開花を約束!「花芽の分化」を促す9・10月の紫陽花の育て方

日差しが弱まる秋の季節は、紫陽花が過ごしやすい気候です。気温が下がり落葉を始めるまで紫陽花は休眠の準備を始めます。休眠に向けて植物体内では「花芽の分化」の準備をし始め、この花芽の形成が来年の開花を左右します。芽分化の準備期間である9月、10月の紫陽花の育て方をまとめます。

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9月の育て方

枝の充実をする

9月は来年の開花にむけて準備を始める時期です。10月から花芽の分化が枝の内部で起こるので、9月は夏の暑さで弱った株の回復や枝の充実をしていきます。日差しが弱まる9月中旬頃から日光によく当て光合成を活発に行い、紫陽花にたくさんのエネルギーを蓄えられるようにします。

9月は猛暑の疲れを癒し、芽分化に向けて体力をつけてあげよう!

日当たりの良い場所で育てる

9月中旬頃、夏の日差しも和らぐのでそこまで遮光を気にせずに日当たりのよい場所で育てることができます。光合成を十分にすることでエネルギーを蓄え、芽分化を促すとともに冬の寒さに耐えられる株に仕上げることが目的です。8月の猛暑も終わり涼しくなるのが待ち遠しい時期ですが天候次第では9月上旬まで暑い日中が続きますので引き続き長時間の直射日光は避けるようにします。日差しが気になる方は半日陰で育てても問題ありません。この時期に水枯れや葉焼けをしてしまうと葉が傷んでしまい、光合成ができず細く弱い枝になってしまうので土の表面が乾燥したらたっぷり水を与えます。

追肥(液肥)を与える

鉢植えで育てている場合は追肥をします。速効性がある液体肥料(≒液肥)を10日に1回ほどのペースで施します。速効性肥料は別名:化学肥料と呼ばれ植物にすぐに吸収され、灌水時に流失しやすいため持続期間は約1週間です。肥料の効果が短く肥培管理がしやすいため休眠期にはいる紫陽花に適しています。撒いて徐々に効き始める遅効性肥料や肥料の持続期間が長い緩効性肥料は休眠や落葉ではなく葉や芽を伸ばそうと生育を盛んにしてしまいますので紫陽花の生育サイクルを狂わせてしまいます。地植えは、基本的に肥料を施しませんが与えてもよいです。

病害虫から頂芽を守る

気温の低下や空気の乾燥が原因でうどんこ病が発生しやすくなります。8月の強い日差しで葉が日焼けをして炭疽病が発生した状態だと9月になっても病気の進行が進み葉の被害が続く場合があります。その場合、9月に殺菌剤を散布してもあまり効果が見られないことが多いため、葉が落ちるまで待ち落葉したら葉を拾って焼却するか袋にまとめて徹底的に除去し、芽分化して形成された冬芽に細菌が感染するのを防ぎます。

その他

植替え
9月中旬までは植替えができる時期になります。植替えで根をキズつけてしまっても落葉する冬までに根が伸びてきますので根や株を修復がまだ可能な時期です。必要に応じて、一回り大きな鉢に植替えをしてあげるのも根詰まりの解消やミミズの除去ができ、紫陽花を元気にすることができます。

挿し木
9月中旬~下旬は挿し木ができる時期ですが、5~6月の挿し木とは比べて手間暇かけた管理が必要です。挿し木をしたら10月まで軒下に置きます。11月以降は、昼は屋根のある野外もしくは無加温の窓側(光が差し込む明るい場所)に置き、冬を乗り越えます。夜は室内もしくは玄関に入れてあげます。冬場は乾燥しますので表土がかわく前にたっぷりと水を与えましょう。親株から挿し枝を切ってしまうと来年開花するための花芽まで摘みとってしまうため、できる限り控えるとよいです。

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挿し木もう少し寒くなってから休眠挿しをすると来年開花する苗を育てることができます。休眠挿しは芽分化後の冬芽ができた枝を剪定して挿し木をします!

剪定
花芽ごと切ってしまう可能性もあるので剪定はしない方がいいです。剪定をしたい場合は、1月~2月がよいと言えます。この時期になると形成された冬芽が一目で分かり、弱く細い枝は枯れてしますので剪定すべき枝が分かりやすいです。強剪定もこの1~2月にできます。

 

10月の育て方

花芽の分化が枝内部で進む

朝晩冷え込むようになる10月頃、気温が15℃以下になると紫陽花は穏やかにストップさせ、枝内部の芽分化をより一層、促し進めていきます。花芽の分化は12月頃まで続き、1月には一目瞭然冬芽が確認でき、2月下旬には冬芽から葉が少しずつ出てきます。

10月は葉や枝の成長ではなく芽分化に集中できる環境を整えてあげましょう。

日光に当て光合成を十分にする

10月の日差しはだいぶ和らぎ、日照時間も短くなっていきます。紫陽花は日当たりのよい場所で管理し十分に日光にあてます。

追肥はしない

芽分化を始める時期は、肥料は施さないことが栽培のポイントです。この時期に肥料を施すと枝や葉だけを伸ばし、新しく伸びた枝は気温が低くなるため硬く締まることができずに冬の寒さや北風で乾燥し枯れてしまいます。10月に入って伸びた枝は冬の寒さで傷みやすくなり、特に厳寒期に枝が割れてしまうことがありますので、10月は肥料を施さないようにします。9月に粒上の肥料を撒いて残り粒がたくさん残っていれば取り除いてあげると安心です。

その他

植替え
基本、植替えをしません。寒くなり根の成長も停止もしくはゆっくりになっています。植替えでキズついて根が回復せずに、枯れ込みの原因になってしまいます。

挿し木
挿し木ができるけど枯れることもあり、頂芽には花芽の分化が進んでいるので剪定をしてしまうとこれから形成されるはずである花芽まで摘みとってしまいます。

剪定
9月同様に、花芽まで剪定してしまうので行わない方がよいです。

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最後に(まとめ)

9月と10月の紫陽花の手入れについてです。

9月の育て方

8月猛暑の疲れやストレスを癒す月
充実した枝と株をつくる

光合成をよく行う
→上旬は遮光を意識しつつ日光に当てる
→中旬から直射日光に徐々に当てる
→下旬は十分に日光に当てる
水枯れや葉焼けに注意する
肥料を施す
→液肥を7~10日に1回施すとよい

 

10月の育て方

枝の内部で芽分化が進む(15℃以下)
光合成を十分に行う
肥料は施さない

 

 

夏が終わったら、紫陽花は来年の春にキレイな花を開花するための準備をコツコツを進めていますので、紫陽花の生育状態の今を知って、育ちやすい環境づくりができるといいですね。

おしまーい

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