8月下旬から10月は椿の蕾が大きくなり始め開花までの楽しみに胸高まる時期です。蕾を観察すると1~2mmの小さな穴が開いていることがあります。穴が開いているので害虫に食害されたことは間違いないでしょう。一体、どの種類の害虫がいつやってきて、どうして穴を開けたのかをまとめます。穴が開いた蕾は開花するのか、それとも枯れてしまうのかなど今後の対策について記事にします。
目次
穴が開いた蕾を調べた
穴(侵入孔)の様子
9月頃の椿の蕾です。5月下旬~7月にかけて花芽の形成が始まり、8月~10月にかけて蕾が肥大します。真正面から撮影した蕾はぷっくりとして光沢があります。蕾は一枝に1~2個つけると見ごたえある開花を楽しめます!
食害される前の蕾
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そこから約1ヶ月後した蕾は大きく肥大し、側面の膨らみを確認すると小さな穴が蕾にあいていました。
1か月後、食害された蕾
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植物に写真のような穴を開けるのは、基本は幼虫の仕業です。食害を受け蕾の中がどんな構造になってしまったのか、幼虫の正体を突き止め今後の被害を最小限に抑える目的で蕾を取って、蕾の中で生きている幼虫を見つけることにしました。
いざ、解剖しまーす!(*^^*)
蕾の解剖
先ずは、蕾を取ります。枝を傷めないように蕾を触っているも、簡単に手で取れました。
食害された蕾を取った
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中にいる幼虫をキズつけないように、少しずつ蕾をカットしていきます。
半分にカットした蕾
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蕾を4分の1にカットしました
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幼虫が出てきません。
蕾の中身
虫がいなそうでしたので、手で揉みながら少しずつ蕾を剥きました。
蕾を外から剥く
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結局、幼虫を見つけることはできませんでした。また、蕾の奥深くまで食害の被害が進行していませんでした。蕾に空いた穴は幼虫が入ってきた侵入孔なのか、それとも育って外に出て行った排出孔なのか分からない結果となりました。
心当たりは毎週1回殺虫剤を散布していましたので、蕾の表面少しのところに幼虫がいて殺虫剤の散布が届いて死んでしまったのかな・・・と考えました。
散布した殺虫剤はこちら
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さて、話題をもとにもどして、スギタニモンキリガのお話に続きます(*^^*)
スギタニモンキリガ
どんな害虫
昆虫や幼虫は葉を餌として育ちますが、スギタニモンキリガの幼虫は珍しいことに「花」を餌として育ちます。特に、花の中でも花弁は食べずに雄しべと雌しべを食べて成熟するので昆虫の世界(特に食性の視点)では稀な生き物らしい。そして、幼虫は温かい気候の中で育っていきますが、椿の蕾は秋から冬にかけて肥大化していくので寒い時期なんですよね。その寒さを潜り抜けて成長できる幼虫はすごい生命力です。蕾の中が温かいのかも。
生態
成虫は1年に1回発生し椿の蕾付近に1粒ずつ産卵します。孵化した幼虫はすぐに、蕾の中へに潜るために穴(直径1.5㎜)を開けて侵入し、蕾の中を食害を始めます。開花時期に一気に伸びた雄しべと雌しべを食べて成熟すると、今度は地中に潜り夏を越します。秋に蛹化した後、12月に羽化をし、また椿の蕾付近に産卵するサイクルを送っています。
対策
スギタニモンキリガは秋口にかけて椿の蕾付近に飛来してくるため予防が困難と言えます。産卵後は葉に小さな卵が乗っている場合がありますので、それに気づけると被害を受けずに済みます。
食害の被害に遭って
対策
蕾の中に虫がいたら殺虫剤をかける手段も考えられますが、食害にあった蕾の開花は、本来の花の原型をとどめることが難しく外観を損ねてしまいますので食害にあった蕾を回復させること自体の対策はありません。失った雄しべや雌しべ、花弁の回復はなく、失ったまま育っていきます。
食害後にすべきこと
食害にあったら、蕾を取り除くようにします。数少ない蕾で楽しみにしていましたが、食べられてしまった雄しべや雌しべなどが新しく作られることはないです。それよりは、椿が他の枝にある蕾が肥大化し開花できるようにエネルギーを注げるように、食害の被害を受けた蕾は取り除くことをおススメします。
最後に
(スギタニモンキリガの幼虫を発見した)
大事にしている椿の蕾が食害に見舞われ、本当に残念な気持ちです。後、2個蕾が残っていますので、開花までを楽しみに育てていきます。蕾が白色でも赤色でもなく、黄緑色ぽいなと不思議に思っていた読者の方のために、今回、写真で紹介した椿の種類は「黄河」です。
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黄河の蕾が全部で3個あり、1個は食害でダメになってしまい、2個目は無事に開花しましたが、3つ目は病害虫の影響を受けずに、なぜか枝に付いたまま茶色くなり枯れてしまいました(>_<)
スギタニモンキリガの幼虫を発見(写真あり)
活気のない蕾を発見
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蕾を分解すると
幼虫がいたよ
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スギタニモンキリガの幼虫
拡大します
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おしまーい。