秋に成長した椿の管理-新芽の成長に伴う蕾枯れや樹皮の剥がれ-

椿は「冬の花」として、早咲きの大神楽や荒獅子などの品種は朝晩の冷え込みが感じられる10月中旬から下旬にかけて咲き始めます。冬を感じさせる椿の中には、蕾は数個あるものもなぜか枯れてしまい花を咲かせる気配がなく、一方で新葉を伸ばし成長をしている樹木もあります。よく見ると一部の枝の繊維が枝に沿って剥がれ落ちていることも。この椿の現状がどうして生じるのかを推測しながら解説します。

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気候に応じた椿の生育とは

気温や日照時間などの季節の変化に応じて、植物の体の中でも変化が起きています。今回、蕾をつけているけど枯れてしまう。それが当たり前なのかどうなのか、病気なのか、植物の体内時計が狂ってしまっているのか等、成長してしまう原因がどこにあるのかを把握するためにもどんな時期でその現象が起きているかを知ることが解決の根拠を探るヒントになります。

10月の気候(症状が生じた環境)

10月の気候
①10月中旬~下旬
②サザンカ、早咲きの椿も開花し始める気候

日中の気温は高めで人が動くと暑さを感じますが、朝夕は冷え込み長袖の上着が必要な肌寒さ。朝露もおりて空気はツンツンと椿は冬を迎える準備をしています。2週間に1回ほど北風が強く、乾燥した日もあり、背丈がある樹木を植えている大きな丸鉢は固定をしないと倒れてしまったり、樹木が風になびかれて風が吹くたびに耐えている日もありました。しかし、風がない日は、温かく柔らかい日差しなので、コスモスが咲き乱れ、早咲き椿は開花し始めています。

白太神楽の開花
  

荒獅子の開花
  

丁子車(サザンカ)の開花
  

公開予定記事の内容:サザンカの育て方

さて、四季折々を感じられる10月で、椿は今まで大切に育ててきた豪華な花を1年に1回だけ見せてくれる時期でもあります。基礎知識として10月頃の一般的な椿の生育状況や概要、開花の様子をご紹介しますね!

10月の本来の生育状況

秋になると椿は開花のために蕾の充実に向けて準備をしていきます。早咲きの椿は咲き始める頃ですが、ほとんどの椿はまだ蕾を持っています。これからの開花に備えて、椿は蕾にエネルギーを費やしていきます。そのため、新芽を出すことをストップさせ、幹や枝の樹木の身長も停止させ、椿は樹木全体のパワーを蕾に集中させるのです。一輪の花のために大きなエネルギーを使うんですから。そんなして秋から冬にかけて蕾を成長させ、開花し子孫を残す準備をしています。

公開予定記事の内容:10月の椿の育て方・管理

季節の変化に応じて、椿も生育を変化させているものですが、ときより、自然の生育状況とは真逆のことする椿がいるんですよね(^^;

本来の生育と真逆な3つの症状

その真逆な生育状態である椿はこんな症状です。「変わり者の椿の症状」としてまとめています!

椿の全体写真を載せますね!
  

深緑色の濃い濃いした葉を茂らせて、元気にしている樹木であることがお分かりになるかと思います!写真から判断しても生育自体に全く問題のない樹木で健康体です。しかし、どうして「変わり者の椿」と呼ばれるかというと、今の季節は10月なんです。10月頃の本来の生育状況と比較すると違ったことをしているんですよね。

10月の基本の生育と違った椿の様子とは次の3つが挙げられます。

変わり者の椿の症状
(10月の生育状況と違った生育をする椿の様子)
①新葉が伸び、伸長している
②蕾が数個あるが、1個枯れてしまった
③新葉が伸びる枝の木質繊維が剥がれ落ちている
お伝えした通り、10月は成長をストップさせ開花に向けて準備をするのですが、成長は促進され蕾は枯れ落ちていくんです。そして、枝は脱皮をしているかのように幹表面の木質繊維がボロボロと剥がれ落ちています。では、どうして基本の生育状況から外れて樹木がこのような生育をしながら育っているのでしょうか?

秋に新葉が伸びる理由

肌寒くなる秋の成長は「緩やかになるか、もしくはストップ」させ蕾にエネルギーを注ぐわけですが、それにも関わらず新葉が伸び続けている理由があります。

新葉を一生懸命伸ばしています
  

 

椿の気持ちになると「僕は、まだ元気!もっと成長できる!・・・少しの寒さなんてへっちゃらなのさ」という思いなんです。

だから、秋の気候になっても、樹木は季節に逆らって枝を伸ばしていきます。樹木の勢いがあることはいいことなんですが、あまりにも元気に幹を伸ばしすぎてしまった結果、次の症状が起きてしまうんです。

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木質繊維が剥がれる理由

「枝の木質繊維が剥がれている」のは脱皮をしているわけでも、不要な樹皮が自然と剥がれているわけでもないんです。病気でもないので心配はしなくても大丈夫です。原因は、樹木があまりにも元気に幹を伸ばしすぎてしまった結果、幹の太さが生長に追いつかずに樹皮にヒビが入ってしまっている状態なんです。

私達、人間で例えると、太った時に細胞が追い付かずに割れてしまう肉割れのこと(気にされている方申し訳ありません><。)妊婦さんは急にお腹が大きくなって、人によっては妊娠線ができてしまうのと同じです。まさしく、急に大きくなるので樹皮の成長が追い付かず(細胞の面積がもうこれ以上、伸びれない状態で)樹皮表面の細胞が裂けてしまい、ヒビが入ってしまった状態なんです。

樹皮の繊維が剥がれ落ちてる症状があっても、心配しなくても大丈夫なんです。これも樹木に勢いがあり過ぎて元気な証拠です。剥がれ落ちる木質繊維は自然と取れたり、風が吹いたときに落ちたりしますので、人の手で無理にひっぱたりはがしたりする必要はないので、そのまま自然の成り行きに任せましょう。人の手で引っ張ると樹木にキズが付いたり、他の樹皮まで剥がれ落ちてしまう恐れがあります。

人間だって、水膨れをした時の皮を引っ張ると痛いと感じます。そのままにしていると自然と皮膚が乾燥して何かの拍子で剥がれ落ちたりするものです。それと同じで、樹木の繊維はそのまま様子を見てあげることをおススメします。

枝の細胞の維持ができなくなるほど、成長をしている元気な樹木ですが、一歩で大切な蕾を枯らしてしまうことがあるんです。

蕾が茶色く枯れる理由

病気でも虫食いでもなく、枝が折れてしまったわけでも水枯れをしたわけでもないのに、蕾が茶色くなって枯れてしまう理由は、その樹木は残念ながら蕾の必要性がないと感じているようです。

枯れた蕾を取って解剖しました
  

花を咲かせるということは、種子を作ることなので、種子植物によって子孫を残す手段の一つです。つまり、樹木は「僕はまだまだ生きていける!僕の寿命は長いの!だから子孫はいらないの。」という理屈からなんです。樹木のこの思いは、これまで説明をしてきました“秋に新芽が伸びる理由”や“枝の木質繊維が剥がれる理由”と同じことなんです。樹木はまだまだ自分の成長のため、肥大のために新芽を伸ばし、枝がはちきれるぐらいグングン生育していることに重点をおいているので、まだまだ種子を残さないで、種子を残すよりは成長にエネルギーを費やしたい!というわけなんです。

そんな樹木の生育段階の時は、蕾を付けても自ずと枯らしてしまうんです。椿の花を見れなくて残念ですが、そっとしてあげましょう。椿の好きなように気の向くままに成長させてあげて、来年の開花まで見守ることしかできません。育てている私たちは、そういう椿の心を大切にしてあげられるといいですね。

だから、心配しなくても大丈夫なんです。乾燥した風や北風や急な気温の冷え込みなどの環境的な要因ではなく、また肥料不足や水不足から枯れてしまったという生理的な要因でもなく、さらに害虫に食べられたり蕾元が折れてしまたりと物理的な要因で蕾が茶色く枯れてしまうわけではないんです。樹木そのものの生育上の判断で枯れてしまっているだけなんです。

本当に残念ですが、病気や害虫が発色しているわけではないのでそこのあたりは一安心です。
椿の蕾が枯れる要因は次の通りにまとめておきますね!関係ない要素を外していくと、他にも蕾が枯れた原因が見つかるかもです!

椿の蕾が茶色く枯れる理由
①環境的な要因
・乾燥した北風に当たり過ぎた
・急な気温の冷え込みがショックを与えた
②生理的な要因
・肥料不足による栄養要素の欠乏
・水不足で樹木内の水循環の不可
・子孫の不必要性
③物理的な要因
・食害で蕾がなくなった
・蕾の元の部分やその枝が折れた

課題

寒さに負けずに元気な椿を紹介しましたが、少し心配なのは今から寒くなるということ!自然環境に逆らって生育をしていますので、10月に伸びた新葉はちゃんと成長ができるのかな?ということです。今は、誰が見ても新葉と分かるほど若々しい黄緑色で柔らかい葉をしていますが、環境条件や時間とともに深緑色になり硬くなってきます。そして、伸長したまだ細く柔らかい枝も太く硬い枝に成長し、樹木の髄が引き締まってきます。しかし、新葉や新枝がしっかりとした葉や枝に成長しなければ樹木全体の生育に悪影響がでてしまいます。

適切な時期ではない成長は、今後の生育維持が難しく枯れてしまうことが植物の本質です。もしくは、葉数が少なかったり、細い枝を形成してしまったりと、ひ弱な樹木に育ってしまいます。細い枝から伸びる枝はより細い枝なのですから、できる限り幹は太くなるように育てたいものです。

最後に(まとめ)

椿の樹皮が脱皮みたいに剥がれていたり、蕾が枯れたりと病気や生育不良を考えてしまうものですが、新芽があり若々しい葉が伸びている状況を考慮すると、椿の樹木は元気であることが分かります。なので、心配しなくても大丈夫です。ありのままの椿の生育を見守っていきます。

「季節を錯覚している椿」ともいわれますが、「樹木はまだまだ元気なの!これからも成長するぞ!」と自分で思って頑張って生育しようとしているところがかわいらしいですね。椿は温かい地方で生育できる樹木ですから、10月以降で新芽が芽吹き、新葉がでるようであれば、できれば急な寒さに当てないように管理できるとよいと思います。

鹿児島の気候でお伝えしている記事ですが、南国鹿児島と言われてもやっぱり10月は肌寒いので、この頑張り屋さんの椿は夜は玄関に入れてあげ、朝から夕方までは野外で日を浴びて育てています。早咲き椿は新芽を伸ばしてはいませんが(やっぱり開花するときは新芽を伸ばさずに花に最大のエネルギーを注いでいるみたい)、蕾がついている椿の中で新芽を伸ばし新しい枝が伸びている樹木もありますので、この寒くなる10月に新芽を伸ばした樹木は、夕方は室内に入れて育てた場合と野外に置いたままで育てた場合で、どう新芽の成長が変化するのかも記事にまとめました。

今回は、生育に問題がないように室内に入れて大切に育てています!
おしまーい。

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