頂芽挿し紫陽花の育て方-発根後摘芯(芽摘み)が必要な理由-

紫陽花の挿し木の仕方は2種類「頂芽挿し(天芽挿し)」「二芽挿し」のやり方があります。特に、頂芽挿しは発根後に人の手を加える摘芯が必要です。たった1つことをするだけで枝や葉、来年の花芽を多くつけることができ、よい株に育てることができます。今回、頂芽挿しの摘芯をする時期や理由をお伝えします。

頂芽挿しとは、頂芽がある枝を用いて挿し木にすることで別名、天芽挿しとも言います。

頂芽挿し用に剪定した枝
(頂芽のみ残します)

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摘芯とは

摘芯(てきしん)とは、茎や枝の先端を取り除くことです。別名、ピンチともいわれています。

摘芯をする理由

頂芽優勢

茎の先端にある芽は「頂芽(ちょうが)」といい、茎の側方につく芽を「側芽(そくが)」といいます。種子植物の場合、側芽は葉腋(ようえき)につくので、腋芽(えきが)とも呼ばれます。

頂芽:茎の先端にある芽
側芽:茎の側方につく芽
腋芽:種子植物の側芽の別名

基本、側芽より頂芽の方が生育がよいです。頂芽でつくられる植物ホルモンの一つであるオーキシンの濃度により頂芽側芽が生長したりします。頂芽がなくなると側芽の成長スピードが速くなることを「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」と呼びます。

他の脇芽を成長させる

枝先(枝の先端)にある花芽は、植物のホルモン:オーキシンの働きによりぐんぐん成長していきます。頂芽は他の芽よりもより成長できる条件が整っています。つまり、頂芽が成長するため、側芽(≒脇芽)までオーキシンが十分に届かず、芽の生育がストップもしくは緩やかな成長になります。そこで、オーキシンの役割が側芽に働けるように先端の頂芽を摘んで取り除くのです。

紫陽花は枝の先端に花房をつけますので、枝の本数が多い方がたくさんの花を咲かせる可能性が大きくなります。茎や枝の本数を増やすためには1つだけの頂芽より複数わる側芽の生育を促す必要があります。そのため、頂芽を取り除いた方が脇芽が成長し枝数が増え株が充実してくるのです。

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時期

摘心の時期は何月にすべし!と決まっているわけではありませんが枝や茎の本数を増やし株を充実させるという目的として、側芽が大きく成長せずに新しい枝や葉が芽吹かない生育状態の時や頂芽挿して発根した後、発根する前に紫陽花に元気がなくなってしまった時になります。紫陽花の様子を判断しながら、生育が盛んな時期に行い、かつ摘芯後もわき芽(側芽)が生長できる時期であることが必要です。

雨期に緑挿しをした場合

「緑挿し」とは紫陽花の葉がある状態で挿し木をする総称です。紫陽花の葉がある季節は春~秋ですが、その中でも最も挿し木に適した環境である雨期5~6月に挿し木を行うと発根に成功しやすいです。挿し木をして発根した後から7月中旬までに摘芯を行うと側芽が生長します。紫陽花の生育がストップしている時期に摘芯をすれば側芽自体も成長ができずに、逆に挿し木全体が枯れ込んでしまうこともあります。

休眠挿しをした場合

休眠中の株から取った挿し木をすることの総称を「休眠挿し」と呼びます。

休眠挿しの場合も同様に紫陽花が発根し、葉が芽吹き始めて樹木が活動をし始めた時期に頂芽を摘みとります。休眠挿しで頂芽挿しの場合、先端の冬芽が春に開花をする可能性があります。開花を楽しんでから花房を剪定してもよいですし、開花より株の充実をしたい方は、開花する前(開花前の葉が茂り始めた時)に頂芽を摘みとってあげるとよいです。

開花後の摘芯:開花後の5月~6月下旬。
開花前の摘芯:春になって生育が盛んになる4月から。
遅くとも7月中旬までに摘芯する

生育に差がでる

6月に頂芽挿しをした紫陽花を7月中旬までに摘芯した場合としなかった場合の生育の様子を写真で比較してみます。

頂芽挿しをした挿し木の様子(6月)

摘芯した時の成長

摘心をすることで脇芽から葉芽が芽吹き枝が伸長し、さらに新しい枝から新葉が伸びているため、枝や葉の数が多くなり株が充実しています。冬芽は枝の先端に形成されるため、枝数を増やすことで来年開花する可能性がある冬芽を多くつけることができます。

摘芯しなかった時の成長

挿し木の状態とほぼ同じで、ただ頂芽が伸長した株という見立てです。頂芽が伸長した茎に付随する葉が1年間で成長します。枝先に冬芽ができるので、茎や枝数が1本なら、1つの花房しかつけることができません。

 

摘芯した場合としなかった場合は、株の枝や葉数に差がでることが分かります。特に紫陽花は9月から10月にかけて冬芽形成の準備を枝内部で進めていきます。枝の先端にできた冬芽が来年、開花します。花芽は枝先につけるので、枝数を増やし花芽がたくさんつけられるように育ててあげる工夫が挿し木した紫陽花の育て方のコツになります。

最後に(まとめ)

頂芽挿しは、オーキシンの作用が多く働く頂芽を使用した増やし方になります。そのメリットはすでに芽がでているので伸長しやすいということですが、デメリットは脇芽が出にくいこと、脇芽の成長が鈍いため枝数を増やすことが難しい場合があることです。頂芽挿しでも脇芽が生長することもありますので、絶対に脇芽が形成されないということではありません。株を充実させ、少しでも花房の個数を増やしたい場合は、摘心を行いオーキシンの作用を利用し、脇芽の成長を促してあげます。摘芯するかしないかはどんな育て方を好みとするかで異なってきます。花後に剪定をしますが、この剪定も同じねらいがあり「摘芯をすることで株の充実」を目的としています。

摘芯をした場合としなかった場合のその後の生育過程のご紹介でした。
摘芯は先端の芽を切ってあげることです。
おしまーい。

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