子育てをしている女性は多いはずなのに、どうして女性は子どもがいることで働きにくい環境になってしまうのか…。子育てしながら働く女性の気持ちを分かって欲しいと思い記事にしました。
子育てしやすい社会にするために、行政の取り組みや国の助成制度、子育てママが働きやすい勤務体制の実施をしていますがそれ以前に、子育てママが直面している「働く現場での会社の体制」や「職場の子育てへの理解」から見直す必要があると感じます。今回、直面する児童待機問題を乗り越えて子どもを保育園に預けることができ、かつ、育児休業から急遽職場復帰したのにも関わらず、半年で退職せざる得ない職場になってしまったお話を記事にします。
・会社は小規模でスタッフが社長まで合わせて6人でした。そのため、連絡などは直接、社長とすることになっています。
子育てしにくい会社は育児休業復帰前から決まっていた
育休中に明日締切りの書類を作るように依頼された
さて、その書類はいつまでに提出すればよいのでしょうか?
締め切りが近いし、明日までとか!?
そうじゃないと、書類は必着締切日だから間に合わないんだよね
「明日までに提出して欲しい!」ってなんでもっと早く依頼してこないの??仕事をお手伝いできるのはありがたいことだけど、締め切りが明日なのは時間的にきついなぁ。我が子は生後2か月で睡眠時間も安定していないし母乳も1~2時間おきに飲むのに、明日の提出なんて無理だよ…。もう少し、育児休業で生後2か月目の赤ちゃんを育てている状況を分かって欲しい。だけど、社長の頼みだし育児休業でスタッフに迷惑が掛かっているからお手伝いをしてあげたい。今日、徹夜すれば締め切りまでに間に合うかな。どうしよう…。
書類は来年度に会社が予算を獲得するための事業計画書で5,000文字ほどの書類でした。自分で考えながら、作成しなければならない5,000文字を明日までに仕上げるには徹夜するしかない状態で、明け方2時、3時、4時と時間が過ぎていく中、定期的に泣く娘ちゃんに母乳を与えながら寝かしつけを2回ほどし、寝ている数時間の合間で書類を作成しました。
実は、育児休業中に仕事の依頼がきたのはこれが1回だけではなく、1ヶ月に1~2回のペースで仕事を無給で手伝うことに。自宅ですることもあれば、首が座らない娘ちゃんを会社に連れて行ってすることも。そんな日々を送っているうちに、生後4か月ごろから娘ちゃんが母乳を飲まなくなり、生後5カ月ごろから母乳がでなくなってしまったのです。
貴女は母乳がよくでる体質だと思っていたのに、どうしたのかしら。産後の入院中もたくさんでていたのにね。ストレスや睡眠不足、食べる食材によって母乳の味がおいしくなくなると赤ちゃんが嫌がって飲まなくなることがほとんどなので、ママは赤ちゃんのために栄養バランスを考えた食事と休養をしておいしい母乳を作ってあげましょう。
会社に子どもを連れてきていることを周りの人が批判していたよ
某日、依頼された仕事内容の関係で、会社に打ち合わせに行っておりました(育児休業中)。すると、社長から次のようなことを言われました。
職場に子どもを連れてこないように気をつけなさい!スタッフの○○さんが、周囲から「どうして育児休業中でお休みなのに、職場に子どもを連れてきているの。迷惑にならない!?」と言われたそうだよ。言われるスタッフの身にもなってごらん。よく思わない人もいるみたいだから責任ある行動をしないといけないよ。
育児休業中に仕事を頼んできたのは会社側で、自宅でできる仕事は自宅でしていて、自宅でできない仕事は会社ですることになると、分かっているはずなのに。それに、「子どもを連れてきていいよ」って言ったのは社長なのに。なんか、矛盾している。育児休業中にオムツやおしりふきを用意してまで娘ちゃんを連れてきて文句言われながら仕事をしている私ってなんなんだろう。1歳未満の娘ちゃんをどこにも預けられない上に、会社まで連れてきて仕事をしないといけない。私も我が子も大変で、それでも、会社の頼みを優先して仕事をしていたのになんか悲しいなぁ。本心では、嫌われているのかなぁ…
しかし、そんなこと思ってもどうしようもありませんでした。それ以来、育児休業中に職場に行かないといけない日は、旦那様の仕事の合間や実母が休みの時に会社に行くようにしました。その頃は母乳もでなくなりミルクを与えていたので、旦那様や実母が娘ちゃんにはミルクを与えて過ごしていました。
どこの保育園でもいいから入園させて復帰して!
育児休業を取得するために会社では代替要員を1年間契約社員として採用していました。すると、代替要員が、私が職場復帰する前に退職してしまうことになりました。その話は、代替要員から私のもとに電話がきたことで知ったのです。そのころ、我が子は生後9か月半ばごろで少しずつ腰が座り始めている頃でした。
会社の経営にあたって人員は大丈夫なのですか?
そうだよ!退職するんだよ!全然大丈夫じゃないよ!
保育園を選ぶから入園できずに児童待機になるんでしょう!「保育園を選ばずにどこでも入れようと思えば入れる」って議員が言ってたよ。遠い保育園でもいいんだから空いている園に入れればいいことでしょう。保育園から通勤時間がかかるようなら、正職員ではなくパートに勤務形態を変更すればいい話だから。
私は自分の子どもを通わせたい保育園さえも希望を言えないし、選ぶ権利がないんだ…。正職員として必要されているかと思っていたけれども、それも違うんだね。
入れたい保育園入園できないときに役場に相談をした内容を記事にまとめています。
職場復帰前に「子どものためにパートにしなさい」と言われた
「パートに切り替えさせたい」という会社の意図的な気持ちをなんとなく察していました。しかし、そんなことを本当に言われるとは思っていなかったので驚いてしまいました。
会社からパート転換をさせたいことを聞き、私の回答は次の通りでした。
子どもの病気や発熱で会社を休みづらい職場
そんなに休むなら、勤務形態を考えないといけない
職場復帰したころ、生後10カ月の我が子はまだ免疫力もなく、初めての保育園でストレスや疲れから体調を崩すことが月に1回はありました。急な発熱で、実母や旦那様が休めないときは私が有給を取ってお休みし看病をしていました。我が子の体調が良くなると出勤し、自分が休んでいた間に貯まった仕事をお昼ご飯も食べず、トイレもダッシュするぐらいに必死にこなしていました。有給後の出勤は、社長やスタッフの皆さまにご迷惑をおかけしたお詫びとお休みをいただいたお礼をお伝えしていましたが、その度に毎回、言われるのが次の言葉でした。
子どもが病気で休むのは仕方ないことだけれども、同じ正社員の方と比べると貴女は仕事になっていないんだから。勤務形態を見直さないといけないのは分かるよね。子どもがいて働くってそういうことだよ。
子どもの状態を伝えたら「勝手にしろ」と言われた
娘ちゃんの体調がよくなり次第で出勤できるため毎日娘の体調や明日は出勤できるかの確認の電話を社長にしていました。報告・連絡・相談が必要かと思い、その日の夕方に必ず一報をするようにしていました。また、会社のスタッフの人数も少ないので、各スタッフにも連絡をしていました。
勝手にすれば!!
「勝手にすれば!」と言われ、その裏には「どうせ出勤できないんだから、好きなように休めばいいでしょ。」という投げやりな気持ちが伝わってきました。「好きで休んでいるわけでもずる休みをしているわけでもないのに。仕事をしたいけれども子どもの傷病で保育園が預かってくれない以上どうしようもできない。休んでしまって迷惑をかけていて心が痛いのにどうしたらいいのかな。」という辛い気持ちでいっぱいでした。言い方が悪かったのかな。明日も休みを頂くために、どう伝えたらいいの?と困ってしまいました。
子育てママは会社に不利益!という会社の嫌がらせ
仕事をしても「仕事内容が不十分」と責められる
働くママは子どもの傷病で休む以外の日は、「人一倍仕事を頑張らないといけない!」と気合いを入れて働いていると思います。それでも、どんなに仕事を頑張って休みの分まで仕事を取り戻して終わっていても言われるのが次の言葉でした。
休むんだから、もっと効率よく仕事をしなさい!やる気はないのか!!!仕事が大変だと分かったか!!!
就業規則が定める固定休日でも、会社のために稼け!
会社の就業規則上、土曜・日曜・祝日に加えて、GW・お正月・お盆がお休みでした。ちょうど、保育園も休園日なので会社の休日形態には助かっていました。しかし、土曜・日曜・祝日が重なり連休となると、社長の鶴の一声で祝日の休みが出勤となりました。振替休日がある休日出勤ではなく、通常出勤になってしまったのです。
うちの会社は公務員みたいに福利厚生じゃないんだよ。世の中は連休で就業規則も休みだけど、お前たちは本当にそれでいいと思っているのか。会社は稼がないと給料が出せないんだよ。君たちは考えが甘すぎるんだよ!
会社は小規模運営でスタッフは5人で独身男性や単身赴任のため、時間には自由があり「はい。分かりました」とうなずいていました。しかし、日曜・祝日は保育園が休みので、いきなり出勤になってしまい、働くママは困ってしまいました。保育園が祝日で休みであるこの3日間、誰に我が子の面倒を見てもらおうかと苦戦しました。なんとか、旦那様が会社をお休みして面倒をみてくれるようになりました。正直、社長に相談をしました。
分かった。
私はなんで謝らないといけないんだろう…。って思っちゃいました。保育園が休みであることは2か月前から伝えていたし、会社の就業規則上、休日なのに、社長の勝手で休日が出勤にできるのものなの!?旦那様が仕事を休んで、無理をして娘ちゃんを預かってもらって、ちっともイイことない。それにこの連休中、社長は早めに退社した上に、「連休だからみんなで遊びに行ったら?」と言って個人用事にでかけてしまうなんて。それなら、最初から就業規則通りにお休みにして欲しかった。娘ちゃんと旦那様と一緒に連休を楽しみたかったなぁ。
スケジュールに書かれた保育園行事のメモを勝手に消される
会社では、スタッフの行動や仕事内容を管理するスケジュールが共有されています。日曜日以外は会社の都合で出勤になる可能性もあるので、スタッフは個人用事(歯医者や健康診断、個人的な外出や帰省日程など)があれば記入していました。逆に、個人用事を書かないと、「これじゃ、社長がスケジュールを調整できないじゃないか」と指摘されるぐらいでした。
そのスケジュールに私は、保育園休園日も記入していました。しかし、毎回、保育園休園日だけは削除されていたのです。個人の歯医者や定期健診による薬処方日は削除されずにしっかりスケジュールに残されていたけれども、意図的に保育園休園日だけは抹消され続けました。
嫌がらせ…だよね。先日の連休も「保育園休園」って書いてあったのに削除された上に「出勤」要請がでてしまうんだから。働くママの保育園事情なんて、会社には関係ない!無視!と言われているようなものなんだよね。しかし、それが当たり前だよね。会社の業務にとっては、保育園事情なんて関係ないんだから。と前向きに考えるようと思いました。
「時間がないとは言わせない」補助金の切れ目が退職の日
そして、ついに退職宣告日が到来しました。宣告日の朝、実は保育園からお迎え要請の電話がかかっていました。私は、1日の仕事で、本日中にやらないといけないことは午前中に済ませ、明日でも問題なさそうなことは明日に予定を回し、自宅でできる資料作りはUSBに保全して自宅で仕事をする準備をしていました。その時に、社長がいきなり問い始めたのです。
なんでこの資料が作られてないんだよ!!!銀行で融資を受けるために必要な経営実績じゃないか。言い訳なんて聞かんぞ!「時間がないなんて許さんからな」
なんの資料のことかさっぱり分かりませんでした。確認すると、その資料は育児休業中に他のスタッフが作っていた資料でした。いつの間にか私が作らないといけないことになっていたようで、早退前にまたもや困ってしまいました。
もし、よろしければ退職をさせて頂けますか?我が子はまだ小さく、お休みをしないといけないことが多く会社にご迷惑をおかけしてしまっているので、きっとその方がみんなのためになるかと思いまして。それに、また今日も体調が悪いと保育園から電話がかかってきてこれから迎えに行かないといけないんです。
すると、社長は今まで怒っていた憤りが納まり、穏やかにこう話しました。
君がそう言うなら、それでいいよ。会社の経営も大変だし、両立支援プランの助成金も条件*備考1)を達成するからね。ほら、早く我が子を迎えて行ってあげなさい。
*備考1)厚生労働省の助成金の一つに「両立支援等助成金(職場復帰時)」があり、会社が支給を受けるための一つの条件に、育休復帰者が6か月以上は働かないといけないことがありました。
「この日に、我が子が体調を崩さずに、そして社長が私に問わなければきっと退職をしていなかったかもしれない」と一瞬思ってしまいました。それに、今回休みをいただくために「退職」の意志を伝えなければ、会社が納得して休ませてくれない状態でした。近い日に退職をせざるを得ない会社の雰囲気であることは間違いなかったからこれでよかったんだと考えました。
最後に
育児休業中に会社から仕事を頼まれるケースは少ないものです。しかし、会社が小規模で、その上、代替要員がまだ仕事に不慣れであると育児休業中にも関わらず会社から仕事の依頼の連絡がくることがあり、会社が忙しい中子育てといえども休業扱いですが、復帰後の職場との関係も考えると断ることができな状況だと察し、お断りできないケースもあります。その時は、お給料もらいましょう。また授乳中のママは特に無理をしないようにしましょう。ストレスと睡眠不足になると母乳の味が変わったり、母乳がでなくなったりすることもあります。
子育てママが働く社会は非常にシビアなものです。「子育てしやすい社会」も大切だけど、一番大切なのは「子育てしやすい会社組織の改革」だと感じます。国や町が子育て支援や補助金で援助してくれるけれども、その援助が終わったら雇用が終了してしまうという会社の実態がなくなることばかりです。
子育てしながら働くって本当に大変です。最後に、子育てしない方がキャリアを積めていたのかなとか、子どもがいなかったらこんな思いをしなかったのかなとか思うとき、ママは自分を追い詰めないで欲しいです。大切な我が子を守れるのは親だけですから。
天職だと思える仕事でも退職せざるを得ないことがあります。それでも、退職する目的や意義を明確にして将来のために歩んでいきたいものです。
働く全国のママ達、頑張りましょう。
子育てママが数年勤めたやりがいのある仕事を退職しようと決意した思いを綴っています。
この記事作成に当たって投稿を悩みました。しかし、今この社会で起こっている実話こそが直面している働くママの悩みに少しでも寄り添えるのではないかと思ったことやこの話題から良いことも悪いことも見つけて欲しいです。そこから見いだされる改善策やこうしたらもっと会社とのおつきあいが良くなるかもという行動に導けるようにして欲しいと考え投稿しました。人気の話題や前向きな良い情報、上辺だけの情報発信だけではなく、経験談を伝えることが本ブログ「かごんまのこ」の理念の一つでもです。お読みになられて気を害されたり、不愉快なお気持ちにさせてしまいましたら申し訳ございません。
(追伸)2020.8.7
本記事で該当している会社は倒産し、現在は存在していません。
おしまい。