紫陽花を鉢植えで小さくコンパクトに育て開花させるコツ

お店で並んでいる紫陽花や通販でお取り寄せした苗木は鉢植えでコンパクトにまとまっています。これは生産者さんが使っている矮化剤の効果でもあります。効果がなくなると紫陽花は本来の品種がもつ生育に沿って成長をしていきます。購入した紫陽花を鉢植えで小さく保ったままコンパクトに育てたい方、鉢植えで来年も大きな花房で立派な紫陽花を咲かせたい方に是非、読んで欲しい記事です。

冬の剪定で残す枝(基本)

冬に剪定をすることは「二段階剪定」とも呼ばれています。紫陽花をコンパクトに育てる秘訣は、休眠期に二段階剪定をすることです。紫陽花は秋までに伸びた枝の先端に冬芽を形成します。この冬芽が翌年の春に葉が芽吹き、花芽をつけ開花へとつながります。二段階剪定で注意をして欲しいことは冬芽を残すことです。根本からバッサリ剪定をする強剪定と違い、冬芽を残してあげることがポイントです。小さめに育てる二段階剪定のコツは、①冬芽がある枝を前提に、②太い枝かつ③低い枝丈を残すようにします。これが「残す枝」の3つの条件です。冬芽はぷっくらとした大きいものを残します。地面際の冬芽は優先的に残すようにし、地際の冬芽が枝を伸ばすことを見据えて、既存の枝合わせて4~5本ぐらいの枝数にするとよいです。枝数を少なくすることもコンパクト見立てる効果があります。小さめに育てるには枝数が限られてきますので、「残す枝」の条件を見極めることが大事です。

真冬である1月に剪定をしました
 

紫陽花をコンパクトに育てる剪定のコツ

時 期:冬芽が確認できる時期(1月)おそくとも2月上旬までに剪定をする
残す枝:太い幹・幹丈が低い枝・よい冬芽
地際の冬芽:必ず残す
既存の枝と地際の冬芽で将来、4~5本ぐらいの枝数になるとよい。

枝数を4~5本にする理由は、枝数が多いと開花する花房数が多くなる可能性があります。鉢植えの場合、根が張るスペースや吸収できる栄養素が限られているため、花房数が多くなると一つの花房が小さくなる傾向があります。剪定時より花芽の数を調整することで一つの花房にエネルギーと栄養を集中させ大きくキレイな形の花房に仕上げることができます。
冬の剪定後1ヶ月経過した2月の様子
 
芽吹き始める3月の様子
 
6月上旬に開花しました
 

 

紫陽花の花に見とれてしまい、鉢全体の写真を撮るのを忘れてしまいました(._.)来年も鉢植えでコンパクトに育てる予定なので、開花した全体像をその時に掲載したいと思います。

関連記事
冬の二段階剪定をもっと知りたい方はこちらの記事が参考になります。大きくなり過ぎてしまったり、枝が込み合ってしまった紫陽花の樹形をキレイに整えるためにどの枝を剪定したらよいのかを写真で示しながら具体的に説明しています。
さて、少し時間を遡って、コンパクトに育てるためのコツとして’開花後の剪定’についてお話しますね。

冬に強剪定で旧枝を残さない(上級者向け)

「紫陽花の強剪定をすると花が咲かなかった」と悩む方もいますので、上級者向けとさせていただきました「鉢植えの紫陽花を根本からバッサリ切って株をコンパクトに小さく育てる」という手法です。この方法だと大きく育つ紫陽花の品種を鉢植えで小さく育てることができます。枝も更新しますので開花が見込めます。冬場は芽も見えない根だけが生きている状態なので、枯れてしまったのではと不安になったり花芽が出ないのではと不安になるとかもしれないですね。

鉢植え紫陽花を根元から剪定してからの成長の様子を時系列でご紹介します。

根元からバッサリ切ると
地面際から芽がでてきます。
 
葉が芽吹いてきます
 

ぐんぐん成長しています。
 

4月の生育状況
 
【4月】葉が生い茂っています
【4月】小さな蕾がついています
蕾を拡大します。
 

こちらの章(冬に強剪定で旧枝を残さない(上級者向け))で強剪定した紫陽花の品種は、シュロスバッカバルトです。

 

シュロスバッカバルトってどんな品種

ドイツで開発された2017年の新品種。咲き始めは薄い緑色から次第に中心部から赤く色付き、赤は広がって濃い赤に変化していきます。 そして全体の色も赤みが多く、濃くなっていき、全部が赤くなるとまた花びらの先から濃い緑へと変化していきます。

開花日数につれて花色が変色します
   

一般のアジサイとは違った花色を楽しむことができ、一度育てたら忘れられない特異な印象を与えるアジサイ。

   

さて、根本からバッサリ強剪定をしても蕾はつきます。地面際から上がってきた新芽はほとんどが花芽を持っています。鉢植え紫陽花の強剪定は、紫陽花が夏場弱ってしまったときにも施すと株が休憩をして療養できますので株の更新ができます。

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開花後に3節目で剪定する

開花後の剪定で、基本は花房から2つ目の節目で剪定をします。2つ目の節目には脇芽がありますのでその脇芽の上で剪定をするのが一般的です。

大きく成長している紫陽花や品種によって枝に2つ目の節目、3つ目の節目、4つ目の節目があり、それぞれ脇芽がついている場合があります。この場合、3つ目の節目で剪定をしてあげると一回り小さな株にすることができます。4つ目の節目で剪定をしてもよいですが、株全体の葉の枚数が極端に少なくならないように注意します。

次は植え替えについてです。新しい用土に植え替えることで紫陽花は元気になります。鉢植えでは植替えもしくは用土の入れ替えを必修になります。

植替えで根を落とす

紫陽花の植替え時期は、開花終わりと休眠期です。紫陽花をコンパクトに育てるということは樹形を小さく育てるということです。株の大きさと根の張り具合は比例して植物は生きています。開花後に、コンパクトに剪定をしたら、幹や葉など株の大きさを考慮して大きくなった根も切って落とし植え替えます。コンパクトに育てるため同じ鉢のサイズで育てるには、鉢いっぱいに張りすぎた根をそぎ落とし、今後新しい根が成長できるスペースと栄養がある用土に入れ替えてあげることが大事です。根詰まり防止の目的や根が張りすぎていると夏場乾燥しやすくなったり、用土の保水性がなくなるので水はけがよすぎてしまうことで水枯れをしやすくなる原因になります。「根を落とす」作業は休眠期に入る秋口以外であれば大丈夫です。休眠期に入る前に根が傷んだ場合はその後回復するのが遅いもしくは寒さで弱ってしまう傾向があります。花終わり後は秋に向けての紫陽花は成長するので、根も伸びながら、機能性を回復していきます。植え替えで根を崩せる時期は①5~6月の花後の植替え、②休眠期から活動期に入る1~2月です。この記事に植替えをして不要な根を落としていきます。

関連記事
小さく育てるには植え替えで根を崩すこと。
植替え時期
①5~6月の花後の植替え
②休眠期から活動期に入る1~2月
この時期に植替えをして不要な根を落としていきます。

植替え用土について気になる方はこちらの記事をご参考ください。

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コンパクトに育つ品種

大きくなりやすい品種、コンパクトに育てやすい品種といった差もあります

小さく育てる紫陽花選び

鉢植えのまま株を小さくコンパクトに育てるには、大きくならない品種を育てることもポイントです。お店で見かける開花鉢の株は小さめでも成長すると品種によって大きさは変わり1~2年で1mほどの高さになるものもあります。購入時の紫陽花は矮化剤などによりコンパクトな姿に仕立てられているのでそのままのサイズをずっとキープしかつ花を咲かせるとなれば至難の業です。紫陽花によってはある程度大きくならないと花付きが安定しない品種もあります。品種にとって成長した株の大小は異なります。

おススメの品種

マジカルコーラル

マジカルコーラル。蕾は緑色。花が開くと薄っすらピンク色になり、開花日数に比例してピンク色になります。花弁に緑色が入っているので愛らしいです。てまり咲き。鉢で育てられます。

マジカルコーラル

スターリットスカイ

紫陽花の中では数少ない青色・白色斑点の装飾花は3~5㎝とおおきめでフリル咲きです。小さいスポットで白色が入るため、見る角度や花房ごとに違った表情が見れる楽しみがあります。葉がギザギザと大きな切れ込みが入り。枝は全体的に赤黒くなります。

ランダムに白い斑が入り艶やかなイメージがあります。こだわりの品種。
   

最近では3月頃に休眠期の1年生の挿し木苗が園芸店やお花屋さんの店頭でみかけますが、仕入れ状況によりますが6月頃まで店頭で見かける機会があります。

通販での仕入れも可能です。
   

 

最後に(まとめ)

紫陽花は大きく成長しやすい品種や鉢植えでコンパクトに育てやすい品種など特徴があります。鉢植えで小さめに育てやすい紫陽花の品種を育てるという条件もコンパクトに育てるための選択肢の一つですね。

紫陽花を小さめにコンパクトに育てるコツは、冬の休眠期に2段階剪定をすることです。開花後の剪定では株全体の葉の枚数や樹勢を確認しながら、3節目で剪定をするのもよいでしょう。株を小さくし、株に比例して根を落とし植え替えます。植替えは大事です(^^)

紫陽花を小さく育てる4つのコツ
冬に強剪定を行う
開花後の剪定で3節目で剪定をする
開花剪定後・活動期前の植替えで根を落とす
鉢植え向けの小型品種を育てる

本記事は立証写真が少ないので、毎年コンパクトに育てる成功株の写真を少しずつですが更新したいと思います。
おしまーい。

 

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