出産後退院までの間、助産師さんが毎日検査をしている一つに「新生児黄疸」があります。母子同室で赤ちゃんの様子を感じていると違和感があり、新生児黄疸であることが分かりました。生後3日(母子同室2日目)に助産師さんから「黄疸」が出ているかもしれないと指摘され、光線治療を行うことに。黄疸の特徴、ビリルビン値が高くなる原因、光線治療、黄疸が出ている時の赤ちゃんの様子や症状、黄疸値の変化・基準値等の経過記録です。
目次
黄疸の特徴
新生児黄疸は、漢字のごとく「黄色」に肌や白目部分が帯びて見えることから「黄疸」と呼ばれています。肌や白目部分を黄色く見せている原因は「ビリルビン」という物質です。黄疸計もしくは血液検査で測ることで把握できます。ビリルビンの作用については後程、ご説明しますね。
●赤ちゃんの様子・症状
冒頭で述べた赤ちゃんのお世話をしている中で感じた「違和感」は、次の3つでした。後から、助産師さんから教えていただいた「黄疸の赤ちゃんってこんな様子」に該当していました。
②便がでない、少ない
③肌が黄色みを帯びている
(白目が黄色)
黄疸が出ていた赤ちゃんの様子を具体的に記載します。
① 泣かないでよく寝ている
新生児は生まれたての可愛らしい産声で3時間おきに泣いて母乳やミルクを欲しがることが基本ですが、黄疸がある赤ちゃんは泣かずによく寝ている傾向があります。
母子同室1日目で感じた違和感、その1は「赤ちゃんが泣かない・起きない」ということでした。満腹になるほど母乳を飲んでいるわけでもなくミルクを足したとしても、もうそろそろおなかをすかせて泣いていい時間帯なのに、ぐっすり眠って起きない赤ちゃん。新生児はよく寝ますが寝すぎではと不安になるぐらい寝ていました。
生まれたての赤ちゃんは真ん丸抱っこが落ち着くので
おくるみやバスタオルで包んであげると安心します
(このまま4~5時間寝ています)
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原因
黄疸でよく寝ている理由を調べましたが、明確な回答は見受けられませんでした。感じたことは寝ることで体力の回復をしている、もしくは黄疸で体調が悪くて寝てばかりいるのではと察します。新生児はよく寝ますので黄疸の症状の一つとして見極めるのは難しいのかな。
② 便がでない・少ない
違和感その2は「便がでない、量が少ない」ということ。新生児のお世話をするのは2人目でしたので、上の子の新生児の時と比較して、便の量や回数が少ないのではと疑問がありました。
原因
黄疸の結果、便がでなくなる、少なくなるわけではないです。黄疸の原因であるビリルビンという物質は便から排出されます。排便により体内のビリルビンを体外に出しています。便がでない、少ないということはビリルビンを体の外に出すことができずに結果論として体内に滞留しているということになります。
③ 肌が黄色みを帯びる
違和感その3は「肌が黄色味を帯びている」ということでした。全皮膚が黄色みを帯びているわけではなく、眼や耳の周り、鼻の上など一部の肌が黄色みを帯びていました。黄疸では目の白い部分が黄色くなる症状が現れますが、目までは黄色味を帯びていませんでした。
原因
肌が黄色に見えるのはビリルビンの「黄色」が原因です。皮膚の黄色味は、顔から始まり、胸、おなか、ふともも、脚へと広がります。
ビリルビン値が上がる原因
新生児黄疸の原因であるビリルビンは血液の赤血球に含まれています。具体的には赤血球に含まれているヘモグロビンが破壊され、ヘモグロビンがビリルビンに変わります。
赤ちゃんがママのお腹の中にいる間、薄い酸素環境下で効率よく全身に運ぶために赤ちゃんは大人より赤血球が多いことや一方で赤血球の寿命が短いんです。出産から数日間で、壊れやすい赤血球が破壊されたり、寿命がつきることで大量の赤血球が破壊され、比例してビリルビンが出てきます。そのため、赤ちゃんの血液中は短時間でビリルビン値が高くなります。赤ちゃんがお腹から産まれて外の環境で生きていけるために、赤血球が適応していく過程(寿命が長い赤血球に入れ替わる過程)としてビリルビン値が上がってしまうとのこと。
ビリルビンは肝臓を通り、腸で形を変え一部は体内に再吸収されますが、一部は大腸を通じて便として排出されます。新生児の便の色が黄色のはビリルビンが排出されている色です。ビリルビンの排出が少ない便は白色になる傾向があります。
赤ちゃんがママのお腹で過ごしている時、ビリルビンは臍の緒を通じてママに捨ててもらう必要があります。胎児の時は、腸にいきついたビリルビンの大部分を再吸収するというしくみがあり、生まれてからもその仕組みが残っているため、ビリルビンが便に排出されにくく赤ちゃんの体内に再び戻ってしまうことや消化器官系の機能が未熟のため、その結果、ビリルビン値をさらに高めてしまうようです。
fa-asteriskビリルビン値が高くなるのは、生後4~5日がピークでその後、自然とよくなっていきます。
⇒お腹の中の薄い酸素を体内に運ぶために赤血球の数を多くして効率よく運んでいる
② 赤血球の寿命が短い
③ 消化器系が未熟のため排出が追いつかない
⇒ビリルビンは便で排出されるが消化器官系が未熟で、かつ胎児のビリルビンの再利用機能が残っていて体内に留まってしまうため
fa-asterisk新生児黄疸によるビリルビン値は、生後4~5日でピークに達する
(本記事ではABO式血液不適合による黄疸、母乳性黄疸、胆管閉塞症の内容は割愛させていただきます)
治療
●診察を受けて
退院1日前(生後4日)の時に黄疸計の測定で基準値近くの黄疸値が出たため、追加で血液検査を行い、医師より「光線治療」の指示がありました。
生後4日の測定で基準値18mg/dlに対して黄疸値16.8mg/dlでした。
光線治療
医師の診察を受けてすぐに赤ちゃんは助産師さんに引き取られ、光線治療24時間を受けることになりました。基準値を超えていませんが、主治医の判断で光線治療を行うことに。
目隠しをしてオムツ1枚の赤ちゃん
光線治療中
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翌日、光線治療が終わり血液検査の結果、黄疸値は9.8㎎/dlまで下がっていました。母子一緒に退院を迎えることができました。
黄疸治療中の授乳トラブル
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助産師さんは乳腺の位置を探りながら絞り方のコツを熟練されているので、絞り出せなかった母乳がたくさん出てきます。
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退院後の様子と症状
新生児の1日のサイクル
光線治療を終えた当日の午後に母子で退院ができたことはよいことでしたが、退院してしまったので赤ちゃんに何かあったときにすぐに対応ができないことや助産師さんだからこそ分かる赤ちゃんの異変に気付いてあげられない日を過ごすことに。
光線治療を受けた当日・翌日の新生児の1日のサイクルは入院中、黄疸が出ていたときとほとんど同じ症状・様子でした。違ったことは便を少しずつできるようになったこと(排便量が入院時と比較して少し増えたこと)と授乳間隔が長くても4時間空くことが1回/日程度あるぐらいで、よく寝ていることは変わらずでした。
さらに退院して2日目に赤ちゃんの臍の緒が取れてジュクジュクしている事態に。。
黄疸値がリバウンドしていないか心配だったのと臍の緒の処理を何かした方がよいのではと疑問だったので、出産した産婦人科に相談をすることにしました。
fa-asterisk1ヶ月健診までの赤ちゃんの相談ごとはまずは産婦人科に連絡をして大丈夫です。1ヶ月健診後の診察は小児科になります。
退院2日後受診・半月健診(黄疸値測定)
退院3日目に産婦人科に出向き、黄疸値を計りました。光線治療を受けてから3日目(7日齢)の黄疸値は、頭部10.6㎎/dl、胸部9.8㎎/dlで基準値以下でした。この時、便の色もチェックするためにオムツも持参して助産師さんに確認していただきましたが、新生児は「黄色の便」を排出するため健康とのことで一安心でした。
半月健診で赤ちゃんが生まれてから2週間後の黄疸値の測定をしました。光線治療を受けてから11日目(15日齢)の黄疸値は、頭部6.2㎎/dl、胸部6.4㎎/dlで基準値以下で日に日に黄疸値が下がってきていました。
fa-asterisk黄疸値は生後4~5日でピークに達し、光線治療後はリバウンドせずに基準値以下となり下がっていく傾向でした。今回の黄疸は、一般的に言われる新生児黄疸(生理的黄疸)であることが分かり、心配しなくても大丈夫という結果になりました。
治療費
入院中の黄疸治療費は、赤ちゃんの保険証の用意ができてからのお支払いで大丈夫のようです。
どのくらい治療費がかかったか、分かり次第投稿しますね。
*追伸情報*
遅くなりましたが、黄疸治療を24時間(2日間)行い、保険対象で総額9,300円(込)でした。そのうち、7,000円分の公費一部負担金がこども医療費助成制度で戻ってくるようです。
最後に
(黄疸値の変化・基準値)
最後に、日齢における黄疸の基準値を引用させていただきます。
最初に黄疸値の測定をした赤ちゃんの日齢は4日でした。上記から入院をした産婦人科の助産師や主治医も光線治療の黄疸値「18mg/dl」を基準にしている根拠とのこと。光線治療を行うことで黄疸値はリバウンドすることなく、基準値以下となりました。
入院中から退院後、さらに半月健診で計った黄疸値の変化を表にしました。
半月健診が終わった頃には、3時間おきに赤ちゃんらしい声で泣くようになりましたよ。
新生児黄疸はそこまで心配しなくても大丈夫でした。産後は心身ともに休養してくださいね!
おしまーい。