紫陽花は自ら花を落とすことができない植物です。秋まで花を残し変わりゆく花色を楽しむ秋色紫陽花として育てる方法と剪定をして来年用の開花株として充実させる2通りの育て方があります。今回は、来年用の開花見込み株としていつ、どの枝のどこの箇所を剪定した方がよいのかをお伝えします。
目次
花終わりの見極め方
紫陽花の最盛期が終わる6月頃に「開花後の剪定」を行います。冬にも剪定をすることから6月の剪定は第一剪定と呼ばれることもあります。
開花後に剪定をしないで長い間、花をつけたままだと新しく伸びる枝(脇芽)が充実せず適切な時期に芽分化ができなくなります。花が終わったら剪定を行い、株が栄養(エネルギー)を蓄えられるように手助けしてあげることが必要です。
紫陽花の花終わりのタイミングを知る方法として次の3つをご紹介します。
②両性花・不稔花が咲いたとき
③花色が変わったとき
➊ 装飾花が裏返ったとき(ガク紫陽花)
一番分かりやすい花が終わってしまった頃合いは、ガクアジサイの場合、装飾花が裏返ったときです。
装飾花が裏返っている
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備忘録として用語解説しておきますね。
❷ 両性花・不稔花が咲いたい時
ガクアジサイの花後が分かるもう一つは、両性花が満開を迎えた時です。ガクアジサイ・てまり咲きに共通する点は両性花が満開になったときです。両性花には雄しべと雌しべがあり、一般的に種子植物が形成する花なのです。紫陽花は両性花が受粉をして種を作ります。また、花弁(蕚片)の中心にある不稔花が咲いた時も花後の終わりと言えます。
両性花が開き始めている
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fa-asterisk不稔花(ふねんか)…花弁(蕚片)の中心にある。受粉をしない。
fa-asterisk花弁(蕚片)…花びらに見えるが蕚がおおきくなったもの。
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❸ 花色が変わったとき
「花色の変色」は紫陽花の花終わりです。多少色が変わったぐらいでもその花色の変化が好きで花を残してもう少し紫陽花を楽しみたい気持ちになりますが、数日後には花びらが茶色く変色をしてきますので典型的に「紫陽花の満開が終わってしまい、花終わり」と断定できます。
雨に当たってさらに花弁が茶色になった
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秋色あじさいとして色の変化を楽しむことができますが、雨が当たると茶色く変色してしまうことがあります。そこから細菌やウイルス感染をしてしまいカビや病気の発端となる可能性がありますので雨があたる野外で育てている場合は注意が必要です。
次に、剪定する枝の位置や注意点をお伝えします。
剪定する枝の位置
紫陽花は、今年伸びた新枝が冬になると、枝の先端に花芽をつけて来年開花します。そのため、今年伸びて新枝になるはずだった脇芽を切り落としてしまうと、来年は開花することができません。紫陽花は基本、開花後と落葉後の2段階剪定で株を整えていきます。第2章では、開花後の剪定する枝の位置や剪定時の注意事項をお伝えします。
剪定する枝の位置
花のついた枝の剪定(切り戻し)は、花の2節下に脇芽があるのを確認し、その上で切るようにします。花のすぐ下の節には芽がないので、そこを残して切ってもわき芽が伸びることはありません。
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もう少しコンパクトに株を小さくしたい場合は、元気な株は数個脇芽がでているので、紫陽花の背丈を決め脇芽の上でカットします。脇芽が残るように株を切り詰めるとよいです。
花後に紫陽花の挿し木に挑戦されたい方も剪定箇所は同じです。挿し木用に剪定をする場合は、できれば5月中に剪定を終わらして、挿し木にした方が発根後の発根し根回りがよくなります。関連記事をご紹介します。
剪定で注意すること
花が咲き終わったらなるべく早く剪定し、同時にお礼肥を与えます。切り戻しをして紫陽花の葉がなくなってしまったということがないようにします。
最後に(まとめ)
紫陽花が満開を迎える6~7月に剪定をすることで、紫陽花の株を充実させ成長させることができます。また来年開花するかどうかは、紫陽花の開花後の剪定と冬芽形成ができるかどうかです。
紫陽花は、生育環境が揃えば、ある程度強く剪定をしても炭疽病やうどんこ病などの病気や葉焼けをして株が弱らない限り、元気に成長します。
紫陽花を切ってしまうのはちょっと心惜しいですが、来年キレイな紫陽花を楽しむためにも剪定に挑戦してみてはいかがでしょうか?
おしまーい。