耳鼻咽頭科受診で分かった妊娠中の目眩・耳鳴りの原因と治療法

妊娠中に突然の目眩や耳鳴りに見舞われ平衡感覚を失い立つことすらできなくなりました。悪阻で産婦人科を受診し入院までしたけど、回復が難しいでした。目眩や耳鳴りの原因が何なのかを知るために、耳鼻咽頭科を受診した時の検査や主治医からの診断をお伝えします。

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めまい症状は何科を受診すべき

少し余談ですが、めまいがあるときに、耳鼻科もしくは耳鼻咽頭科はどこを受診したらいいのか病院探しから始まると思います!今回は、地元に「めまい相談医」に認定されていらっしゃる主治医の病院を受診しました。

めまい相談医について
めまい相談医の一覧は、日本めまい平衡医学学会の公式サイトに記載されています!
めまい相談医の認定は、日本めまい平衡医学会公式サイト「一般社団法人 日本めまい平衡医学会」よりご確認できます。

ただ、目眩の感じ方にもさまざまあると思いますので、受診した方がいい科をまとめました。

めまいの症状で受診する科が異なる例
 目眩の他に合わせて、頭痛や顔や手足のしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えたりかすんで見えたりする症状(脳に何かしらの異常が考えられる場合があるため)
神経内科、脳神経外科
目眩に伴い、音が聞こえづらい、耳鳴りや耳が詰まった感じがする症状
耳鼻咽頭科、めまい専門医の病院
立ち上がる時にクラっと目眩が起きて、目の前が暗くなったりする症状
(低血糖や低血圧による変動が原因の場合があるため)
内科や循環器内科

問診

問診では症状を次の通りにお伝えしました。

問診で伝えた症状と経過
前日まで元気で毎日30分ほどウォーキングをしていて悪阻も比較的落ち着いていた
耳鳴り(低音でボーという音)が2日間ほど続き、鼓膜に圧がある感じ
横になっていて目を覚ました時に頭を動かそうとしたら目眩があった
横になっている状態で、目眩と頭痛、変な感覚で頭を左右に動かすことができない
平衡感覚を失い立つことができない
立ち上がろうとするとポスッと倒れてしまう
妊娠中なので悪阻の症状かと思い産婦人科で点滴入院
車の中で嘔吐
退院後も回復せず、頭痛と目眩と吐き気がある
メニエール病の疑いありと産婦人科の悪阻入院時の診断書に記載された
耳鳴りは今はしないが、波がある。
すると、耳鼻科の主治医が耳の中をカメラで確認した後、メニエール病の検査をさせてくださいとのことでした。

メニエール病と言われても実は、メニエール病ではない方もいるので検査をして確かめてみましょう!
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メニエール病の検査

受けた検査をご紹介します!

標準鈍音聴力検査

標準鈍音聴力検査は聞こえの検査です。健康診断で聴力検査を行う方法と同じ調べ方でしたが、2つの検査を行いました。難聴の種類・程度を知る検査で、1つは「気導聴力」を調べる検査、もう2つ目は「骨導聴力」を調べる検査でした。検査は2畳分ぐらいの狭いお部屋で、防音が施されていたお部屋でしたよ。

気導聴力

両耳にヘッドホン(気導受話器)をつけて外耳・中耳・内耳を通して『ピー・ピー』や『プー・プー』などの音を聞きいていきます。音が鳴ったら渡されたボタンを押します。音の経路に障害があるかどうかを調べる検査で、125~8,000Hzの高さの異なる7つの音を片耳ずつ調べていきました。

骨導聴力

骨導聴力検査は、耳の後ろにある骨を通じて音がどのくらい聞こえているのかを調べる検査でした。看護士さんが耳の後ろに骨導受話器をあて音を流して(刺激を伝えて)、反対耳にはヘッドホンから雑音が流れています。例えば、右耳を調べるときには片方の左耳には雑音を流しています。内耳やその奥の経路に障害があるかどうかを調べることができます。

チンパノメトリー

標準鈍音聴力検査の延長線で同じ部屋で、看護師さんが耳にイヤホンみたいなものをつけて、圧をかけていました。これも片耳ずつ検査をします。患者側が何かするということはありませんでした。チンパノメトリーという検査で、外耳道に圧を描けて鼓膜の動きの変化を調べることができます。

ラバー負荷試験

ラバー負荷試験は、少し難しい用語を使いますが末梢前庭障害を調べることができる検査で、めまいが前庭とよばれる器官が原因なのか脳が原因なのかを見分けるための検査です。

体重計みたいな測量計(≒重心動揺計と呼ばれる機械)に立つことになりました。立ち位置の足の位置は決まっていて、看護師さんから聞かれたことは「足のサイズは何センチですか?」という質問がありました。足のサイズで立つときに合わせる位置が若干変わるみたいです。両足をピタッと合わせて立ち、目を開いたまま30秒立っていました。次に、目を閉じたまま30秒。この30秒がフラフラせずに立つのが結構難しいんですよね。次に、マットレスみたいなふわふわなもの(≒フォーラムラバー)を引いてその上に立ちました。看護師さんの指示でかかとを合わせてつま先の開きを30℃の角度に定め、目を開いたまま30秒、次に、目を閉じたまま30秒立った状態を維持します。スポンジの上に立っているかのようにふわふわな足場にグラグラ傾きそうで、目を閉じたままの30秒はかなり力が入ってしまいました( ゚Д゚)。

グラビコーダ GP-31という装置を用いて体のバランスを検査します。
三角形のプレート上に起立して、開眼時と閉眼時の身体のバランスの違いを測定することで、脳の障害か、あるいは内耳障害があるかどうか調べます。日本めまい平衡医学会でも認められた国内唯一の日本全国2,200人の健常値データを内蔵した解析装置です。さらにGP-31では、ラバー負荷検査という新しい機能が追加されています。これはゴムマットに乗って体のバランスを測定することで、脊椎の深部知覚情報を抑制し、内耳障害をより詳しく診断する検査です。ラバー負荷検査では内耳障害(前庭機能異常)を80%以上の感度で抽出出来ることが報告されています。

ビデオ式眼振計測装置(VOG)

遮光断カバーがつけられている分厚い、けどとても軽いゴーグルをつけた検査で目の動きにより目眩がどの角度・方向で起きるのかなどを調べることができるようです。ベットの上に体育座りになりゴーグルをつけ、看護師さんと主治医が指示を出しながら、患者の体を動かしていきます。腹筋いるかな・・・というぐらい割かしハードに動かされていた気がします。熱くなってゴーグルが曇ってしまって、主治医が曇りを取っていました。暗な中、目を大きく開けあまり瞬きをしないように、かつ視点を一点に合わせてと言われていて、その中でグルグル動かされるので、途中は気持ち悪くなっていました。視界は真っ暗ですが、主治医からは目の動きが見えているみたいです。

内耳障害によるめまい発作が起きた場合、眼球が異常に動く「眼振」が出現します。この眼振の向きや出現パターンを解析することで、内耳のどこに原因があるのか詳しい部位診断をすることができます。
めまいの診断において眼振検査は古くから必須の検査法ですが、わずかな眼振を見逃さないための診断装置が重要となります。VOGは赤外線カメラを内蔵したゴーグルを装着することで、眼球の動きをビデオ録画しながらコンピューター解析して、眼振図という波形を表示する機器です。内科の医師は心電図をみて心臓に異常がないか診断しますが、私達めまい相談医は眼振図を用いてめまいの診断を行っています。

診断

30分ほどの検査を終えて、主治医の診察がありました。

伝えられた言葉は次の内容でした。

メニエール病ではなく、妊娠に伴う体の変化やストレス、寝不足、疲れなどが影響している心理的なものからくる目眩でしょう。ただ、目の動きから目眩の症状が出ているのは確かです。

妊娠中のマイナートラブルの一つ

メニエール病や脳の異常でもなく、何か新しい病気を発症させてしまったものではなかったので一安心でした。メニエール病だと片方の聴力だけ下がっている(難聴になる)ようです。検査を一通り終え、検査結果の説明もありましたが特に異常はなく、耳鳴りがあっても難聴ではなく、その傾向もないとお話がありました。今回の目眩や耳鳴りは、妊婦のマイナートラブルの一つとして捉えて大丈夫で、ホルモンの変化やストレス、睡眠不足や疲労などからくる心理的・精神的な要因が関係してる可能性があるとのことでした。

それから、めまいに多い病気として「良性発作性頭位めまい症」を教えていただきました。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは、めまいのうちで最も多い病気であり、比較的治りやすい病気です。内耳にある耳石器の耳石が剥がれ、三半規管の中に入り込んでしまっていることが原因。起き上がる、寝返り、上や下を向くなどの頭の位置を変えた時にめまいがおき、数秒から数十秒でおさまり、ひどいときは吐き気や嘔吐を伴う場合があるようです。難聴や耳鳴りを伴うなどの聴覚トラブルはなく、特定の頭の位置でめまい発作を繰り返すのが特徴とのこと。

ネットで「良性発作性頭位めまい症」と検索すると、詳しいページがたくさんあるので、具体的にお知りになりたい方は専門医が多くの記事を公開していますがので検索されてみてください。参考までに一部、引用させていただました。

良性発作性頭位めまい症とは、内耳の障害が原因で生じるめまいのひとつです。耳は外側から、外耳、中耳、内耳に分けられ、いちばん奥にある内耳には、「聴覚(聞こえ)」と「平衡感覚(バランス)」の情報を電気信号に変えて脳に送るという働きがあります。体を動かしていないのに内耳から「動いている」という信号が送られてきたときなど、内耳からの動きを伝える信号と目や筋肉からの信号が一致しないとき、めまいが生じます。

内耳の卵形嚢(らんけいのう)は、垂直方向を感知する器官です。この中には炭酸カルシウムでできた耳石(じせき)があり、頭の傾きに応じて耳石が動くと、「傾いている」という信号が脳に送られます。耳石は常に代謝していて、はがれた細かいカスが卵形嚢にたまっていきます。

これは浮遊耳石ともいわれ、何かの拍子で三半規管の中に入り込んでしまうことがあります。すると、三半規管内のリンパ液の流れが誘発され、実際には頭は動いていないのに、内耳から「動いている」という信号が脳に送られます。これにより生じるめまいが良性発作性頭位めまい症で、10~20秒と、比較的短い時間で治まるのが特徴のひとつです。

良性発作性頭位めまい症は数十秒から数分で治まるみたいなので、今回の症状とはまた違うのかなと思いました。やっぱり、妊婦は無意識にストレスがかかっているのかな・・・
受診した主治医から、一般的なめまいが起きたときの治療法、対処法、リハビリについて教えていただいたので次の章でまとめます。

治療法・対処法・リハビリ

めまい症状の治療は、薬物治療と運動療法の2つがあります。この章では、めまいが起きた時の対処法や日常生活に取り入れたいリハビリとして3つご紹介します!

1めまいが起きた時は、腰を掛けて座り目を大きく開けて遠くの一点を見つめるようにする

目眩があると目をつぶってしまうものですが、そうすると目に見えている視覚の情報が脳に伝わらず、脳がさらに混乱をしてしまいふらつきや目眩がつよくなるみたいです。

2就寝時の枕の高さは、頭が45度上がる高さがベスト
頭を45度上がる高さにする理由は、耳石落下防止のためです。45度は高く感じるので、急に45度の位置にするのではなく、首が痛くならないようにタオルや座布団を利用して背中から徐々に高くしながら調整をします。
3日常生活で心がけること
1日30分程度の軽い運動は、気分転換にもなります。ストレスをためない生活を心がけることも大切です。内耳に障害があって起きるめまいは平衡機能訓練が有効で、片足立ちで両手を広げるなどのストレッチがよいとのこと。
日常生活の見直し
⑴ ストレスをためない
⑵ 睡眠を十分にとる
⑶ 栄養バランスのよい食事をする
⑷ 適度な運動を習慣化する
⑸ ぬるま湯の半身浴(リラックスする)
⑹ お酒は控える(特にめまいが起きているときは禁酒がよい)
⑺ タバコは控えめに(禁煙に努めましょう)
4首の運動をする

最後に、リハビリのご紹介です。ラジオ体操(首に関する体操)と同じ動きを毎日5セット繰り返すとよいようです。

ちょっとした時間でできる首の動きです。1ヶ月ぐらいで目眩が改善されるようです。
首のリハビリ
⑴ 頭を左右に45度傾ける(1セット10回)
⑵ 頭を前後に45度傾ける(1セット10回)
⑶ 頭を水平に左右へ45度振る(1セット10回)
⑷ 首を左右に大きく回す(1セット10回)

筆者が受診をした「ふくいわ耳鼻咽頭科クリニック」からいただいた資料をご参考までに添付します。

最後に(まとめ)

長文になってしまいましたが、耳鳴りや目眩、歩けないほどの症状は妊娠中のマイナートラブルの一つなのかもしれませんが、早く症状が良くなって欲しいです。目眩や他の症状は落ち着きましたが、耳鳴りがある日、ない日には波があるように感じます。また耳鳴りはなくても耳に何か圧を感じているときもあり、ブルーな気持ちでそんな時は食欲低下中です。

今回の耳鳴りや目眩は初めての経験・症状で妊娠中だったので悪阻かなと思い産婦人科を夜間に受診そのまま点滴治療で2泊3日入院をしましたが、治らずでした。さらに「メニエール病の疑い」と言われて冷や冷やドキドキしていましたがそれもストレスなので、翌日には早速耳鼻咽頭科を受診!原因が早めに分かってよかったです。

耳鼻咽頭科を受診する前日は産婦人科に悪阻かなと思って入院していた記事もまとめています。

妊娠中のマイナートラブルの一つと分かっても、耳鳴りがある日は辛いな~。

おしまーい。
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