椿の「病害虫・葉の変色・蕾の異変」総まとめ-症例写真で原因を知る-

生垣や観賞用である椿(ツバキ科)は比較的強い樹木として病害虫には無縁のように感じられますが、椿に待ち受けている病害虫は多くあります。常緑樹のため1年中葉が繁っていますので、病害虫の被害にあった葉は生理的現象で枯れたり落ちない限りそのままの状態で外観や生育に支障を及ぼします。今回、椿の病気、害虫、葉の変色、蕾の異変など被害を受けやすい症状を写真を載せ名称や原因をご紹介します。

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病気

白藻病

  • 原  因:藻の仲間(藻類)
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:5~6月
  • 発病適温:―
  • 予  防:―

白藻病(しろもびょう)は、葉に小さな病斑が多数現れ、次第に放射状に円形で灰白色~灰褐色の斑紋(水滴のような跡)を形成します。雨季の時期に発生しやすい特徴があります。発病した葉は長く残るため、摘み取り、落ち葉も集め処分します。

炭疽病

  • 原  因:糸状菌(かび)
  • 伝  染  環:降雨時の跳ね返り
  • 発病時期:4~11月(主に6~9月)
  • 発病適温:15℃~25℃
  • 予  防:風通しを良くし、高温多湿を避ける
炭疽病(たんそびょう)は、円型・紡錘形の褐色斑点が形成され、内側は灰白色となり多湿下では小黒点を多数生じ、病斑には同心円状の輪紋を伴うことがあります。胞子は冬になると病斑の中や土壌で越冬し、翌春に再び増力して雨などにより伝染・感染します。病気の葉や枝は処分します。日当たりや風通りが悪かったり、湿度が高かったりすると発病しやすくなりますので、葉や茎の茂りすぎは剪定をして通気性をよくすることが予防策です。

花腐れ菌核病

  • 原  因:カビ(糸状菌)
  • 伝  染  環:空中飛散
  • 発病時期:晩秋~春
  • 発病適温:18~20℃
  • 予  防:風通しをよくし、N肥料の適量

世界中に蔓延している花の病気。蕾や開花中の花弁が褐色に変化して、花の寿命が短くなります。幹部は水で濡れ傷んだような茶色の斑点ができ、斑点が拡大すると白い綿のようなカビが生え、黒い塊(菌核)を形成します。菌核は土壌では4~6年生存できますので、菌核が形成されない段階、地面に落下しない時に処分します。葉が繁りすぎるのを防ぎ、窒素肥料を控えめにするのも予防対策。前年の花柄に発生した胞子が空気中に飛散して再度花に感染します。

その他

紋輪病 / もち病 / 斑葉病 / すすかび病 / さめ肌病 / ぺスタロチア病 / 輪紋葉枯病 / ツバキクロホシカイガラムシ / 小黒やに病

害虫

ロウムシ類

  • 原  因:―
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:4~11月
  • 発病適温:―
  • 予  防:難しい
ろう物質の頂部にはツノ状の突起がある特徴より、害虫名を特定するとツノロウムシ。5~6mmの大きさ。体中がロウ物質に覆われて葉や枝に固着しているので昆虫には見えません。排出物によりすす病を合併することがあります。6月に幼虫が現れ、年1回発生。成長の過程で足は退化しているため動くことはありません。未成熟の時には周囲に8つの突起があり、成熟と共に退化し丸みを帯びます。単独発生しているときは、プラスチックのヘラで樹木を傷つけないように取り除き処分します。

幼虫・イモムシ

  • 原  因:―
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:5~7月
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
葉の上に丸い糞があるときは、イモムシが食害をしていることがあります。糞の上や周辺の葉の表裏を確認すると、幼虫がいることがあります。取り除き処分するか殺虫剤を散布します。

チャドクガ

  • 原  因:成虫が飛来して産卵し幼虫がふ化する
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:年2回
  • 発病適温:―
  • 予  防:成虫が飛来してくるので困難
ドクガ類の幼虫は毛虫。褐色の幼虫は老熟するまで集団で行動し葉を食害し十分に育つと分散します。幼虫の毛には毒があり、触ると痛痒くなります。脱皮した殻にも毒があります。チャクドガは樹木の風通しを良くすると飛来してこない傾向もあります。年2回の発生で卵で越冬し、幼虫は6~9月頃まで食害します。写真は2歳幼虫。食害後、繭をつくり蛹になり、脱皮後の脱け殻は葉の裏に散在しています。幼虫は殺虫剤に弱いため散布すると効果があります。発生初期の5月上旬と8月上旬の幼虫は葉裏に集団でいるので葉の裏側に向けて噴霧します。

アブラムシ類

  • 原  因:成虫の飛来
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:―
  • 発病適温:―
  • 予  防:窒素肥料の調整
蕾にびっしりと着いたアブラムシ。葉や新芽、葉芽に付き、集団で吸汁するため生育に影響がみられしおれることがあります。メスの成虫が卵を生まず幼虫を産み落とすので短期間で個多数が増加します。アブラムシが付着している葉や周辺の葉はアブラムシの排出物でテカテカ光っている場合があり、排出物を狙って蟻がいることがあります。アブラムシを媒介して他の病気を引き起こす可能性がありますので殺虫剤を散布します。

バッタ(アオマツムシ)

  • 原  因:―
  • 伝  染  環:飛来
  • 発病時期:7月頃
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
7月ごろから葉の表の葉肉を削り取り、食害がひどい時は周辺の10枚ぐらいに灰褐色の食害跡を残します。食害された部分は茶色く変色します。このように葉肉を外食されている害虫はバッタの割合が大きいです。

その他

アオバハゴロモ / チャミノガ / チャハマキ / ネコブセンチュウ(ネマトーダ) /  チャノミドリヒメヨコバイ / カンザワハダニ
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葉の変色・枯れた

葉の世代交代

  • 原  因:葉の世代交代
  • 伝  染  環:―
  • 時  期:3~5月
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
3~5月頃に椿の新芽が伸び始めている一方で、葉が茶色や黄色に変色し枯れていくことがあります。これは病気や細菌性が原因ではなく、樹木自身が必要としない、いらない葉を自ら枯らしています。枯れが進むと手で簡単に取り除くことができます。基本は自然と枯れ落ちるのを待っていても大丈夫です。

日焼け

  • 原  因:長時間による強い直射日光
  • 伝  染  環:―
  • 時  期:7~9月
  • 発病適温:―
  • 予  防:遮光する、鉢植えの場合日陰に置く
椿は葉に光沢があり分厚いクチクラ層が形成されています。水分の蒸発を防ぐ役割がありますが、長時間による強い直射日光を浴びるとクチクラ層のバリア機能が弱まり、葉が茶色く変色します。日焼けをした葉が元の緑色の状態に戻ることはありません。日焼けをしたかなと思ったら、地植えの場合遮光ネットをするか、鉢植えの場合は少し日陰になる場所に移動させます。

一部の枝の葉が枯れた

  • 原  因:枝が細くて弱かった
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:―
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
一部の枝だけ葉が枯渇し落ちてしまうことがあります。これは椿の生理的自然現象の一つで、その枝が他の枝より細かったり、貧弱だったり弱かったことが原因で樹木にとって葉の維持ができないことが原因です。新しく葉芽がでる可能性が低いことた細い枝は花付きが悪いため、必要な箇所で剪定をします。

キズ

  • 原  因:葉の擦れ合い、食害
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:―
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
若葉・新芽に大きめのキズができてしまった場合、その葉は将来大きく葉を広げることは難しいです。途中で枯れる可能性があります。

蕾の異変

蕚の変色・枯れた

  • 原  因:種子が必要ない
  • 伝  染  環:―
  • 発病時期:―
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
全ての蕾が開花して欲しいと願うものですが、まだ苗木が小さく若かったり、蕾がついている枝が弱かったりすると病気や害虫に関係なく、樹木の生理現象の一つで枯れてしまいます。

スギタニモンキリガ

  • 原  因:蛾の産卵による被害
  • 伝  染  環:成虫の飛来
  • 発病時期:―
  • 発病適温:―
  • 予  防:―
蕾に小さな穴が開いている理由はスギタニモンキリガという蛾(昆虫)が産卵し、ふ化した幼虫が食害をしたことが原因です。開花しても花の中身が食べられているため、本来の花の原型を見ることは難しいです。途中で枯れてしまうことがほとんどです。

スギタニモンキリガの詳しい情報を別記事でご紹介しています!

最後に(まとめ)

椿には多様な病気や害虫の天敵がいることが分かります。その中で、一輪の美しい花を年に一度だけ開花できることは奇跡とも言えます。椿や樹木独特の生理現象で葉や蕾を枯らすこともあります。葉に黒斑がついていたら病気かなと思うこともありますが、赤色系統の椿の葉にはその品種が持つ特性として黒斑が見受けられることもあります。
追加情報を随時更新していきます!
おしまーい。
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