紫陽花の2段階剪定はどの枝をどこで切ったらいいのという疑問にお答えします。紫陽花の枝を切りすぎて花が咲かなったり、枯れたりと剪定を失敗をしないように、来年キレイな紫陽花の開花を楽しめる、休眠期である冬にする2段階剪定についてコツをご紹介します!
キーワード花芽を残し、不要な枝をカットする
目次
剪定する枝(不要な枝)
1. 交差枝
この交差枝を剪定します。
剪定後の写真です
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どちらの交差枝を剪定すればよいかまとめます。
交差枝を剪定するのはとても悩みます。2つの枝が両方とも太い幹で花芽もあり、上向きに伸びている場合、春に葉が伸びて花が咲いたときをイメージして片一方の枝を選び剪定します。ポイントは2つあり、樹冠を乱す枝、細い枝です。樹冠を乱す枝自体が悪いというわけではありませんが、外観の問題や一つだけ伸びた枝は風の被害を受けて折れたり、他の葉の生育を阻害する可能性もあります。細い枝は、できる限り剪定をします。
②細い枝
2. 細い枝
細い枝を剪定する時、どこまで細い枝なのか分からなくなることもありますが、樹形や外芽を意識して剪定します。小さな枝に形成されている小さな花芽は乾燥しやすいため春までに枯れてしまう可能性もあります。花芽がついているので剪定するのに勇気がいる場合は、花芽が枯れてからカットしても大丈夫です。紫陽花の花房が小さくてもたくさんの紫陽花を見たいという方は、そのまま剪定せずに残しておいても問題ないです。
剪定後の写真です
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3. 逆さ枝
逆さ枝(さかさえだ)とは、木の幹方向とは逆な方向に伸びてしまう枝のことです。逆さ枝も交差枝と同様な理由より切った方がよいです。
4. 枝の切り残し
さほど悩まずに剪定できます。
剪定後の写真です
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5. 樹冠からはみ出した枝
写真の赤丸(半径)がイメージする丸型樹形です。1本だけ樹形から飛び出し伸長している枝があります。どの樹木にも1本だけ成長する枝があります。剪定しても枯れることはありません。
剪定をする時は花芽・カルス形成を意識します
剪定後の写真です
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6. 冬芽が枯れた枝
写真の位置が少し変わっています
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枝を斜めに剪定していることが写真から分かります。剪定するときのコツや樹木を傷めない剪定の仕方、つまり切り方があります。
7. 車枝
剪定後の写真です
8. 平行に伸びる枝
剪定後の写真です
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9. 枯れ枝
注意すること
開花後の樹冠をイメージして剪定する
冒頭のキーワードでもお伝えしましたが、紫陽花は花を咲かせる年の春に伸びた枝に花を咲かせます。先端に形成されている冬芽が芽吹き、今年伸びた枝の先にある花芽が大切になります。特に大きな枝には大きな花芽が形成されています。これを剪定で切ってしまうと来年、花が咲かなくなってしまいます。寒い間、冬芽の中で花となる蕾が育っています。剪定するときは、この花芽を確認し、開花した樹形をイメージして剪定すると失敗せずに、来年はきれいな紫陽花を咲かせることができます。
切り口に癒合剤を塗布する
剪定した枝にできれば癒合剤を塗ります。切り口はカルス(切口を塞いでくれる組織で人間で例えると傷口のかさぶた)が形成されます。剪定後の切口から水分の蒸発を防いだり、また雨や雑菌の侵入や繁殖を防ぐことが大切です。癒合剤を塗ることで、カルスの形成も進みメリットがあります。
剪定後の理想な形
紫陽花の剪定は、大きな花房をつけるために枝・茎が太い方が重さに耐えられることや昨年、花が咲かなかった枝に今年、花をつけること、落葉をし花芽ができ冬越しすることなどの特徴がありますので、その特徴を踏まえた剪定をすることがコツになります。
剪定後の理想な樹形の一例です
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どうして上の写真が「紫陽花の理想な樹形」なのか気になる方はこちらの記事でご紹介しています。
基本の剪定は、込み合った枝や不要枝を整理しながら、樹冠を乱す枝を切り整えることです。そして、紫陽花の冬の2段階剪定として「花芽」に配慮して剪定をすることがポイントです。
fa-check-square-o小さな花房しか咲かない枝
⇒小ぶりな花芽がある枝(芽かきと同じ意味合い。枝ごとカットする場合)
fa-check-square-o重さに耐えられない細い枝
一般的な剪定は、込み合った枝や不要枝を整理したり、イメージする樹形からはみ出た枝をカットします。ただ、育てている紫陽花の枝が複雑に混み合っていたり、古枝や大きく成長しすぎてしまった場合などは、強剪定をしてもよいです。
剪定前後の樹形を比べる
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幹の冬芽や地面際から出ている冬芽を確認します。写真:地面際から冬芽が顔を出していました。奥の枝は分かれ枝になっています。冬芽の左側の枝は太い幹が1本地面から伸びています。
この太い幹は株立性低木の特徴で株や古枝が新しく更新するためにに伸びている枝なので大事にします。地面から出ている冬芽は将来、左側の太い幹のように成長していきます。冬芽が地面から出ているので古い枝数を剪定で減らしても大丈夫です。
株立性低木の特徴が分かる樹形になりました。
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最後に
(2段階剪定をする前に知って欲しいこと)
冬の二段階剪定は、寒くある一定の環境要因が揃うと落葉を始め、葉がなくなり紫陽花の樹形がどんな形なのか分かるようになります。落葉が始まって2週間ほどしたら冬の剪定ができます。
紫陽花の落葉がいつ始まり、どんな条件で落葉していくのか知っておくことも冬の剪定をする上で必要な知識です。秋口から落葉し始めると言われていますが、実際はいつどんなタイミングで落葉するのか環境要因が明確に決まってきます。
5~7月の開花後の剪定から秋までに紫陽花の脇芽は生育して、株も根張り、大きく、枝も伸びています。一方で枯れてしまった枝や折れてしまった枝、他の枝と比較して成長が進み過ぎて伸びすぎてしまった枝などもあります。そのような枝は切った方が紫陽花の今後の生育によい影響を与えますので休眠期に剪定をします。
剪定をする理由や目的は、植物の開花を促す剪定の他にも育ている方の様々な思いや外観なども含めて理由があると思います。剪定のメリット・デメリットをまとめてみました。
落葉後は葉がないため不要な枝を見極めることができ、紫陽花に必要な枝だけを選別し残してあげる絶好のチャンスです。
剪定で切りすぎてしまったり、剪定の仕方を失敗してしまっても強い植物なので、剪定が原因で枯れ込む可能性は低いです。地面から新しい冬芽が出て成長すれば幹となり、枝の世代交代をしていきます。意図しない切り口になってしまってもその枝がずっと残っているわけではなく、来年もしくは次年には古木となり切り落とすこともあります。失敗を恐れず剪定にチャレンジできるといいですね。
おしまーい。