紫陽花の花後は節の中間で剪定しないで(枝の剪定後の管理)

親株から挿し穂を剪定した後や花後の剪定で、切られた親株の枝が枯れてしまうのか枯れないのかをまとめました。花後の剪定をするときは、節の切り残しを短くして防腐剤を塗ってあげることが枝を枯らさない切り方であることです。どこで剪定したら、今後の親株の生育を正常に働かせることができるのかを1年かけて調べました。

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親株の主幹を剪定した切り口

花後の親株を剪定した切り口は、今年の伸びた枝のため幹が充実してない(木質化が進んでいない)若々しい枝です。

 

剪定により幹にキズをつけることで乾燥や時間とともに枝の老化が進んできます。

 

枝を剪定する場合、脇芽付近の枝もとで剪定した場合と、脇芽と脇芽の中間(≒節の中間)の位置で枝を剪定した場合の2パターンに分かれます。
(分かりやすい写真の準備ができ次第アップしますね。)

枝もと付近で剪定した場合

枝本付近で剪定した場合、防腐剤を塗布した場合としていない場合の枯れ込みを比較します。

防腐剤塗布していない場合

花後、枝本で切りすぎて枯れ込んだ枝

花後の剪定をする際に、脇芽ぎりぎりで剪定をした枝の名残です。ちなみに、左側の脇芽は伸びて枝も充実していますね。すでに木質化も進んでいます。

どこまで枯れ込んでいるのか、主幹に影響を与えない程度で、切ってみます。枯れ込みが見られる枝ですが、左側の脇芽も伸びて元気にしていて樹木の生存に影響はないので、特別、取り除かなくても大丈夫です。今回は特別にこの花後に切った枯れ込み枝がどんな感じなのかを調べてみます。

 

枯れ込みが進行。主幹際で緑色が見える

枯れ込みが進んでいます。腐敗菌は茶色でスカスカになるので、木材腐敗菌ではなく乾燥が進んでいます。手前側の切り口にはかすかに緑色が確認できます。これは栄養分を運ぶ木部と水分を運んでいる師部が機能している証拠です。

 

花後の剪定をして、その切り口に防腐剤を塗っていない枝の枯れ込みは進んでいましたが、樹木が枯れ込みを防いでいました。樹木に体力があり元気だと枯れ込みを防ぐことができます。

防腐剤塗布した場合

花後の剪定枝に防腐剤を塗布した枝

花後の剪定後、すぐに防腐剤を塗った枝です。写真は、落葉後の2段階剪定の時期です。全体的に木質化が進んでいて、両枝も細く、冬芽が充実していなかったため剪定することにしました。防腐剤を塗布した枝の髄がどのようになっているのか2つに割って確認をしていきます。

 

 

話を元に戻して、花後の剪定枝に防腐剤を塗布した枝を2つに分割してみます。
 
枯れ込みがないもしくは進行が遅い

切り口は防腐剤で保護されていたため、髄が乾燥せずに茶色くなっていませんでした。キレイな髄で木部も師部も鮮やかな緑色をして機能していることが分かります。

考察

枝本付近で剪定をした髄の枯れ具合について防腐剤を塗布しなかった場合、切り残された節(節の区切まで)枯れが進み、脇枝がある節を境目に枯れ込みの浸食を食い止めていることが分かりました。この枝は樹木の力があったため、枯れ込みを食い止めることができたかもしれません。結論、塗布しないと枯れる可能性があるということです。一方で、防腐剤を塗った残り枝は、枯れ込みがありませんでした。

花後の剪定を5~6月に行いますので、半年以上は経過している枝なので今後も枯れ込みが進むことはないでしょう。

今度は、節の中間で剪定した時の、腐剤を塗布した場合としていない場合の枯れ込みを比較します。

防腐剤塗布していない場合

節の中間で剪定して残った枝

「花後、上から何節目で切ってね!」と示している記事は多いと思いますが、ではその節間のどの部分を枝をどれくらい残して切ったらいいのか分からず、悩みながら切ることも多いものです。節の中間で切ると、残り枝を長くしてしまい、時間とともに枯れ込んでしまいます。

長い残り枝を途中で切ると、枯れが進行しているのが分かります。

 

節の分岐点まできましたので、枝全体を2等分に割ってみます。

 

節の分岐点まで枯れ込みが進行する

節の分岐点まで枯れ込みがあるものも、基部に向かって枯れ込みはなく木部や師部が機能していることが分かります。節を中間で剪定した場合、残された長い枝は枯れ込むことが分かりました。

 

最後に
(まとめ)

考察として、花後の剪定をするときは、節の切り残しを短くして防腐剤を塗ってあげることが枝を枯らさない切り方であることが分かりました。

剪定で切り残された枝が枯れてしまうのか生き続けるのかには理由があります。分かりやすく伝えると、枝を生き延びれない状態にしてしまっていることです。枝の中で、水や栄養分の循環が機能せずに、枝の存続に必要なエネルギーなどを運び届けられないことが原因です。枝が生きるために必要なものを届けるにはどういう切り方をしたらよいのかは、カルス形成の理論と同じなんです。カルスの形成ができる枝の状態、生命活動が維持できる枝がどんな状態だといいのかを知ることが必要です。

 

おしまーい。

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