鉢植え紫陽花の冬越し!購入時期と落葉の有無で育て方を変えよう

紫陽花は落葉樹。適切な環境に育てることで樹木を休眠させ、来春キレイな開花を楽しむことができます。しかし、購入した時期や花鉢の生育状態で冬越しの育て方が変わってきます。“紫陽花の初冬”に向けて、気温が下がる10月頃からどんな管理をしたら枯らさずに上手に冬越しができるのかをお伝えします。

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春(4~6月)に購入した場合

以前の記事で、葉や花がある紫陽花の販売最盛期である春に購入した場合、上手に育てる第1のポイントは「植替え」をしながら、自宅の環境に慣らして育てていくことをご説明しました。

春に買った紫陽花の育て方を振り返りたい方はこちらから
 

4~6月に紫陽花を購入した場合は、6月までに植替えをするのが適切ですが、秋に植替えをする方は猛暑が過ぎてすぐ(9月中旬頃)に植替えをしましょう。落葉する冬が迫ってきていますが、秋はもう少し根が伸びる気候なので植替えをして根がキズついても、回復してくれます。9月中旬の植替えはまだ冬越しの準備に間に合う最後の植替え時期のタイミングです。

さて、ここからは冬越しの育て方を紫陽花の生育状況に応じて2パータンに分けてお伝えします。

株が元気(⇒休眠・落葉)

春に購入した紫陽花が順調に成長をして元気がある場合は、芽分化ができるエネルギーを樹木が蓄えているので落葉に向けて育てていきます。日差しが弱まる9月中旬からもしくは、10月上旬からの時期は外の環境に置き、十分に光合成を行い芽分化を促します。日差しが和らぐので長時間、日光に当たっていても葉焼けをしないことがほとんどです。

置き場は屋根の有無はどちらでも大丈夫。野外で自然環境下の気温で育てます。寒さに当て芽分化や落葉の時期であることを紫陽花に教えてあげることが栽培のコツです。気をつけたいことは、紫陽花の強い北風が吹く場所は控えるようにします。北風に当てることは上手に冬越しができる条件になります。

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来年「紫陽花が咲かない」とならない育て方のコツは休眠と芽分化に向けて管理することです。9月は株の充実を、10月は枝の内部で芽分化の準備ができるように育てます。

株に元気がない(⇒落葉させない)

一方で、夏バテや病害虫により弱ってしまったり、生育不良の紫陽花は葉の数も少なく茎も細くなったりと苗に元気がない場合は、上手に芽分化ができずに冬の寒さで枝先が枯れてしまう場合があります。枝先が枯れると回復力がない紫陽花は株全体ごと枯れ込む可能性があります。そんな時は、無理に落葉をさせずに葉をつけたまま冬越しをさせてあげます。

「落葉低木」と位置付けられている紫陽花ですが、必ず落葉をしないといけないということはありません。落葉しなかった株は、来年の春に立派な花房をつけることが難しくなるというデメリットがあります。落葉して休眠した株はエネルギーの消耗が少なく貯蓄ができるのでそのパワーを花に充てることができる一方で、一年中葉をつけている株はエネルギー消耗に伴い、本来もつ樹木のサイクルを狂わすことになりますので翌年の開花は難しくなります。翌年の花は楽しむことができない可能性がありますが、株に元気がない場合は紫陽花の枯れ込みを押さえることができます。

置き場は、北風の当たらない屋根のある野外で管理します。朝晩冷えこみが激しい日や霜が降る日、北風が強い日は玄関・室内に入れてあげます。つまり、落葉条件である寒さを感じさせない育て方を目指しましょう。昼間は日光に当てて光合成ができる環境下におき栄養を蓄えさせてあげましょう。

冬(1~3月)に購入した場合

通販は年中、紫陽花の購入ができます。販売先の紫陽花の育て方によりますが、冬に購入した紫陽花はほとんど落葉をして冬芽と枝だけの状態で自宅に届きます。ときより温室育ちだったのか温かい地域で育てられたのか落葉していない苗が届くこともありますので、落葉中の紫陽花、葉がある紫陽花の2パターンに分けて今後の冬越しの管理のコツをご紹介します。

落葉後の株が届いた(⇒休眠・落葉)

落葉後の苗が届いたら、紫陽花の生育サイクルが整っている環境で上手に栽培ができた証です。そのため、落葉(休眠)させたままの状態で管理ができるように野外に置きます。冬に落葉後の苗が届いたら「外」で管理をし水かけを忘れずに行えば、来年の春になったら葉が芽吹き、開花が期待できます。小さなビニール黒ポットで苗が届いて、植替えをする場合は、根鉢を崩さず鉢増しを行います。休眠真っ最中は根が伸びないので根がキズついた場合、活着が難しいです。

落葉していない株が届いた(⇒休眠させない)

休眠期の時期(11月下旬~2月上旬ごろ)に落葉しない苗が届いたらできれば大事に過保護に育ててあげることが必要です。芽分化がなく葉がついている苗が届いたら、無理に落葉をさせようとせずにそのまま葉がついたまま冬を乗り越えるように、寒さを与えないようにして管理してあげます。芽分化ができていない状態で真冬の寒さに当てると枯れ込んでしまいます。人で例えるなら、半袖を着た状態(寒さ対策をしない)で吹雪の中に出たら凍えて凍死してしまうのと同じで、紫陽花も冬越えの準備をしていないので寒さに当てないように育てます。

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最後に(まとめ)

1年生の株はまだ弱い苗木なので環境の変化に対応できない場合もあります。特に冬場は紫陽花が落葉をするので1年の中で樹木にとって大きな変化です。冬越しの準備をして真冬を迎えられるかどうかが枯れるか枯れないかの分かれ道です。

紫陽花は冬の寒さでは枯れてしまうのでその環境を生きていくために、葉を落とし休眠をします。そんな苦手な冬を上手に乗り越えるには、紫陽花の株の様子に合わせて育ててあげることが大切です。最後に、落葉させる管理、落葉しない管理を一覧にまとめておきます。

冬に購入した休眠前・休眠中の紫陽花を確実に開花させる育て方をマスターすることで、店頭に並ぶ前に希少苗を仕入れ育てることができます。

おしまーい。

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