ハローワーク求人に騙された!必ず確認すべき基本給と労働条件の嘘

ハローワーク求人票で仕事を探すと、入社してみたら「求人票の条件と違った」という事例は多いものです。せっかく入社したのに条件が違って「求人票に騙された」と思うのも当然。今回、ハローワークの紹介で入社したけど基本給や雇用契約条件が違ったことや求人票には記載がなかったことなど入社して初めて気づくハローワーク求人票に隠された真実をお伝えします。

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誤認を招く求人票:賃金(a+b)に注意

基本給は固定給と諸手当の合計だった

求人票の確認項目で優先順位を3つ挙げると給与と業務内容、福利厚生だと思います。優先順位は人それぞれですが、大方、この3つに当てはまるのではないでしょうか。将来子育てとの両立を視野にいれている方なら、育児休業の有無もその一つですね。

そこで、気になる求人でご紹介します。
(一部だけ写真載せます。)

N社:総支給(a+b)の金額に注目します

 

求人票に書かれていた内容をまとめます。

 

ハローワーク求人票の給与や保険
基本給(a)
   基本給   17万円
定期的に支払われる手当(b)
住宅手当 6,000円
責任手当 3,000円
⇒総支給額(a+b) 179,000円
交通費  25,000円
(上限あり・実質額)
昇給、賞与あり
雇用、労災、健康、厚生、財形、厚生年金基金、退職金共済、退職金制度 あり
基本給も一般的な金額で、福利厚生も整っているように読み取れます。名のある昔からの会社(N社)で、それなりに規模が多き企業なので勤務するには最高案件だと考え、すぐにハローワーク職員から紹介状をいただき、書類選考が通過し最終面接へ、トントン拍子で内定をいただくことになりました。そして、N社の初出社日に雇用契約書を渡されました。

人事
雇用契約書や身元保証人、任意保険の確認書など書類が入っているから記入と押印をして近日中に持ってください。
そのとき、ハッと目を疑ったのです。
雇用契約書の給与を確認すると、
基本給が、106,000円

基本給は17万じゃなかったの?(心の声が漏れそう)雇用契約書を確認すると基本給にいろんな諸手当がついて総支給額は約191,000円でした。ハローワーク求人票の総支給額より実際の雇用契約書の方がお給料が高いけど、基本給の額が全然違ったのです。
ハローワーク求人票の給与や保険
基本賃金   106,000円
諸手当
調整手当 ・・・・円
努力手当 ・・・・円
満勤手当 ・・・・円
住宅手当 ・・・・円
通勤手当 ・・・・円
責任手当 ・・・・円
総支給額 約191,000円
地域により差がありますが、地元&事務職としての総支給額は高めだと思います。総支給額から判断すると特に問題ない金額だと考えていましたが、人事からお給料に関して説明が次の通りありました。

基本賃金の月給と調整手当が、当社の基本給になり固定です。休むと、努力手当と満勤手当が減額で支給されます。
そう言われても…。
まず、雇用契約書の基本賃金と調整手当を合わせても、ハローワーク求人票の基本給17万にならないんだけど・・・

基本給が少ないけど、総支給額が多いだけでも条件はいいうちなのかな…どうしよう。

そうなんです。「どうしよう。」なんです。悩むどころか困ってしまいますよね。総支給額が高くても基本給が低いメリットなんて一つもありません。デメリットだらけ。これから基本給が低いとどうなるのかのデメリットをまとめます。

基本給が低い賃金形態はデメリット多し

賞与(ボーナス)が減る

基本、賞与(ボーナス)は、基本給をもとに計算されます。会社によっては会社の実績や業績を基準に支給される場合もあります。例えば、ボーナス2.0カ月分と書いてある場合、基本給の差で支給される賞与額に大きな差がでてきます。例えば、基本給が10万でしたら、10万×2カ月=20万円となり、基本給が20万だと、20万×2カ月=40万円となります。1年で20万の差があります。ちなみに5年勤務したら20万×5年=100万円。100万円の差って大きいと思いませんか。

時間外手当(残業代)が減る

基本給が少ないと、時間外労働をした場合に支払われる時間外手当(残業代)が減ります。座員業代は基本給をもとに計算しますので基本給の差が、時間外手当に反映されます。

 

時間外手当の計算法

8時間労働者の場合
給料(時給)×1.25(割増率)×残業した時間=時間外手当
8時間以下労働者の場合
正規職員の労働時間を超えるまでは時給(固定給を労働時間で割った額)が支給され、正規職員の労働時間を超えた場合は(時給×1.25×残業した時間)分が適用される。

基本給が少ないために、残業代も少なく支給されることになります。

退職金が減る

退職金制度がある会社に勤務するなら、なおさら基本給を意識した方が良いと言えます。残業代と同様に退職金も基本給をもとに計算されます。

手当は自由に調整・減額できる

忘れないで欲しいことは、基本給以外の諸手当は会社側の都合で自由に調整できるということです。会社の方針で減額できるのです。手当には、調整手当、努力手当、満勤手当、住宅手当、通勤手当、責任手当、営業手当、役割手当、食事手当など様々な手当があり会社が独自で定めることができます。万が一、これらの手当がなくなってしまえば、基本給だけの総支給額になってしまいます。

昇給が減る可能性がある

昇給額は1年で5,000円ずつ基本給が上がるなど会社にとって固定額が決まっている場合があります。一方で、基本給×〇〇%で算出する会社もあります。つまり、基本給が少ないと昇給額が少ない可能性があります。

時間外労働時間は正確ではない

就業規則にない暗黙の労働がある

さて入社初日、契約書をいただいて仕事机に座ると、お隣の事務職の女性から勤務時間について説明がありました。

作業員が全員、会社に戻ってきてお金の計算が終わらないと帰れないから。ちなみに、朝は作業員にお金を渡さないといけないから早めに来て準備します。

ええええええええーーーー!!
7:45までには出社して、17:45頃の退社

って、どういうこと?(またもや、心の声が漏れそう)
雇用契約書の勤務時間を確認すると、8:30~17:00

ハローワーク求人票の両方とも労働条件が全然違っていたのです。早朝と夕方の労働時間外の勤務は「時間外労働の申請をしない」と社員は口をそろえていたのです。(記事作成当時)
ハローワーク求人票での労働時間をまとめます。
ハローワーク求人票の労働時間
変形(1年単位)
8:30~17:00
時間外あり・月平均3時間
時間外あり 月平均3時間

ハローワーク求人票の記載では時間外は3時間、朝8:30から夕方17:00までの勤務時間(休憩60分)でしたが、入社して初めて求人票と条件が違うということを知りました。

N社の就業時間の条件から、「仕事と子育ての両立」ができそうと判断して求人に応募したんだよね。

就業規則上は8:30~17:00と記載がありましたが、実際は違ったのです。

実際の就業時間
出社は、7:50まで(出勤日は毎日)
⇒ラジオ体操や事務員は作業員にお金を渡す準備があるため
雑用当番の人は、7:40までには出社すること
⇒週2日は当番という仕事がある
退社は、17:40ごろ
⇒作業員が17:00に現場から会社に戻ってきてからお金の閉めをするため
入社して初めて知った事実は、ハローワーク求人票とも雇用条件通知書とも就業規則に書かれていることが3つとも違っていたのです。現場の労働時間は、実際は1日8時間以上の労働がありました。それも、皆、残業代の申請していませんでした。だから、1人だけ残業代を申請するのも変で、残業代の申請ができない職場環境だったのです。そこで、言われたのが次のことでした。

用事があるときは17:00に帰ってもいいからね。就業規則は17:00までなので。だけど、その時は、主任に相談してね。

就業規則は17:00までなのに。規定通り17:00に退社するときは特別な理由が必要でかつ主任に一言、許可を得ないといけないとのことでした。

休日に会社行事・町の奉仕活動が多い

会社の規定では日曜・祝日が指定休として休みですが、その日に限って会社のイベントもしくは町の奉仕活動が入っていますとのことでした。あと、政治団体に関与しているとか…。

実際の就業時間
休日での会社行事の多い
町の奉仕活動への義務参加
政治への関与(選挙協力)
会社関連企業の会員に自動的に入会
⇒お給料から会員費が自動天引き

最後に

正直、N社に入社して求人票と違った雇用条件から入社して退職をしました。退職という表現があっているのかは分かりませんが、初日にいただいた雇用通知書にもサインはせずにそのまま返却するという事態に。

 

ハローワークの求人票に限ったことだけはないと思いますが、ハローワーク求人で入社すると、実際の雇用契約書が違ったり入社して初めて分かることがあったりするものです。そのためにも、ハローワークの求人票に記載されている条件や内容が真実なのかを確認する必要があります。特に基本給、実質労働時間、休日出勤の日数、会社行事・イベントの日程や時間だけでも面接の時に聞くと後悔せずに済むのではないでしょうか。もしくは、ハローワークの求人相談係から聞いてもらうこともできます。

ハローワーク求人票の嘘を見抜く確認事項
総支給額の給与
基本給の記載があるが、手当も含めた基本給額になっていないか
基本給はいくらなのか
就業時間
就業規則上の時間を記入しているだけで実際、会社にいる時間はどのくらいか
休日出勤の日数
休日出勤がどのくらいあるのか
会社行事や町の奉仕活動などイベント行事がいつあるのか、その時間帯は。

 

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ハローワークの求人を活用する機会がないことを祈っていますが、もし再びハローワークを利用するときには、求人票に書いてある条件には気をつけようっと。
おしまい。

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