子どもが保育園に通うけど「保育園に行きたくない」と前兆がある時、母親は子どもとどう向き合えばよいのかをお伝えしたいと思います。「子どもに、保育園に楽しく通って欲しい」と願うその思いが叶い少しでも解決できる記事になると嬉しいです。
長文なので目次より必要なタイトルを探して、読み進め下さいね
子どもの思いを察知する―親の傾聴力
まず、子どもが保育園に行きたくないのではと親が察した話題をお伝えしますね。
子どもが「明日は、保育園なの?」とママになにげなく質問してきたんです。
保育園に行きたくないのかなと想定しつつも「明日は、保育園だよ」と伝えると、あっさり「そうなんだ~」と納得した感じでした。そのままの雰囲気で「明日も保育園だから頑張ろうね」と話すと、子どもは「はーい」と気持ちのよい返事をしていました。
事の始まりはいつだって子どもが伝えるメッセージからなんです。少しずつ意志を伝えられる年齢になると子どもの一つ一つの言葉には意味と伝えたい思いがあり、その言葉や会話に現れますので親は敏感に察しキャッチしてあげる必要があります。子どもが気にかけている思い(何かしらの前兆)をそのままにしてしまうと、負の現象として子どもにダメージを与えてしまう可能性もありますので早めの対処が必要です。何気ないこの会話から察することを分析してまとめますね。
母親の傾聴力-子どもが伝えたいこと-
①保育園に行きたくない思いがある
②保育園に行きたくない理由がある
③保育園で何か行き詰まりがある
④子どもにとって不完全燃焼の何かがある
⑤子どもが思い感じる何かが保育園で起きているもしくは存在する
子どもが伝えた「明日は保育園なの?」というたった一つの質問に、母親は「保育園に対して何か思いがあるのかな?」と疑問になり、子どもがどうしてそう質問をしたのかを子どもに聞いてあげることが大事です。子どもはまだ自分の思いが上手に伝えられず練習をしている年齢なので母親がその思いを時間をかけて聞いてあげる必要があります。
さて母親のやるべきこと1つ目、それは「子どものお話をしっかり聞いてあげること」です。では、具体的にどうすべきなのかをまとめていきますね。
子どもの話を聞く―質問のコツ
「子どものお話を聞いてあげる」ためには、第一に「お話を聞く場の設定」をすることが必要です。子どもが落ち着いて自分の気持ちを伝えらえる環境を用意し、そこで母親が問いかけるように優しくお話をしてあげる流れで始めます。
多様な事に興味がある子どもは気が散乱したり、集中力が欠けたりとその時の心情にもより、落ち着いてお話ができなかったり言葉のキャッチボールやコミュニケーションが成り立たない場合もあります。子どもの落ち着く時間帯やお話ができる状況を母親が察して「いつもこの時ならお話を聞いてくれるという環境(時間や場所)」を見つけ知っておく(日々確保しておく)必要があります。その時・その場を活用して、母親は子どもの気持ちを聞いてあげると子どもは母親との会話に集中してくれます。一つ一つの質問に子どもは自ら考えながら思い出し答えられるようになってきます。
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子どもに「明日は、保育園だけど行きたくないの?」と問いかけてみましょう。すると、子どもは「うん。行きたくない」もしくは「保育園、楽しい」、「分からない」と正直に答えてくれることがほとんどです。ここで、子どもが保育園に行きたくないと意思表示をしたら、母親は「どうしていきたくないの?」という漠然とした質問より、具体的に一つずつ質問で確認をしていきます。
具体的に例を挙げて質問する
「お友達と喧嘩したの?」
「給食がおいしくないの?」
「おもちゃが楽しくないの?」
「保育園の雰囲気がイヤなの?」
「先生がイヤなの?」
「先生が怒ったの?」
すると、子どもは自分の思いや原因はこれだ!を母親の質問から見つけ出し、教えてくれます。
母親の一つ一つの質問に「違う」と返事をしつつ、最後の質問に対しては「うん。先生が怒ったの!」と返してくれました。そこからは具体的に「怒った」に視点を当てて質問していきます。
「どの先生が怒ったの?」
―「○○○先生!○○○先生は怒りん坊なの!すぐ、怒るの」
「誰に怒ったの?」
―「私に怒ったの!」
「どうして怒られたの?」
―「分からない!」と話すのです。
少ししてから
―「○○くんがこうこうで私が~~したの。」
また、一間置いてから
―「どいて!って言うの」と、そのフレーズのみ話していました。
「それって、今日のお話?」
―「うん。今日のお話」と繰り返していました。
「いつも怒るの?」
―「うん。いつも怒っている」と教えてくれます。
「みんなに怒るの?」
―「うん。みんなに怒るの!」と感じていることを話してくれます。「そうなんだね。怒られて○○ちゃんは、嫌な思いをしたんだね。明日、ママが先生にお話を聞いてみてもいい?」と伝えると
―「うん。いいよ」と話してくれました。
子どもがこれだけの内容量をお話してくれれば、子どもが保育園に行きたくない何かがあったことが想定できます。(ちなみに、家では「怒りん坊」という言葉を使ったことがないので、保育園で子どもが覚えてきた言葉かな( ..)φ)
母親の傾聴力-子どもが伝えたいこと-
①子どもは先生に怒られたから、保育園に行きたくなかった
②怒られた理由が納得できていなかった
③先生と子どもの関係性が子どもの中で中途半端で完結していない
子どもは語彙力を身につけ始めていますが思いのまま上手に伝えられないこともあり、それ以上に子どもが意思表示の有無は保育園の環境(保育者の傾聴力のレベルの差)も影響していきます。保育者は一人一人その子どもに時間を作ってあげられるときもあればそうでもない時もあり、保育者によって保育の仕方や伝え方、接し方が違うので、一人の子どもにどのくらい蜜に関わり子どもの心に寄り添うことができるかというとと難しい場合があります。そのため、その空いた子どもの心を母親は埋めてあげられるほどのじっくり子どもと向き合う時間が母親と子どもには必要なのです。外の世界で起きることをこれから防ぐために、また親の目が届かない外の世界で子どもが受けた刺激を子どもの成長に一つ一つ結び付け社会で過ごしていくための手段を教えていくが大切で、それも母親の一つの役割なのです。
では、母親のやるべきこと2つ目は「保育園にその時の現状を聞く」です。子どもが話したことは、嘘偽りもないことで正しいんです。子どもに「それ本当なの?あなたが悪いんじゃないの?」なんて押し付けないようにしましょう。出来事の一連の流れを客観的に判断するには子どもではまだ伝えきれないところもあり、親としては実際はどうなのか気にしなければなりません。それでは、具体的にどうすべきなのかをまとめていきますね。
母親のやるべきこと3つ目は「保育園に、どうして怒ることに至ったのか子どもの様子を聞く」です。それでは、具体的にどうすべきなのかをまとめていきますね。
保育者に怒った理由を聞く―現状把握
子どもの思いを受け止め分ったところで、今度は保育園側に話を聞いてみます。子どもの送り迎えをするときに担任の先生もしくはそのときの保育者に当時の出来事を聞いてみましょう。親との関わりが薄い先生しかいないときは、担任の先生が居る時間帯に電話連絡でもよいでしょう。
保育園への確認内容の流れは大まかにこの4つです。
保育園との確認内容
①子どもが話した内容を伝える
②どうして怒られたのか子どもに伝わっていないこと
③子どもと振り返りをしたいこと
④そのため、当時起きた内容を教えて欲しい
実際に伝えた内容はこんな感じです。保育園の先生は時間差勤務で当時会えなかったので、お電話で伝えています!
子どもが「怒りん坊の先生がいるから保育園に行きたくない」みたいでご相談のお電話をしました。〇月〇日に○○君との関わり合いで何かがあったみたいで、その時に○○先生に怒られてしまったのかな?子どもが「どいて!って言うの」と言うのですが、何があったのかを教えて欲しいです。現状を把握した上で、子どもと振り返りをして、保育園でお友達と仲良く過ごせるように子どもに伝えられることがあれば伝えていきたいと思っています。
すると、保育園にお迎えに行ったときにその時、担当をされていた○○先生(怒った先生)より当時のお話がありました。
保育者が怒った理由-当時の状況-
帰りに御仕度の時間に、○○ちゃんが自分の棚から物を取り出そうとしたかったようで、そこに○○君(Bくん)がいたため邪魔で物が取れなかったみたいで、言葉で伝える前に手で払ってしまってBくんが泣いてしまったんです。そういうときは「どいて!」って言うんだよ。って話した件だと思います。帰りの時間だったので○○ちゃんとも十分に話ができなくて申し訳ありません。とのことでした。
保育園側のお話を聞くと、そういうことで先生は怒ったんだ!と理由が分かります。子どもが怒りん坊の先生のお話をする中で、「どいて!」と話したフレーズは子どもが発した言葉ではなく、先生が対処法として子どもに教えたフレーズであったことや友達とのどんな関り合いでそうなったのかなど分かってきます。
内心、子どもが「どいて!」と言った言葉の伝え方について保育者が指摘をいれたのかと思っていましたが、実は違ったみたいでした。
子どもとの振り返り―伝えたい躾
子どもの思いと保育園での一連の出来事も分かったところで再度子どもにお話をしていきます。保育園で起きたことは保育園にいるときだけの時間内で終わらし、その話題を家に持ち帰らなくてもいいことも多いですが、今回は子どもが「怒りん坊の先生がいるから保育園に行きたくない」と親に話をしている(思いを伝えている)ので、子どもの悩みや相談の一つとして母親は受け止め、子どもと一緒に振り返りをしていきます。
子どもに伝えることはこの2つです。
子どもに伝えたいこと(躾)
①先生が怒った理由
②こういう時、どうしたらいいのかの対処法
振り返りの時も、子どもの落ち着く時間帯やお話ができる状況を確保してから子どもにお話をしていきます。
「今日は、○○先生怒っていた?」と質問をすると
―「うん。怒っていた」と子どもは話をしていました。
「今日ね、ママ、先生にどうして○○ちゃんを怒ったのか聞いてみたの。あの日、○○ちゃん、早く帰りの準備をしたかったんだよね。だけど、棚の前にBくんがいて帰りの準備ができなかったら、手でドンってしてしまってBくんが泣いちゃったんだよね。そしたら、先生が駆けつけて、○○ちゃんにそういうときは「どいて!」っていうんだよ。って話したんだよね。」と伝えると
―「どいて!って言うの」と結論を話しました。
「○○先生ね、時間がなく上手に伝えられなかったんだって。○○ちゃんに、譲り合いや思いやりの心を持って欲しかったんだと思うよ。○○ちゃんの場所にB君がいたら、「どいて!」だとBくんもイヤな思いをして悲しいかもだからそういう時はまず「ちょっと、譲ってください」って伝えてみよう。」
―「はーい!」と返事をしていました。
「もし、○○ちゃんが「譲ってください」と言っても譲ってくれなかったら、手でドンってするんじゃなくて先生に「譲ってください。って話したけど譲ってくれない」と相談をしてみてごらん。」
―「分かった!」と答えていました。
「じゃ~、○○ちゃんの場所に誰かいてどいて欲しいときは何ていうの?」と質問をすると
―「ん~。分かんない」とケロっと話していました。
そういうときは「譲ってください」だよ。お友達にその場をどいて欲しいときは何ていうの?
―「ん―、譲ってください」はい!よくできました。
「譲ってください」って伝えようね。
このお話は3歳児に起きた話題です。3歳児からは記憶の定着が進んでいきますので言葉のよし悪しを伝え、意味や内容、伝え方を定着させ日常で使えるように練習(躾)をすることが必要で、これには反復学習が有効です。反復学習と言っても机に座って文字を書いて覚えていくのではなく、同じことを繰り返し伝えていく実践の場(母親との会話が一番、効果的)です。言葉としてどう伝えるのか、どんな音程で伝えるのか、どんなスピードで話すとよいのかなど生活の場(実践)を積むことで少しずつ感じ、実感し身に付きできるようになっていきます。
子どもが怒られたとき、「○○ちゃんがいけないから怒られたんだよ。」とか「また、何かしたんでしょう!」とついつい伝えてしまいがちですが、なんで先生がそう子どもに伝えたか(ここでは、怒ったこと)には、先生の思いがあって、子どもにこうあって欲しいという気持ちが含まれています。それを子どもに伝え、子どもが人の気持ちや思いを察してこれからの人間関係を築いていけるように、そして、何がいけないのかには、どうしたらいいのかが含まれていますので、そういうときはこう伝えるとスムーズに思いが叶うという術を、これから社会の中で人と人とが関り合っていく対人関係をどうクリアしていくのかを、少しずつ子どもに教えていく必要があります。
翌朝も保育園に行く前に、「○○ちゃん、お友達がいて通れなかったりどいて欲しい時は、なんて言うんだった?」と質問すると、「え~」と話していました。「ゆ、ゆ・・・ゆず・・・なんだった?」とヒントを挙げると、ちゃんと「譲ってください」って答えられるようになっていました。子どもは1回でできないことは当たり前なので、母親はゆっくり焦らず少しずつ刷り込みをしていきます。
子ども(脳)へのいろんな刺激は、未知の世界で新しい言葉を覚えることもまたと未知の世界に入っていくことと同じなんです。大人が英語を覚えるときも何度も何度も聞いて書いて、発音して、教科書を見てテストをして復習をして覚えていきますよね。子どもが日本語を覚えるのもそれと同じなので、母親は焦らず少しずつ子どもに寄り添って良い言葉、悪い言葉、嬉しい言葉、傷つく言葉など言葉の使い分けや思慮分別を子どもに伝える時間が設けることが大切です。
保育園との共有
子どもに伝えた内容を保育園側にも何かしらのフィードバックをしておきましょう。保護者から問い合わせがあったら保育園側や先生も気になってしまうこともあるでしょうし、どう保護者が思っているのかも気になることもあると思います。大切なのは、保育園側と家庭で子どもに伝える内容(今後の対応)を一致させ、これからの子どもとの関わり合いの共有化を図ることです。伝えることは子どもに話した内容そのままで大丈夫です。
保育園によってはアプリを活用して保護者との連絡ツールを確保しているところもありますので、そういうツールを活用しても大丈夫です。
これまでの経緯を踏まえて保育園に送った内容はこんな感じです。
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保育園側からしっかりとした返事が返ってきましたよ。
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最後に(まとめ)
大切なことは、母親は子どもの話をしっかり聞いて子どもが納得できるよう手助け・フォローをしてあげることです。保育園ではいろんな先生がいて、いろんなお友達と関わっていくので子どもが傷つき、悩んだりすることもあります。母親が子どもの心の声を拾ってあげ少し手を差し伸べてあげることで、子どもは社会性や協調性を身に着けていきます。
最後に、子どもに伝えてあげて欲しい言葉があるんです。
それは、「ママに、○○ちゃんの気持ちを教えてくれて、ありがとう。ママ、嬉しいよ。また、教えてね。」という言葉なんです。
そして、「○○ちゃんがイヤな思いや悲しいことがあったら、必ずママに教えてね」と伝えることなんです。
そうすることで、子どもは自分の気持ちをママに伝えてもいいんだ。伝える必要があるんだ。相談していいんだ。ママは気にしてくれているんだと少しずつママは相談相手。何かあったら助けてくれる人。と思い、子どもに何かあったときにすぐ相談をしてくれるようになります。
これは、子育てをしていく大事なことで、子どもを守ることにつながります。
子どもが外の世界で体験し経験したこと・嫌な事や何かしらの不祥事などは、子どもが母親に伝えないと母親は知ることさえなく時間とともに過去に置き去りになってしまいます。子どもが母親に伝えられる環境を作ることが、子どもを救える第一歩です。
おしまーい。