子育てしやすい会社と位置付けられた2社を比較しながらママが子育てと仕事の両立を図れる就職先を決める上で考えたことや優先したことについてまとめます。一概にどんな会社の条件がよいか正解は答えられませんが、一つの事例として子育てする一人のママの価値観として読んでいただけたら嬉しいです。転職するときに「本当にこの会社に転職することが正しいんだよね」とママは悩むと思います。
目次
選択肢に入れた子育てしやすい2社
子育てしやすい職場の条件
最初に子育てしやすい職場の条件を挙げます。
子どもの急な発熱に早退できる会社
子どもの体調不良でお休みを頂ける会社
子どもの行事に合わせて有給を使える会社
休んだ分の業務を他の職員がサポートしてくれる会社
お休みする時は気持ちよく帰れる会社
就職先で視野に入れた2社とは(概要)
O法人・総合職 | N社・一般事務 |
幅広い年代層の子育てママが勤務している 0歳児を持つママも働いている 子どもの傷病で急に休めるようにスタッフを多めに雇用している 女性が約100人以上働いている 「子どもの迎えはママが行くもの」という考え方がある 「働き方推進企業」に認定されている 子どものために気持ちよく会社を休める 職員はみんなフレンドリー 定時での退社を推奨している |
子育てママが勤務している 小学生を持つママが働いている 女性は事務職員として5人働いている 「子育てしやすい環境」という上司の考え方がある 「子どものために会社を休まないといけないのはお互い様なので」という考え方がある 「働き方推進企業」に認定されていない 職員には上下関係があるけど、円満 基本、定時での退社を推奨している 地元の中でも有名企業の一つ |
O法人とN社もどちらも「子育てママが働いている職場」で、子育てには理解がある会社なのですが、どちらかと言うと…N社よりO法人の方が子育てしやすそうなんだよね。
O法人とN社をまとめると次の通り
O法人・総合職 | N社・一般事務 |
正規職員 大卒区分としてのお給料を定めている 賞与、昇給あり 通勤手当あり 社会保険加入 財形、厚生年金基金 退職金あり 短時間労働制度実績あり 産前産後実績あり 育児休業実績あり 勤務時間 ⇒8:00~17:00 年間休日数:約120日 日曜、祝日休み、他 |
正規職員 同市の一般事務の中ではお給料が高め 賞与、昇給あり 通勤手当あり 社会保険加入 財形、厚生年金基金 退職金あり 短時間労働制度実績なし 産前産後実績あり 育児休業実績あり 勤務時間 ⇒8:30~17:00 年間休日数:89日 日曜、祝日休み、他 |
年間休日がO法人は多いから子どもと一緒に過ごす時間を多く取れそう。
次に、通勤距離や通勤時間について考えてみました。
通勤距離・通勤時間
O法人とN社において、自宅から保育園、保育園から職場までにかかる時間をまとめました。
O法人・総合職 | N社・一般事務 |
自宅~職場の距離 ⇒片道約37㎞・往復74㎞ 通勤時間 ⇒片道60分・往復2時間 自宅→(2分)→職場 職場→(60分)→職場 |
自宅~職場までの距離 ⇒片道約10㎞・往復20㎞ 通勤時間 ⇒片道15分・往復約30分 自宅→(2分)→職場 職場→(15分)→職場 |
通勤距離や通勤時間からみるとO法人よりN社の方が良さそう
驚く方が多いかもしれませんが、O法人は保育園から職場まで片道50分もかかります。
1)勤務開始が朝8:00で保育園からの通勤時間が約60分必要ということは、子どもを保育園に朝7:00には預けないといけないこと。
2)朝は6:30までに子どもを起こすこと
3)勤務終了が17:00なので、子どものお迎えは夕方18:00頃になるということ。
4)子どもを朝7:00~夕方18:00までの計11時間保育園に預けないといけない
5)子どものお迎え要請がかかっても最低約50分はかかるので、緊急時の対応ができない
通勤距離や通勤時間は、職場が遠かった場合を前提にしたら通勤時間可能範囲内なのかな。そこで通勤距離がかかることについてデメリットを考えてみました。
1)子どもが小学生になった時に、子どもよりママの方が早く家を出るかもしれない
2)子どもが何か忘れ物をしたときに、届けてあげられる距離ではない
3)仕事の休憩時間に自宅に帰ったり買い物をしたりすることができない
4)何か緊急の事態になった時に、迅速な対応ができない
5)園帰りや学校帰りに習い事や塾の送迎が難しい
通勤時間がかかることは、メリットが少なくデメリットが多いと言えます。メリットがあるとしたら、早起き早寝の習慣が整うことかな(笑)それでも、O法人は通勤時間がかかっても「子育てホワイト企業100%」だと確信していました。子育てしやすい環境で産休・育休も取得できることがお約束されていることは働くママや次の子が欲しいママにとって両立できる理想の職場です。通勤時間が長くても、勤めてみたい会社として魅力的ですが、最終的にはO法人ではなく「N社」で働くことを決意したのです。
後悔しない就職先を選ぶために考えて欲しいこと
「子育てビジョン」これだけは叶えたい
子育てと仕事を両立を目指すママはただ両立できればいいということではく、子どもに寂しい思いをさせずに働きたい思いや子どもが十分に教育を受けられたり、好きな習い事に通えたりできる時間と教育費や習い事の費用にゆとりを作りたいことも子育てビジョンの一例です。子育てをする上で、ママが叶えたい子育てビジョンを振り返ってみると、何を優先したいのか見えてきます。
本記事を執筆している筆者の子育てビジョンは、「できる限りの範囲で子どもに寄り添える環境を作ってあげたい。」という願いです。
保育園の送迎はママがして子どもを見守りたい
子どもに何かあった時にすぐに駆け付けてあげられる体制にしたい
心に余裕がある家庭で育てたい
好きな習い事をさせてあげたい
そこで、仕事をする上で周囲の意見をいただき、考えさせられた3つことがありました。
現役保育士のご意見を伺ってみた
我が子が通っている保育園にそろそろ就職が決まりそうなことを報告しつつ、まだO法人にするかN社にするか悩んでいることを相談していました。すると、主任の保育士の先生がこうお話されたのです。
O法人に勤めるとなると、○○ちゃんは長時間預けられるから可哀そうだよね。
そぉ・・・そうですよね。やっぱり可哀そうですよね。けど、子育てしやすい職場だから、我が子が何かあっても気持ちよく会社を早退することができるかなと思いまして。
保育園側に「子どもが可哀そう…」と言われてしまいました。ママの心にグサッと刺さった「子どもが可哀そう…」という言葉。弱みにつけこまれた感じでしたが、それも真実だと思います。
○○ちゃんは保育園に楽しく通っている感じだけど、やっぱり早く家に帰りたいものなのでしょうか?
○○ちゃんはまだ言葉が喋れないから、ママは敏感に気づいてあげられないかもしれないけど、言葉が喋れるようになったら「ママ、何時に迎えにくるの?早く迎えに来てね」って言う子がほとんどですよ。
手元で育てたいと後悔するママの思い
そして、保育士の先生に言われたことがこんなこと
母親が仕事をする以上、子どもを保育園に預けないといけないことは割り切っているのですが…。
そうですね。いろんなお母さん方の思いがありますからね。私は、子育て中は仕事を辞めて、子育てに専念するつもりです。子どもが小さい時は今しかないけど、働くことはいつでも働けるから。
子どもを預ける上で、お母さん方と面談をしますが、その時に必ずしもではないけど、「小さい時に子どもの傍に居てあげられたらよかった」と後悔しているママが多いんです。
ママが働く以上、「手元で育てられない」「子どもといる時間が少なくなる」という課題は永遠の問題だと思います。
通勤時間で変わるママと子どもの生活
そして、もう一つ言われたことが次のこと。
次の子を妊娠して、悪阻がきたときに通勤距離が長いと車の運転とか大丈夫ですか?妊娠初期状態の母体に負担がこなければいいけど…
パパの意見は次の通り。
反対はしないけど、長く働くっていう意味で、定年まで毎日往復2時間運転が苦にならなければいいけど。運転する時間が長いってことは事故率も高くなるからね。それにママが疲れるよ。
確かに、O法人の定年が65歳だとして、後35年働くと仮定したら、【出勤日数】23日/月×12カ月×【通勤往復時間】2時間×【勤務年数】35年間=19,320時間。つまり、19,320時間÷24時間/日=805日間運転している計算になります。
では、O法人とN社に勤務した場合、どちらが子どもと関われる時間が多いのか計算してみました。
O法人・総合職 | N社・一般事務 |
【O法人・総合職】
年間休日数:105日 年間出勤数:260日 1日の保育時間:11時間 年間の保育時間:11時間×260日=2,860時出勤 1ヶ月出勤数:260日÷12カ月≒21.7日 1週間出勤数:22日÷4週≒5.5日 1ヶ月の保育時間:11時間×21.7日=238.7時間 1週間の保育時間:11時間×5.5日=60.5時間 fa-arrow-circle-right1カ月の出勤日数が約21.7日で、子どもを238.7時間預けることになる
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【N社・一般事務】
年間休日数:89日 年間出勤数:276日 1日の保育時間:9.5時間 年間の保育時間:9.5時間×276日=2,622時出勤 1ヶ月出勤数:276日÷12カ月≒23日 1週間出勤数:23日÷4週≒5.75日 1ヶ月の保育時間:9.5時間×23日=218.5時間 1週間の保育時間:9.5時間×5.75日=54.6時間 fa-arrow-circle-right1カ月の出勤日数が約23日で、子どもを218.5時間預けることになる
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結果、N社の方が勤務日数が多く子どもを保育園に預ける日数も多いけど、子どもと関われる時間はN社の方がたくさん設けられるってことが分かりました。子どもと関われる時間を優先したところ、N社を就職先に選んだ結果となりました。
子持ちママが遠方の職場に勤務した場合のデメリットってどんなこと?通勤時間が1時間以上かかる職場に勤めたママが思いを語ります。子育て中の転職で、勤めたい会社が遠い場合で悩んでいる方は是非参考にしてくださいね。
最後に
最後に私がN法人を選んだ理由は、子どもと関われる時間を優先したこと、主任保育士の「保育園で預ける母親の声」「保育園に預けられる子どもの声」の真実を聞いて、納得したからです。
そのことを、他のこども園の保育士に伝えた時にこう言われました。
保育士は、子どもが長時間保育園にいて可哀そうって思うけど、親は働かないといけないからそんなことを直接お母さんには伝えにくいものだよ
働くママは、子どもを保育園に預けて働くことに何かしらの思いがあるから、「保育園に預けて可哀そう」なんて言われると心が苦しくなっちゃいますね。O法人は子育てに積極的で子育てママが働きやすい「子育てホワイト企業」ですが、最終的にママが優先した条件は「子どもとの時間を大切にしたい」という思いでした。
1)子育てしやすい職場
2)勤務日数・福利厚生・制度の充実
3)通勤距離・通勤時間
4)叶えたい「子育て」ビジョンを実現できる会社
それから、転職先を決めたもう一つ大事な条件は、ママがやってみたい仕事であるかどうかです。「子育てしやすい会社」に勤めるために、何を優先するかで悩むママも多いと思います。最終的にどうするかを決めるのは、ママ本人なので、じっくり悩んで後悔しない子育てと働き方が叶うといいですね。
実は、N社に入社を決心したママは、なんと入社2日で退職(辞退)してしまいました。N社に入社して想定外の問題が発覚してしまったのです。
おしまい。