さて、植物を購入する前、育て方で悩みを持ったことがありませんか。
それはズバリ「この植物を育てたいけど、我が家でも枯れることなく育つの?」という疑問だと思います。植物を買う前に育てる環境に適応できる品種を選ぶことが買った後に植物を枯らさないための一つの条件で、植物を育てる極意の一つとも言えます。そこで今回は、植物を買う前に、どんな栽培ポイントに注目して選んだらよいのかのコツをまとめます。
植物の特性
耐寒性
冬のお庭は閑散としているイメージがあると思います。冬に開花する(椿、ビオラ、パンジーやアリッサム等草花や常葉樹)植物以外は、気温が下がるにつれて落葉し休眠し寒さ対策をしています。私たち人が肌で感じることができるように、毎年寒さの強さが変化しています。同じ冬でも強い北風が吹く日、豪雪となる年など寒さが違ったり、日本では北海道と鹿児島、沖縄の寒さは異なったりします。そこで、気になるのが植物の持つ耐寒性の程度(強弱)です。耐寒性が強いか弱いかで、迎え入れる環境でも寒い冬を乗り越えられるかどうかが変わってきます。耐寒性が強ければ野外で育てることもできますが、耐寒性が弱い植物は室内での管理が必要になってきます。また、霜に弱いか強いの特徴も植物が育っていけるかのキーワードです。
人気がある植物で例をあげますね。
シクラメンは冬の植物で寒さに強く、ガーデニングシクラメンは野外でも育つと言われていますが、0度以下になる夜は暖房が届かない室内(玄関・廊下)もしくは、ハウスの中で管理した方が育ちがよいことがあります。理由は耐寒性が強くても、植物にって耐寒できる気温が異なるからです。落葉で知られている紫陽花は充実した冬を育てるために冬の寒さに当てる必要がありますが、北風に当たりすぎると冬芽が枯れてしまうこともあり北風の当たらない野外がベストです。
紫陽花の冬芽形成についてご紹介しています。春に花を咲かせるために必要な芽である冬芽は冬の寒さで枯れてしまうことがあります。冬越しできる冬芽、北風で乾燥して枯れてしまった冬芽を写真でご紹介しています。
耐寒性が強くても植物にとって地域や日にとって冬を乗り越えるための工夫が必要な時もあり、まったく冬の対策が必要ない植物もいます。
耐寒性の強弱、また霜に耐えられるかどうか、そして耐寒できる気温は何度までなのかを知っておくと、冬に植物を枯らすことなく越冬することができます。
次に、「夏に枯れてしまった」を防ぎたい方向けにまとめます。
耐暑性
地球温暖化も進み、猛暑日となる夏は植物も夏バテすることがあります。耐暑性がない植物は夏場は休眠したり、枯れてしまったりします。(冬に花が咲く植物は基本、夏は枯れるか休眠します。)夏に枯れる、もしくは休眠する草花を除いてお話しますね。
夏に弱い樹木の代表例として紫陽花があります。紫陽花は暑さよりは直射日光に弱く、葉が日焼けをして茶色くなり穴が開いてしまったり、病気になってしまい葉が落ちてしまい枝だけになることがあります。
ガーデニング好きの多くの方が育てている薔薇も品種によって耐暑性の程度が違い、暑さに弱い薔薇、強い薔薇があります。暑さに強い薔薇は暑さに枯れずとも、猛暑日が続くと葉の節間を長くして枝が伸びたり、生育が鈍ったりします。
つまり、夏場の暑さに強い植物は枯れずとも、猛暑日が続くと水切れを頻繁に起こすことで樹勢が弱まり、強い日差しで葉焼けすることで夏バテをしてしまうことになりますので、注意が必要です。
夏に強い植物を植えるなら、ポーチュラカ はおススメです。(ポーチュラカの生態は一年草なので種子を残して、苗自体は冬は枯れてしまいます。植物の生態を知りたい方は本記事の最後に関連記事をご紹介しています。)
耐陰性
耐陰性の強さも植物が育つヒントになります。太陽の光エネルギーで光合成をすることで植物は生体を維持しています。一日中、日陰で育つ植物はほとんどいません。室内の窓際でも光があたる明るい場所に置く必要がありますし、日差しが苦手な植物でも午前中は太陽の光を浴び、午後は日陰になるようにするのがベストです。
家の周りに生垣として育てている黄金正樹や一ッ葉等、比較的日陰でも育つ樹木はありますが、生育スピードや葉の茂り具合が遅かったり、貧弱な樹木に育つことがあります。
耐病性
植物を育てる時に、あまり意識していない植物の病気についてまとめます。草花は病気にかかりにくいといえ、どちらかというとバッタなどの食害に遭うことが多いのではないでしょうか。
耐病性を重視すべき植物に薔薇が挙げられると思います。薔薇を育てる上で農薬散布は必ずと言っていいほど、必要と言えます。無農薬で育てたい場合、耐病性が強い品種、それに加えて病気になって葉が落ちても新しい芽をつけ、葉をよく伸ばす樹勢の強い品種を選ぶことが大事です。
樹勢の強さ
病害虫の被害にあり葉や枝が少なくなった時や夏バテにより樹勢が弱った時など、本来その品種がもつ樹勢の強さが今後の植物の育ちを左右する場合があります。樹勢が強い方がよいことですが、樹勢が強すぎると成長スピードが速かったり、思いのほか大きく成長することで手入れが行き届かず枯れてしまうということもあります。
育てる方の手入れができる範囲で植物を育てたい選ぶとき、樹勢の強さは参考になります。病害虫の被害にあう可能性がある場合などは樹勢が強い方が育てやすいといえます。
まとめ(最後に)
最後に、植物を育てる上で日頃の管理や手入れの他に、その植物が持つ特性を知ることが大事です。品種が保持する特性を知ることで、日々どのような管理をすることで植物を楽しく育てることができます。
さらに知って欲しいのが、植物の生態サイクルです。これは育てる環境に適しているかという判断材料より、「葉がなくなって枯れてしまった!」と嘆いても植物の生態サイクルによるものなので実は枯れてしないんですよ。」ということを伝えたくてまとめます。
植物が枯れたと思ったけど、生きていた!枯れたと思った理由は、休眠期に入ったから。育てている植物の生態サイクルを知ることで、枯れてはいない可能性を知ろう!
おしまーい。