絵描き」「毎日の歯磨き」「歯科医受診のフッ素塗布」子どもの疑問や問いかけに丁寧に答えて「お話するのって楽しいね!」を日々の生活の中に取り入れていてよかったと感じた3歳児健診でした。当たり前のことを書いていたら失礼しました。。ただ、働くママやパパにとって、子どもに十分な時間を費やすことが難しかったり、寂しい思いをさせてしまっていないかなど不安になったり、一方で一緒に過ごしてあげる時間が少ないことでできないことや与えられていないことが多いんじゃないかと考えることがあると思います。健診を受けると「子どもって、すくすく成長していくんだな。」と安心することができますよ。
そういう意味でも、健診って大事なんだよね。
3歳児検診の後は、5歳児検診です。就学前の最後の自治体の健診となります。喋り方や「これは何に使うの?」の質問に答えられるか、身体機能面ではスキップができるかなど日常生活で行っていることの延長上の健診内容ですが、意外と保護者が思っているほどできない場合もあります。
おしまーい。