温室育ちの矮化剤使用の鉢花紫陽花を買った後に枯らさない育て方

「鉢植えの紫陽花を購入したけど、枯れてしまった」という経験はありませんか?もしくは「枯れかかっている状態だけどどうしたらいいの」という悩みを解決します。原因は温室で大事に育てられ、矮化剤を使っていることです。鉢花あじさいは買った時は豪華の花を咲かせていますが、紫陽花は窮屈な思いをしています。そのため、購入後の環境変化にも耐えられず枯れてしまうこともあります。

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1. 置き場

販売している紫陽花の99%が「温室育ち」です。特に5月の”母の日”に向けて間に合わせるために開花できるようにビニールハウスで育てられています。温かく、雨も当たらず、遮光もあり、害虫や病原菌の侵入の最小限に抑えられていたりと紫陽花の最適な環境を作り出して育てられています。つまり、買った紫陽花は大切に育てられた「箱入り娘」状態なんです。地域の気候によりますが、購入後いきなり戸外で育てしますと、温室育ちの紫陽花は急激に過酷な環境下にさらされることになり、その環境に適応できずに枯れ込んでしまうことがほとんどです。

では、購入後どのような環境で育てたらいいのかをまとめます。

購入した紫陽花の置き場
直射日光が長時間当たらない場所
⇒1日中、半日陰の場所は貧弱な株になるのでNG
⇒明るい日陰で育てる
⇒強い日差しは葉焼けをする
風通しがよい場所
屋根がある場所
目の行き届く場所
⇒日々の株の変化に気づける
⇒手入れ・管理がしやすい

室内で育てるときの置き場

室内で育てたいと思っている方は、ぜひ室内で育ててあげてください。しかし、室内で育てるのは購入後1~2週間以内に留め、その後はできる限り外で育ててあげます。紫陽花は観賞植物ではないので基本は外で育てます。低木ですからね。野外と比較すると室内は、風通しも限られ室温や湿度もあがりやすく、室内灯をつけないと薄暗い環境となりがちです。そのため、室内で育てる時は、窓際に置いて風通しを良くしてあげたり、数時間は玄関外に置いて外の空気を吸わせたり日光に当ててあげたり、昼間は外で夜は室内で育ててあげるなど工夫が必要になります。

私達だって1日中、家の中で過ごしていると外にでたくなっちゃいますよね。それに1週間ずーと室内で暮らすと外が恋しくなるもの。紫陽花も同じで、長期間室内で育てると元気がなくなってしまいますので、花を見終えたら野外に出してあげましょう。少しずつ野外の環境に馴染んでもらうためにも外戸に鉢を出して管理するように心がけます。室内観賞後に戸外に出すときは曇りの日を選び、少しずつ外の環境に慣らしていきます。

戸外で育てたい方

紫陽花は戸外で長時間暑い日差しに晒されると葉が日焼けをしてしまい弱ってしまいます。朝陽や午前中だけ太陽の光が届き、西日が当たらない場所がよいです。その他、風通しがよく湿度がない場所がおススメです。冬場は北風が当たらないようにします。また栽培者の目が届きやすい場所に置くと、紫陽花の花も楽しめますし、株の変化に気づき手入れを見逃さずに管理することができます。

紫陽花の購入時期は基本、5~6月です。その時期は適度に雨が降り、本格的に梅雨入りをすると湿度が高くなるので「うどんこ病」にかかりやすくなります。室内育ちは人間の除湿器やエアコン等で湿度を一定に保つことができますが、野外は自然環境にゆだねることになりますので病害虫の対策が必要です。特に購入後の時期は「うどんこ病」が発症しやすいので早めに予防に努めましょう。

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紫陽花の葉が白い病気は「うどんこ病」です。兼商モレスタン®水和剤で治療できた経過を症例写真で実証します。うどんこ病に感染した葉の症状や感染経路、菌が繁殖する条件、対策、予防(益虫)や治療(薬剤)についてまとめています。病気になる前に散布すると予防ができます。

2. 花房の剪定

紫陽花は満開を迎えても自ら花を落とせない植物です。秋色紫陽花を楽しむ以外は開花後に花を楽しんだら早めに剪定をします。市販用の紫陽花は矮化剤を使って小さな株の状態(株が吸収できるエネルギーも小さくなる)で大きな迫力ある花を咲かせていますので紫陽花の株もだいぶ疲れています。できる限り早めに剪定をして株を休ませてあげることが必要です。買った紫陽花を枯らさないコツは、アジサイが苦手な猛暑を乗り切れるように夏までに生育のよい元気な株に育てることです。

物栽培に欠かせない「矮化剤」に付いてご紹介します。【矮】とは低い、高くない様子、と辞書にありますが、読んで字のごとく「矮化剤」とは植物の伸長を抑える農薬、「植物調整剤」の事で植物ホルモンが主な成分となっています。鉢植えは切り花と違い鉢と植物とのバランスが大事です。植物が伸びすぎてバランスが悪くなったり、だらしなく見えてしまうのを調整するために多くの植物で使用しています。

購入した紫陽花の剪定は、上から1節目で花柄を切ります。葉を1枚でも多く残し、その後の生育を促す必要があります。しばらくすると2節目以降より新芽を伸ばし始めるので、この新芽の枝先に翌年の花芽ができます。

剪定の仕方が分からない方はこちらの記事にまとめています。

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3. 植替え

購入した紫陽花は咲いている大きな花房に比べて小さな鉢で育てらえています。鉢が小さい方が軽く運びやすく持ちやすい、コンパクトにして運送しやすい目的があります。紫陽花は根回りが早いので根腐れになったり、保水性が低くなり水を与えてもすぐに乾燥してしまいます。

花がついたまま植え替えをすると、根による水の吸収が追い付かないので剪定後に一回り大きな鉢に植え替えることが必要です。根回りが進み根詰まりになると、下葉から黄色くなって生育不良で枯れてしまいます。

植替えは真夏を避ければいつでもよいですが、植え付け後に根が伸びその土に少しでも根がはうように時期を選ぶ必要があります。基準としては剪定時期に合わせて植え替えをすると失敗しないです。剪定後植え替えをします。5月に購入した紫陽花は6下旬~7月上旬の植替えが適切です。苦手な夏に備えて早めに植え替えて、根の生育を充実させます。その時期を逃してしまったら、休眠期に入った11月中旬~3月中旬です。休眠期の植替えは紫陽花へのダメージを少なくすることができます。

日々の管理と注意点

水の与え方

戸外では葉や花に多少水がかかっても大丈夫ですが、病気の発症につながりやすいのでできる限り根元にゆっくりかけてあげます。葉に水がかかると蒸されたり、土の跳ね返り水で炭疽病やうどんこ病などの細菌性の病気にかかりやすくなります。室内で育てている場合は、花や葉に水がかかると傷みやすくなるので特に気をつけます。植替え後に水をかけたことで土が鉢から流れ出てしまって根が見えてしまった場合は、土を足してあげるようにします。

「雨が続いているときは根腐れの原因になるので水やりは控える」と言われますが、あながち間違いではありません。しかし少しの雨では土の中まで浸透しないので水をかける必要があります。表面の乾き具合を見て判断します。水切れの場合は、鉢花を日陰に移動させて水をたっぷり与え涼しい場所に置きましょう。暑くなったら、涼しい朝や日が沈んだ夕方に水を与え、日差しが強い日中の水やりは控えるようにします。

鉢花は、表面が乾いたら鉢底から水が流れるぐらいたっぷり与えるようにします。鉢受け皿に水をためたままにすると根腐れの原因になりますので、受け皿は置かないようにします。室内で使用する場合は、水が貯まったら水をすぐに捨てるようにします。

鉢土が湿っているのに、葉がぐったりしおれた時は葉水を与えるのもよいです。葉水後は湿度が高いと逆に葉が傷んでしまう可能性もありますので葉水は風のない、涼しい時間帯に行います。葉水は葉の周りの空中湿度を高めると当時に葉の表面の温度を下げる効果がありますよ。

肥料の選び方

花の大きさや輪数は肥培状況で大きく変わってきます。紫陽花に肥料を与える時期は、花後と早春の年2回施肥です。花後の肥料はお礼肥と呼ばれます。花を咲かせたエネルギーの補充と翌年に花芽をつける新芽を生育させるためのものです。早春(2月)の施肥は、5月に向けてより立派な花を咲かせるためのものです。紫陽花の花色にこだわる場合は、アジサイ専用の肥料を施すとよい発色をみせた花が開花します。

地植えにしない

開花鉢を庭植えにする場合は、半年から1年ほど大きめの鉢(7号鉢以上)で養生して休眠期に入ってから植え付けをするとよいでしょう。購入後の紫陽花を地植えにした場合、強い品種は元気に育ちますが、弱い品種を庭に植えると枯れてしまう場合があります。地植え直後は枯れなくても夏場乗り越えられなかったり、枝が細く充実した紫陽花に育たないため冬の寒さを乗り越えられないでその後枯れてしまう場合もあります。

市販の苗は1年生で、温室育ちです。アジサイが新しい環境でも丈夫に育ていけるように植物の環境適応力を高めましょう。違った環境でも生き残れるように購入した1年間は鉢植えで慣らし栽培をします。1年するとその環境の四季折々の気温や湿度、日照を紫陽花が覚えて生育プログラムが整ってきます。育てている方も紫陽花がどんな環境下にさらされると弱ってしまうことや一方で成長がよい環境を把握する学びや発見の時間にもなります。庭植えする場合は、休眠期に入って2~3年生の株を地植えすると枯れずに成長してくれます。

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最後に(まとめ)

市販の紫陽花を購入した時は「温室育ちの紫陽花」であることを念頭におきましょう。紫陽花が新しい環境で生きて行けるように慣らし栽培をすることが枯れないコツです。環境が変わるとその環境に適応できず枯れたり、変化を与えた一時的なショックで枯れ込んだりします。

春に買った紫陽花の育て方(4~9月)は「花後は剪定と植替えをし、午前中は半日陰の日光が当たる環境下に花鉢を置き、土表面が乾いたら水をたっぶりあげる」です。慣らし栽培の最終目標は地植え、もしくは1年間枯れないことです。

おしまーい。

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