手足口病の発疹が引くと、後遺症の一つに爪が変色して剥がれることがあります。爪が剥がれる人もいれば剥がれない人もいます。今回、手足口病に感染したその後の症状として「爪の剥離」についてまとめました。(大人と子どもの剥離し始めた爪の写真をアップしていますので、見たくない方はスルーしてくださいね)
爪が剥がれる理由
原因は、コクサッキーウイルスA6
手足口病の病原体に、コクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型など約10種類挙げられます。特にコクサッキーウイルスA6感染による手足口病では、発症後数週間を経て爪が剥離してしまいます。コクサッキーウイルスA6が爪の根元に感染することで、水膨れを作り、正常な爪が作られにくくなるからです。この時に作られた爪が徐々に伸びてきて、時間の経過とともに爪が皮膚から浮き、剥がれてしまうというわけです。
爪が剥がれ始めるサイン
手足口病の発疹が目立たなくなった数週間から約1ヶ月経つと、爪が剥がれ始めることがあり、爪が剥がれ始めるときは、見た目で一目瞭然です。
①爪が横に割れ初めている
②二枚爪になっている
③爪が不自然に浮いて色が変色している
子どもの爪が剥離した経過
【発症36日目】二枚爪・浮いている
手足口病を発症してから約1ヶ月が経つころに爪が剥がれ落ちるサインがありました。我が子の足の親指の爪は、一部二枚爪になって白っぽく浮いていました。
【発症51日目】爪が浮いた
爪が伸びてきて、割れ始めた箇所がだいぶ上の方になっていました。そして、割れている爪が皮膚から完全に持ち上がり、手でつまめるぐらいになっていたのです。
【発症55日目】浮いた爪を切った
赤ちゃんの爪切りハサミで浮いている爪を切りました。本当は絆創膏を貼って、新しい爪に完全に生え変わるのを待った方がいいのですが、1歳の子どもは絆創膏がイヤで取ってしまうことがありますので、切りました。
【発症65日目】爪が再生し始めた
55日目で切った爪の痕跡が残っていますが、一面を爪で覆うまで再生しています。
【発症85日目】爪が完治した
手足口病から約2か月弱になると、後遺症で剥がれた爪も元に戻りつつあります。爪が反対にそねっているように感じますが、成長するにつれて治っていきます。
爪が剥離した子どもの様子
爪が二枚爪になった時は気にしていない我が子でしたが、爪が浮き出す時は親指が気になっている様子でした。器用に親指を持って割れた爪を触っていました。51日目で割れた爪を切ったのですが、その後は特に気にすることはないようでした。我が子場合、左足の親指の爪が1カ所剥がれてから約30日間でほぼもとに爪が戻り始めました。手足口病を発症してから約85日(約3か月)でした。
一般的に、ハサミで切らずに新しい爪が生えてきて古い爪が上に上がってくるのは待ってから、古い爪を切った方がいいので、爪が浮いたり剥がれそうだったりしたときは、新しい爪になるまで絆創膏を貼っておくとよいでしょう。
一方で、旦那様の爪がどうなったかというとこれからお伝えしていきます(ここからは大人の爪甲剥離症をご紹介しますね。)
大人の爪が剥離した経過
手・親指の爪
【発症30日目】親指の爪が二枚爪・浮いた
右手指の付け根が二枚爪になり白くなっていました。爪の層が剥がれて始めました。手の親指の爪に異変がありました。けど、痛くもなく違和感もないので、ある日、爪を見た時に「なんだろう」と、爪の異変に気づきました。
【発症61日目】親指の爪が伸びてきた
日に日に、二枚爪になって割れ始めた箇所が上に上がってきました。割れの大きさはさほど変わらず、広がることもない感じです。爪が剥離したときに、爪の表面が凹んでいました。
【発症70日目】割れた爪に物が引っかかった
爪の途中が割れているため、爪切りで切ることもできずに絆創膏を貼り、爪が入れ替わるのを待つことにしました。
手・中指の爪
【発症65日目】中指の爪も割れてきた
爪が割れてそのままにしていたので、汚れが入って黒ずんでしまいました。お風呂に入っても爪が割れた隙間をキレイに洗うことができないので、ずっと爪色が変色している感じで、気持ち悪いです。
【発症108日目】中指の爪は完治に向かう
65日から約40日後になると、爪の剥離やひび割れも、爪の成長過程で上の方に移動してきました。あともう少しでひび割れた爪が爪切りで切れそうです。
足の小指
【発症65日目】小指の爪が剥がれそう
では、足の小指はというと…。ママがパパの足の小指がぶつかった時に小指の爪が剥がれました。まさかここまで爪がいきなり剥がれるとは思っていませんでした。
血豆に気づいたのは、小指の爪が持ち上がった時でした。爪の表面からこの血豆が見えていませんでした。この段階になっても爪の左側はまだ身と爪と一緒になっていて痛くて自ら爪を剥がそうとすることができません。
【発症75日目】小指の爪が完全に剥離した
爪は取れてしまいましたが、爪の根本には新しい爪が少しだけ顔を出していました。
小指の爪が剥がれて取れてしまったけど、ちゃんと爪が生えていました。
【発症108日目】小指の爪が再生した
剥離した爪では新たな再生が始まっているようです。爪が生えているっていうイメージがありませんが、その層みないなものが「爪」みたいです。
爪が剥がれた時の対処症
自宅でできること
新しい爪が生えてくるのを待つしかない
手足口病で爪が剥がれるとき、ほとんど痛みがありません。しかし、剥がれるとき、一部の爪が剥離するのでまだ身に根付いている箇所もあります。そんな中途半端な状態で爪を無理やりはがそうとすると痛みがあります。そのため、古い爪が浮いてきても無理やりはがさずに、新しい爪が生えてくるのを待つことが大切です。
絆創膏で保護する
爪が剥がれて完治するまでの理想は、新しい爪が伸びてきてから、古い爪がはがれることです。このような場合は、一般的に特に何もする必要はありません。しかし、新しい爪が伸びる前に古い爪がはがれてしまった場合は、皮膚がむきだしになってしまうので、絆創膏などで保護すると皮膚に傷ができて、そこから細菌が入ることを防ぐことができます。
絆創膏をしないと、靴下の中で浮いた爪が靴下に引っかかり、激痛がはしります。まさにタンスの角に小指をぶつけた時のような衝撃。絆創膏をすると爪が引っかからないので普通に歩けます。
保湿をする
爪が浮くと割れやすくなります。爪が割れる原因の多くは乾燥なので、ハンドクリームや爪用のオイルを使って保湿をするとよいと言われています。
絆創膏を嫌がらない子どもの場合、浮いたり割れたりした爪をひっかけてしまい、痛みを感じることもありますので、割れた爪をひっかけないように指先用の絆創膏で保護してあげましょう。
皮膚科を受診するタイミング
手足爪病が原因の爪のはがれは、新しい爪がはえて自然に治ることがほとんどです。
しかし、次のような場合は皮膚科を受診しましょう。
爪が剥離するときに痛みがある
爪の根元や周りが赤く腫れ、痛みがある
古い爪が早くはがれ、化膿がみられる
病院では、痛みをやわらげる薬や、化膿していれば抗生物質などが処方されることもあります。
最後に
手足口病が原因で爪が剥がれた場合、痛みはなく新しい爪が生えてくるのを待つことが一番よいとされています。しかし、痛みや腫れ、化膿が見られるときは皮膚科を受診しましょう。爪が浮いたり、割れたりしたときや新しい爪が生えずに古い爪が剥離した時には細菌感染予防のために絆創膏をして保護してあげます。爪が完全にもとに戻るには半年から1年と言われているので、気長に待つしかないです。ちゃんと、元に戻るので大丈夫ですよ。子どもと大人の爪の状態から判断して、爪の変色や剥離においても子どもより大人の方が、症状が悪化し治りが遅いと感じます。
皆さまの症状が早く良くなりますように。
おしまい。