葉が白い!紫陽花の「うどんこ病」の症状と予防、治療できた薬剤

紫陽花の葉が白くなってしまった時に疑う病気はう「うどんこ病」(学名:Powdery mildew)です。うどんの粉を蒔いたかのように白くなって見えることが名前の由来です。植物の葉が白くなったら99%がうどんこ病と言われ、紫陽花だけではなく多くの植物がかかる病気として知られています。今回、感染した葉の症状や感染経路、菌が繁殖する条件、対策、予防や治療についてまとめました。

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症状

最初は葉の一部が白くなり、悪化すると葉全体が白くなりその後、黄色に変色して葉は枯れ落ちてしまいます。白色の斑点(カビ)が葉の表面を覆っているため光合成が十分にできずに株が弱り、葉が枯れることがあります。

うどんこ病の症状
葉が白くなった
葉が灰を被ったような色になった
葉を触ってみると少し硬さがあった
葉が乾燥していてパッキと割れた
数枚の葉だけに症状がみられる
日に日に、症状が広がっている

それでは、紫陽花がうどんこ病に感染した葉の症状を写真で解説します。

うどんこ病の葉の様子

茎が感染した様子

乾燥がひどく葉が割れた様子
  

感染が悪化した様子

原因・感染経路

原因菌は、土壌や落ち葉にいる糸状菌(せんじょうきん)と言われるカビの一種です。生きた植物にのみ寄生し、枯れた植物には寄生しないため絶対寄生菌と呼ばれています。感染力が強く、空気感染をします。そして糸状菌(カビ)はたくさんの種類がありますが、その中でも「科目」が同じ植物に感染していきます。紫陽花はアジサイ科(従来は、ユキノシタ科)なので、紫陽花のうどんこ病の原因菌は、バラ科の薔薇やツバキ科の椿やサザンカなどには感染しないんです。紫陽花以外の薔薇や椿などがうどんこ病になっていたら違う種類の糸状菌が原因です。

感染経路は、紫陽花の科目であるアジサイ科(ユキノシタ科)に属する植物が近くで生育していて、その植物にうどんこ病が発生していて、菌が風などで浮遊し同じ種類の宿主(育てていた紫陽花)に空気感染したことになります。

感染経路
伝染病(空気感染)
周囲にアジサイ科、ユキノシタ科の植物がうどんこ病に感染してその菌が風に舞って飛んできた

紫陽花の科目を調べると、アジサイ科もしくはユキノシタ科で表示されるけど、実際のところはどちらが正解なのでしょうか?紫陽花を購入した時にラベル表示は「ユキノシタ科」と書かれていることが多いです。

紫陽花は現在、アジサイ科なの?
表示はユキノシタ科が多い

エングラーの分類体系ではユキノシタ科アジサイ属とされていたが、クロンキスト体系ではユキノシタ科のうち木本類をアジサイ科として分離独立させた[7][8]。分子系統に基づくAPG分類体系でも、アジサイ科をユキノシタ科とは全く異なるミズキ目に所属させている。

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条件

気温が20~25℃(湿度40~70%)5~6月、10~11月(初夏〜晩秋)に繁殖します。晴れの日(乾燥)と雨の日(湿気)が交互に繰り返す天気、朝夕の冷え込み気温の差が激しい季節、雨上がりなどの湿度が高く葉が濡れている場合はうどんこ病が繁殖しやすくなります。肥料成分で窒素分が多く、カリウム分が不足しているとかかりやすくなるといわれています。一方、30℃を超える夏ではあまり繁殖しない傾向にあります。

対策

葉の除去

他の葉に空気感染で拡散して被害が拡大しまうので、感染した葉を切り取ることが一番早い対策になります。切り取った葉から胞子が落ちてさらに拡散しないようにゴミ袋に入れて密封して隔離します。症状が初期段階であれば、薬剤を使って繁殖を抑えることができますが、条件が揃えば再発してしまう可能性もあります。

一度、発生をしたら繁殖条件が外れるまで完全に防ぎようがないのも事実です。紫陽花は冬に落葉するため、秋口にうどんこ病になり、症状の程度が軽ければ落葉するのを待ってもよいかもしれません。落葉を待つ場合はうどんこ病に感染した葉が落ちたら速やかに取り除き、胞子が飛沫拡散しないのを防ぎます。

益虫の活用

近くにキイロテントウムシを見かけたら、うどんこ病に感染した紫陽花にそっと移動させてあげ、糸状菌を食べてもらえるといいですね!キイロテントウムシはうどんこ病の胞子を食べてくれる点で益虫(植物に利益を与え、共存できる虫)です。

キイロテントウムシ

その他、うどんこ病の予防策と対策をまとめておきます。

うどんこ病の対策
株や葉を剪定し風通りをよくする
適度な湿度と日当たりを確保
土の水はけをよくし湿った環境を取り除く
水は根元に与え、葉にかけない
感染時期の前に殺菌剤を散布する
被害が大きい葉は切り取き周囲への影響を防ぐ
秋口で症状が軽度であれば落葉を待ち処分する
益虫に菌を食べてもらう

予防・治療

薬剤

うどんこ病の感染程度が重症の場合は、アジサイが枯れてしまう前に薬剤散布をする必要があります。予防と治療の両方に効果を発揮する「兼商モレスタン®水和剤」がおススメです。

兼商モレスタン®水和剤

樹木類は2000倍希釈なので、水1ℓに対して0.5gの粉剤を溶かして葉に霧吹きします。1袋0.5g入っているので、水1ℓに1袋溶かせばよいので分量を間違えることなく簡単に調合できます。同じ薬剤ばかり使っていると菌に耐久性ができるので異なる薬剤をローテーションで使うと効果的です。

 

散布する際はこちらの電動散布機を
使用するとムラなく薬剤がいきわたり
簡単に散布できますのでおススメです

効果

散布前

【散布前】

地植えをしている紫陽花の葉がうどんこ病になり真っ白色になりました。写真では特に4枚の葉がうどんこ病が蔓延化し周囲の葉にもうどんこ病が広がりつつあります。時期は開花後6月で雨が多い日でした。葉を切り落としてもよいのですが、新葉が芽吹き始めていますので今後の新葉への今後の感染を予防する目的、現時点のうどんこ病になった葉の治療として「兼商モレスタン®水和剤」を散布することにしました。

散布後の紫陽花の様子やどのくらいの頻度で散布を行ったのかをお伝えします。

散布後

【治療後 散布1ヶ月後】

兼商モレスタン®水和剤」の散布を毎週1回、症状が良くなるまで行いました。約1ヶ月ほどすると葉についていた真っ白だったカビの症状は引きました。蔓延化した4枚の葉と周囲の葉のうどんこ病も落ち着きましたが、重症化していた4枚の葉は、葉が委縮しモザイク病を合併しているように見えます。うどんこ病の治療において「兼商モレスタン®水和剤」の散布はうどんこ病に効果を発揮したことが分かります。

最後に(まとめ)

紫陽花がよくかかる病気の1つがうどんこ病です。うどんこ病は紫陽花の三大疾病にも上げられるほど猛暑を除いて1年中感染しやすいといえます。湿度が高い5~6月は感染しやすいですので、花後は早めに剪定を行い枝隙により風通りをよくし予防に努めることが大事です。感染してしまったら初期症状の時に、益虫や薬剤を活用し蔓延化しないように注意をします。

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紫陽花の他の病気や害虫・生育不良を知りたい方は、病気に感染した葉の症例写真を載せて一覧にまとめています。紫陽花がかかりやすい病気や被害を受けやすい害虫を知ることで早めの対策や予防ができるといいですね!ご参考までに是非読んでくださいね('ω')ノ

おしまーい。

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